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2022.06.15

半年で1万品目!怒濤の食品値上げ「5つの対抗策」|黒田総裁「家計が値上げを許容」発言でも騒然


相次ぐ食品の値上げの中、少しでもオトクなもの・安いものを探す方法は(写真:yuuno177/PIXTA)

相次ぐ食品の値上げの中、少しでもオトクなもの・安いものを探す方法は(写真:yuuno177/PIXTA)

最近、毎日いやというほど聞かされる「値上げ」という単語。二重三重に膨らんだコストに押された企業は音を上げ、「価格改定のお知らせ」を頻発している。

帝国データバンクが行った調査によると、主要食品メーカーで5月末までに累計1万789品目で値上げの計画があり、半年間でなんと1万品目を超えたという。

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6月以降に予定されているものをざっと見るだけでも、パン、食用油、カップ麺、ソース、カレールウ、スナック菓子類、アイスクリーム、ペットボトル飲料、ワイン・焼酎・ビールなど、必需品から嗜好品まですさまじい品目数だ。

先の帝国データバンクの調査では、各値上げ品目の価格改定率は平均で13%に達している。われわれの食費上昇率は、10%は覚悟したほうがよさそうだ。

そこにきて日銀・黒田総裁が「家計が値上げを許容している」発言をしたものだから、大騒ぎだ。そもそも発言の根拠となった調査結果を読めば決してそうではないとわかる。「商品の値段が10%上がっても、そのまま買い続ける」という人が増えたというが、それより「その店で買い続けるが、買う量を減らしたり、頻度を減らして節約する」という人の割合が、2021年よりもぐんと増えているのだ。我々は生活防衛に必死なのである。

筆者はこれまでも、あの手この手で対抗策を書いてきたが、今の現状を見つつ、少しでもオトクなもの・安いものを探す方法についてまとめてみよう。

今までは選ばなかった商品がオトク

1 据え置きブランドに乗り換える

各食品メーカーが、すべての商品を値上げするかというとそうでもない。あるスーパーで聞いた話では、「手ごろな価格で、よく売れるもの」が値上げされる動きが目立つそうだ。考えてみると当然で、あまり売れない商品を上げても利益には寄与しない。普段利用しているスーパーを見ても、これまで価格が割安に感じたものほど上がっている印象だ。

価格にこだわる消費者なら、ブランドではなく最安値のものから選ぶ。となると、これまでは最安でなかったからと手を出さなかったブランドが据え置きのままになっていることもある。

筆者の例だが、よく買っていた麺類の棚を見ると、値上げしているものとそうでないものが混在していた。その中でも最安だったものは値上げになっていたが、それより若干高いブランドは据え置きだったため、結果ほとんど価格差がなくなっていた。しかも、据え置きだったブランドのほうが、よく見ると内容量が多い。今なら、こちらを選ぶほうがオトクということになる。

味やブランドにこだわりがないなら、これまで高いと思っていた商品の方が価格据え置きで、実は割安になっているかも――そういう目でオトク商品を探してはどうだろう。

ドラッグストアや非・大手スーパーも活用する

2 食品で儲けを出さなくていい業種で買う

スーパーのメイン商品は言わずもがなだが食品で、それで利益を出す必要がある。しかし、中には食品も置いているが、必ずしもそれだけで儲けようとしていない業種もある。

何度か本連載でも取り上げているが、ドラッグストアや100円ショップなどがそれだ。この2業態にとっては、食品は客の呼び込みツールであり、食品を買うついでにもっと利益率が上がるものを買ってもらったり、ついで買いをしてもらえばそれでいい。この理屈で言えば、スーパーほど値上げに過敏にならなくてもよく、まだ安く買える余地は残っていると筆者は見る。

雑多な商品を扱うディスカウントショップやバラエティーショップも同様で、加工品や菓子類などを注意深く見ていくと、掘り出し価格の食品も見つかる。食品だからスーパーで買うのがいちばんという思い込みは外したほうが、安いものは見つかりやすい。

なお、100円ショップの食品については「物価高でピンチ?『100均』は今のままいられるか」でも書いたが、それこそブランドにこだわらなければ、かなり優位な買い物ができるだろう。

