2022.03.03
さっぱり貯金できない人は節約のコツを知らない|お金を増やすために支出の見直しが欠かせない訳
お金持ちのお金の使い方を真似するところから始めるといいでしょう(写真:【IWJ】 ImageWorks Japan/PIXTA)
お金を節約し、貯蓄に回す仕組みは大切です。しかし、お金の貯まる人は支出を極限まで切り詰めているのかというと、そんなことはありません。お金の貯まる人は、メリハリのついたお金の使い方をしています。
お金の貯まる人は、支出の価値基準を明確に持ち、自分にとって価値があると判断したものやサービスには惜しみなくお金をかけます。逆に、いらないものはいらないと、はっきりしています。そして、何にどのくらいお金を使っていいのか予算を決めて、それ以上はお金をかけないようにします。
反対に、お金の貯まらない人の多くに共通するのが「せっかくだから」という口癖です。不要な買い物が多く見受けられます。また、予算を決めていないので気がついたらお金がないということもしばしば。これではお金は貯まりませんし、満足度も低くなってしまいます(図参照)。
(出所)『1日1分読むだけで身につくお金大全100』(以下同)
(外部配信先では図表や画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
支出に優先順位をつけて、「どうしてもこれだけは」というところにはお金をかけてこだわってOKです。しかし、それ以外のところは安く済ませること。支出のメリハリが不可欠です。
節約は何から取り組むべきか
拙著『1日1分読むだけで身につくお金大全100』でも詳しく解説していますが、大切なのは、優先順位をつけて節約することです。節約は固定費から行いましょう。固定費とは、毎月決まって一定額発生する費用です。住居費、通信費、水道・光熱費、保険料、自動車費、その他年会費や月会費などが当てはまります。
固定費は、金額が大きなものが多く、見直すだけで、効果が長続きします。固定費が削減できたら、次は無駄遣い。嗜好品や浪費を減らします。たとえば、カフェショップのコーヒーは1杯500円程度ですが、毎週3回通っていたらそれだけで月6000円くらいの出費になってしまいます。
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無駄遣いも削減できたら、食費、交際費、お小遣い、趣味といった、毎月金額が変わる変動費の削減もしていきます。
これまでの相談事例などを基にした理想の支出割合を下図に示しました。
自分の支出割合と比べてみるとどうでしょう? 多少の個人差はありますが、もし理想の支出割合より大きく使い込んでいる費目があったら、そこは削減のポイントです。
変動費は水道光熱費から見直そう
固定費の削減が終わったら、変動費が見直せないかチェックしましょう。水道光熱費の基本料金は固定費ですが、使った分だけかかる従量部分は変動費です。資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド春夏秋冬」をもとに節約金額を試算してみます。
普段から無意識のうちに無駄遣いしている部分があるならば、それをなくすだけでも十分節約になります。たとえば、電化製品の「待機電力」。使っていなくても電力を消費していることを知っている方は多くても、待機電力をなるべくなくすことで年6000円以上の節約になることは知らないのではないでしょうか。ですから使わない電化製品のプラグは抜いておきましょう。
また、家の中でもっとも水を使うお風呂のシャワーも、節水シャワーヘッドに変えるだけで年5,000円〜1万円程度の節約ができます。
それから、冷房・暖房・冷蔵庫などの温度設定も見直しましょう。設定温度を少し弱くするだけでも、数千円の削減効果が期待できます。
意外なところでは食器洗い乾燥機。手洗いより水の使用量が抑えられるため、年間で8870円の節約ができるだけでなく、食器洗いの手間もなくせます。
このほかにも水道光熱費に関しては節約のコツがたくさんありますので、下記の図に示しておきました。
変動費でもっとも削りやすいのは食費です。でも、食べたいものを我慢するような節約は辛いのでNG。外食を月1回減らす、使い切らない量のまとめ買いをしないという具合に、無理なくできる節約をしましょう。
レシートやアプリなどの割引クーポンや、ゴールド免許の特典の割引、特定の日に割引になるクレジットカードを利用するのも地味ながら効果大。とくにクレジットカードの割引はあらかじめ日にちがわかっているので、大きな買い物は日にちを合わせましょう。
ちょっとした工夫で減らせる変動費
一時期しか使わないようなものや子供服などは、メルカリで調達するのがおすすめ。新品であっても、格安で手に入れることができますし、不要になったら出品することで、さらに節約につなげることができます。
食材をPB(プライベートブランド)のものに変えたり、薬をジェネリック医薬品に変えたりすることでも、無理のない変動費の節約が可能です。このほかにもちょっとした工夫で減らせる変動費はたくさんあります。下記に掲載しましたので、ご覧ください。
これらの方法の中から、まずはご自身が取り組みやすいものから始めてみてください。
また、これらの表に書いてある項目だけでなく、減らせる項目が他にあれば、そこから手を付けていただいてもかまいません。
さて、ここまでは支出の見直しによる節約をお話してきました。
ここからは、お金の使い方について解説していきます。
われわれはお金を全く使うことなく生活をすることはできません。必ず日々生活をしていく中で支出をする場面は訪れますが、その時のお金の使い方を工夫するだけで、お得にお金を使えて、節約、貯蓄につながる方法を解説します。楽しく節約と貯蓄ができるようになり、良いサイクルが生まれるでしょう。
まずお金の使い方で紹介したいのが、経済圏です。
経済圏とは、系列の多種多様なサービスを複数使うことで、サービスがより便利になったり、割引やポイントなどの特典を受けられたりするシステムのことをいいます。
日々、日用雑貨・食品などをみなさんも購入するかと思いますが、そういった際にお得になるお金の使い方が経済圏を利用することでできるのです。
経済圏を決めるだけで、ポイントが効率よく貯まり、お買い物がお得にできます。「ただ貯蓄をするだけ」だと無味乾燥ですが、日ごろのお買い物などでお得なテクニックを使えれば楽しくお金を節約し、貯めていけるのです。
利用する経済圏を決めたら、次はさらにポイントを増やすお買い物をしていくといいでしょう。
ポイントの二重取り・三重取りでさらにお得!
ポイント還元をお得にするためには、ポイントの二重取り・三重取りが欠かせません。キャッシュレス決済を組み合わせたり、店頭で所定のポイントカードを提示したりすることで、1回の買い物でもらえるポイントを増やすことができるからです。
例えば、電子マネーやスマホ決済の支払い方法にクレジットカードを指定すれば、電子マネーやスマホ決済のポイントとクレジットカードのポイントの両方がもらえます。また、ポイントカードを提示してクレジットカード払いをすれば、ポイントカードのポイントとクレジットカードのポイントの両方がもらえます。これがポイントの「二重取り」です。
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また、電子マネーやスマホ決済の支払い方法にクレジットカードを指定し、買い物のときにポイントカードも提示することで、ポイントの三重取りも実現可能。実質的な還元率を大幅にアップできます。具体的な方法は下記に記載いたしました。
先ほど紹介した経済圏のクレジットカードやポイントカードを利用して、スマートにポイント還元率を増やしていくといいでしょう。
日々、必要となる物品を買うために近くのスーパーや普段サービスを利用しているネットスーパーなどを利用することがあるかと思いますが、そういったところで効率の良いポイントの貯め方を意識すれば、お買い物がお得にできます。
良いお金の使い方をするためにまずは身近な買い物のシーンでのポイントの二重取り・三重取りを意識してみるのがおススメです。
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提供元:さっぱり貯金できない人は節約のコツを知らない|東洋経済オンライン