2022.02.22
iPhone「データ量を抑えて料金を節約する」設定術|App Storeの動画再生を停止、自動更新も要注意
低容量プランを賢く使えるiPhoneの設定テクニックを紹介します(筆者撮影)
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5Gの普及でデータ容量が無制限の料金プランを各社が取りそろえるようになったが、一方で、低容量プランの格安化がさらに進んでいる。代表例は、楽天モバイルの「UN-LIMIT VI」で、毎月のデータ量が1GB以下なら料金は一切かからない。KDDIがオンライン専用プランとして導入したpovo2.0も、au PAYを使って特定の店舗で買い物すると、データ容量がもらえるため、無料で使い続けることが可能だ。
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楽天モバイルやpovo2.0は極端な例だが、低容量プランは1000円札1枚で足りる料金まで下がっている。ソフトバンクのLINEMOは、3GBが990円。KDDIのUQ mobileも、電気サービスをauやUQ mobileに切り替えるだけで、料金が3GB、990円まで下がる。とはいえ、各社とも追加のデータ容量は割高。大手キャリアの相場は500MBで500円前後。1GB追加するだけで1000円を超える料金がかかる。使い放題プランに入っていない場合、通信量は抑えるほど安くなるというわけだ。
iPhoneはもともと、大容量のデータを必要とする作業時はWi-Fiの利用を前提としていたが、最新のiPhoneは、大容量が売りの5Gに合わせた設計がされいる。例えば、5G対応のiPhoneでは、「5Gでより多くのデータを許容」がオンになっている場合、5G接続時にはモバイル回線だけでOSのアップデートまでできてしまう。データ容量を抑えて節約するなら、こうした設定は見直すべきだ。ここでは、低容量プランを賢く使えるiPhoneの設定テクニックを紹介していきたい。
アプリのバックグラウンド通信を抑制
iPhoneをはじめとしたスマートフォンは、ネットワークに常時つながり、ユーザーが意識して操作していないときにもデータ通信を行う。通知を受けられたり、アプリを開いた時点で必要なメールなどが読み込まれていたりするのはそのためだが、反面、データ容量の管理がしづらくなる。バックグラウンドでアプリが利用するデータ容量を抑えられれば、必要なものだけを効率よく受信でき、データ通信量を減らせる。
標準ではバックグラウンド通信を許容しているiPhoneだが、設定でこれをオフにすることもできる。「設定」アプリから「一般」を開き、「Appのバックグラウンド更新」の画面を開いてみよう。ここで、スイッチがオンになっているアプリは、操作時以外でも通信を行う。バックグラウンドでの通信が必要ないアプリは、オフにしておいたほうがいいだろう。
ただし、やみくもにオフにしていると、かえってiPhoneが不便になってしまう。開いてすぐにメッセージを見たいLINEなどのアプリは、その一例。マップのように、ポイント、ポイントで開いて確認するようなアプリも、バックグラウンドでのデータ通信は許容しておいたほうが便利になる。とはいえ、この設定がオフでも、LINEなどの通知はきちんと届く。そのため、通知が届いてからメッセージを読み込んでもいいという場合は、オフにしておいてもいい。
バックグラウンドで自動的に通信するアプリを選択することが可能だ(筆者撮影)
また、バックグラウンド更新は、Wi-Fi時のみにすることもできる。先に挙げた「設定」の「一般」から「Appのバックグラウンド更新」を開き、メニュー最上部にある「Appのバックグラウンド更新」をタップする。標準では、「Wi-Fiとモバイルデータ通信」にチェックがついているが、これを「Wi-Fi」に変更すると、モバイルデータ通信は利用しなくなる。
自宅や会社などで定期的にWi-Fiにつなぎ、モバイルデータ通信を使うのは移動中の短時間のみという場合は、ここを「Wi-Fi」に切り替えてデータ通信を節約してもいいだろう。より完璧を目指したいときは、アプリごとに通信をオフにすることも可能だ。この場合は、「設定」から「モバイル通信」を開き、アプリごとにスイッチをオフにすることでデータ通信を遮断できる。
App Storeなどの動画再生を停止、自動更新も要注意