「物価高でピンチ?『100均』は今のままいられるか」 ※外部サイトに遷移します

3 あえて非・大手スーパーに行く

筆者は地方に出かけると、なるべく現地のスーパーをのぞくようにしている。その土地の物価や品ぞろえの傾向を知るためだが、最近はそれほど首都圏と差がないと感じることが多い。いくつか理由はあるが、看板は違っても大手流通のグループ傘下に入っているスーパーが多いため、品ぞろえも商品価格も、あまり地域差がなくなっているのだ。

大手グループは、大量仕入れによる食材確保とコスト削減のメリットはあるだろうが、「首都圏より地方のほうが安いに違いない」と思ってみてみると、期待外れなことが多い。同じメーカー品なのに、ある地方では値上げし、ある地方はそのままというわけにもいかないだろう。

むろん、プライベートブランドなどは大手流通の牙城だが、地場スーパーなど非・大手のほうが逆に安く仕入れられる場合もある。大手ほど大量に確保する必要がないので、小回りの利く仕入れルートを持っていることがあるからだ。野菜には強い、その日に安い魚を安く確保するなど、特徴のあるスーパーが近くにあれば何よりなのだが。

また、こぎれいなディスプレーなどせず、梱包の段ボールを開けただけで並べている雑然とした店も狙い目だ。これらはボックスストアと呼ばれ、大量に仕入れ、かつ陳列の手間をかけないなどにより合理的にコストを抑えて売値を安くする。店頭に段ボールが目立つ店があったら、ぜひ覗いてみてほしい。

直売所やさまざまなECサイトを利用する

4 中間マージンがかからないところで買う

これまた当然だが、メーカーから商品がわれわれ消費者に届くまでに中間業者が挟まれば挟まるほどマージンが発生し、そのぶん価格が上乗せされていく。

住んでいる環境が許せばだが、野菜なら生産者が品物を収める直売所で買うほうが安いし、加工品類は工場直売のアウトレット品がお買い得だ。

首都圏近郊でも生産者が出品する直売所はそこそこあるし、ロードサイドの道の駅に併設されていることも多い。そういうところではスーパーに並ばない規格外の野菜がお手頃価格で買える。

春先に玉ねぎの高騰が問題になったが、筆者もレジャーついでに三浦半島の直売所で玉ねぎのまとめ買いをした。季節によって並ぶ野菜はまちまちだが、取れたての地物をお手頃価格で買えるのはありがたい。

オンラインを通じて生産者から買い付ける方法もある。メルカリグループの株式会社ソウゾウは、生産者がメルカリ上で商品を販売できる「メルカリShops」サービスを提供しているが、この食品高騰でメルカリShopsでの食品購入が注目されているという。

アンケートでは、物価上昇でメルカリでの「野菜」「果物」の購入が増えるだろうと答えるユーザーも。生産者から直接購入する場合は、購入できる分量や届くタイミングに縛りはあるが、割安に買える手段の1つと言えるだろう。

5 ふるさと納税やフードロス削減ECサイトも利用

返礼品として届く食品を目当てに、ふるさと納税を利用している人も多いだろう。肉や野菜のほかにも、調味料にレトルト食品、ジュースやアルコールなども多い。これから値上げが予定されているビールを返礼品にしている自治体もいくつかあり、筆者も毎年寄付をしてお礼にビールを受け取っている。自宅まで届くのもありがたい。

また、フードロス削減目的に、パッケージが古くなったり、賞味期限までの時間が短い商品をお買い得価格で販売するECサイトを幾度か紹介してきたが、お中元に送るような箱ギフトがそのまま買えることもある。とくに、今後も値上げが続きそうな家庭用油の詰め合わせは狙い目だ。また、夏に向かって麺類の見切り品も増えてくると思われる。

こうしたフードロス削減サイトは、賞味期限が迫っているものも含まれているが、商品の概要欄に必ず期限の表記がある。中には1年以上先というものもあり、急いで食べきらないといけないものばかりではない。期限を確認のうえ、ムダにしないよう有効に利用したい。

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提供元:半年で1万品目!怒濤の食品値上げ「5つの対抗策」|東洋経済オンライン

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