端末の高機能化やネットワークの大容量化に伴い、さまざまな場所に動画が使われるようになってきた。iPhoneに内蔵されるApp Storeも、その1つだ。動画は情報量が多く、短時間でアプリの内容を理解できる反面、データ容量は大きくなる。自動再生はしないよう、注意をしておきたい。iPhoneでは、App Store内の動画再生の設定を変更することができる。
データ容量を節約したいなら、App Storeの動画再生や自動ダウンロードはオフにしておきたい(筆者撮影)
「設定」アプリから「App Store」を選択し、ビデオの自動再生が「オン」になっている場合は、これを「Wi-Fiのみ」か「オフ」に変更しておくといいだろう。動画そのものが不要という人以外は、「Wi-Fiのみ」がおすすめの設定だ。同様に「App Store」内の設定項目には、「自動ダウンロード」のオン・オフを選択できるボタンが用意されている。ここをオフにしておくと、モバイルデータ通信を介したアプリの自動ダウンロードが行われなくなる。
アプリのサイズは、端末の性能に合わせて徐々に大きくなっているため、自動ダウンロードがオンのままだと一気に数百MBのデータ容量を消費してしまうことがある。データ容量に限りのある料金プランを契約している人は、この設定を見直しておくようにしたい。
動画に話を戻すと、App Store以外でも、自動で再生してしまうアプリがある。TwitterやFacebookなどは、その代表例だ。これらのアプリの設定を変更することも、データ使用量の削減につながる。Twtiterの場合はアプリを開いてアカウントのアイコンをタップし、「設定とプライバシー」を選択。「アクセシビリティ、表示、言語」をタップし、「データ利用の設定」から「動画の自動再生」を選んで、「Wi-Fiのみ」にしておこう。ここでは、動画や写真の画質を変更することもできる。
Facebookは、アプリを開いて「メニュー」タブをタップし、「設定とプライバシー」で「設定」を選択。「メディア」をタップすると、自動再生の設定を変更することができる。ここが「モバイルデータとWi-Fi」になっていると、モバイルデータ通信利用時に自動的に動画が再生されてしまう。「Wi-Fiのみ」か「動画を自動再生しない」に設定を変更しておくようにしたい。
回線ごとの切り替えは「省データモード」が便利
バックグラウンドの更新や自動ダウンロードの抑制は、ここまで書いたような方法で変更できるが、すべての回線に対して同じ設定が適用されてしまうのが難点だ。例えば、1回線目を中容量の料金プランにしつつ、補完的にeSIMで2回線を使っている場合、後者の回線に切り替えたときだけ、データ容量を節約したいことがある。このようなときには、回線ごとに「データモード」を選択する方法があることを覚えておきたい。
iPhoneでは、これを省データモードと呼び、回線ごとに適用の可否を設定することができる。設定の仕方は次のとおり。「設定」から「モバイル通信」を開き、省データモードに切り替えたい回線をタップする。ここでは、筆者が副回線として設定しているpovo2.0の回線を選んだ。次の画面で、「データモード」を選択する。一部のキャリアで一部の料金プランを契約しているとき以外は、ここが「標準」になっている。
省データモードにオンすると、回線ごとデータ通信を抑制する設定に切り替わる(筆者撮影)
データ容量を節約したいときは、この項目を「省データモード」に変更すればいい。回線ごとに設定できるため、iPhoneに2回線入れている場合、もう一方の回線には影響を与えない。データ容量を節約したい回線で通信している場合のみ、バックグラウンド更新や自動ダウンロードが停止されるというわけだ。
省データモードは、モバイルデータ通信だけでなく、Wi-Fiにも設定することができる。接続先がモバイルWi-Fiルーターの場合、Wi-Fiといってもデータ容量に制限があるケースも多い。Wi-Fiの省データモードは、このようなときに活躍する。Wi-Fiの場合は、「設定」を開いてから、「Wi-Fi」を選択。設定を変更したいWi-FiのSSIDの横にある「i」ボタンをタップしよう。
ここで、「省データモード」のスイッチをオンにすると、そのWi-Fiに接続している際のデータ通信が抑制される仕組みだ。省データモードでは、バックグラウンド更新を残しつつ自動ダウンロードだけを停止するといった細かな対応はできないが、回線を切り替えるごとにこれらの設定を見直す必要がなくなる。複数回線を使い分けているユーザーには、必要度の高い機能と言えるだろう。
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提供元:iPhone「データ量を抑えて料金を節約する」設定術|東洋経済オンライン