2022.02.03
「給料日前に金欠になる人」ただ1つの簡単解決法|「いつもお金が足りない…」納得の解決策は?
やりくり下手におすすめの予算管理のコツをご紹介します(写真:aijiro/PIXTA)
東京国税局で国税職員として勤めた後、NSC(吉本総合芸能学院)に入学し、芸人の道へ。Twitterで税やお金に関する情報を投稿したことが話題になり、執筆や講演、メディアへの出演など各方面で活躍する、さんきゅう倉田氏。
コミュニケーション力、トーク力を活かした「お金」や「税」の話が「わかりやすい」と評判で、税理士会、法人会、医師会、各種学校、中小企業などで5000人以上に講演をするなど、人気を呼んでいる。
自他共に認める「6000人の吉本芸人の中で一番お金に詳しい芸人」の、さんきゅう倉田氏が、この度、『お金持ち 貧困芸人 両方見たから正解がわかる! 世界一やさしいお金の貯め方増やし方 たった22の黄金ルール』を上梓した。「節約」「節税」「貯金」「保険」など、お金の基本的なことを初心者にもわかりやすく解説しつつ、お金持ち、お金がない貧困芸人両方の「実際に目撃したエピソード」が満載の1冊で、発売わずか20日で増刷するなど話題を呼んでいる。
さんきゅう倉田氏が、「『給料日前に金欠になる人』に教えたいたった1つの簡単解決法」について解説する。
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「計画的に使おう」では意味がない
給料日後には「こんなにお金がある」と幸せを感じるのに、給料日前になると決まって「お金がない」と嘆く、そんな行動パターンに心当たりのある人もいらっしゃるのではないかと思います。
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ぼくは、東京国税局に勤めた後、芸人の世界に足を踏み入れ、「お金」や「税」の話を、初心者にもなるべくわかりやすく楽しく伝えようと努めてきました。そのなかで、「お金が貯まらない」という悩みを持つ人、借金を抱える人と話し、アドバイスをする機会も多くあります。
「お金がある」と思うと、つい財布のひもが緩み、後で「こんなはずじゃなかった」と後悔するのは、「お金が貯まらない」人に見られがちな行動パターンです。ある意味、人間らしい行動ともいえますが、「お金を貯めたい」と思うのなら、しっかりと見直す必要があるでしょう。
でも、ここで「給料日前に金欠になる人」に対して、「計画的にお金を使いましょう」とアドバイスしても意味がないとぼくは考えます。それができないから悩んでいるのです。では、どのように改善したらよいのでしょうか。
本記事では「やりくり下手な人」におすすめの「予算管理のコツ」を紹介します。
「なぜかお給料日前になるとお金がなくなる」と嘆く人、つまり「支出のコントロール」がうまくできない人を、僕は数多く見てきました。根本的原因はどこにあるのでしょうか。次の例を見て、考えてみましょう。
20代ひとり暮らし山田君の場合
山田君(東京都在住、独身、ひとり暮らし、28歳)の例を見てみます。
山田君の手取り収入は25万円、そこから5万円を貯金しているため、使えるお金は20万円です。
家賃6万円のほか、光熱費、携帯電話など合わせて「固定費」が月8万円ほどかかるので、「やりくりできるお金」は12万円です。
アコースティックギターが趣味で、焼きそばが好物の山田君は、毎月の給料日が来ると、決まってこんなことを思います。「こんなに使えるのか! 俺は三国一の幸せ者だ!」
ところが、なぜか給料日前になると、お金が足りなくなります。いったいなぜなのでしょうか?
ひと言でいえば、「計画性がないから」です。本人もわかっているようですが、どうしても計画が立てられません。なぜ「計画が立てられない」かというと、彼にとって「1カ月が長すぎる」からです。
人は往々にして、与えられた「時間」が長いほど、物事の管理ができなくなってしまいます。給料日前になると決まってお金が足りなくなる「やりくり下手な人」にとって、「1カ月単位」で予算管理するのは難しいのです。
そんな人に、ぼくがおすすめしたいのは、「短い期間で支出をコントロールする」ことです。
会社員の給料は基本的に「1カ月単位」ですし、家賃や光熱費なども「1カ月単位」です。
なので、支出の把握も「1カ月単位」が基本ですが、「お金が貯まらない」人に、ぼくが推奨しているのは「『1ヶ月』ではなく『1週間』単位で考えること」です。
人間は時間が長くなるほど、計画的に物事を進めるのが難しくなる傾向があり、山田君のような「計画性がない」タイプの人にとっては、さらに困難になります。
長期の予算管理が難しい「その理由」
試しに、山田君が毎月自由に使えるお金「12万円」を「1年間」という長期で考えてみましょう。
12万円の12カ月分にあたる「144万円」を渡されて、「これで1年間やりくりしてね」と言われたら、みなさんはどうしますか?
一度にまとまったお金が手に入れば、たいていの人は財布のひもが緩むのではないかと思います。なかには、不要なものを買ったり、海外旅行へ行ったり、あるいはギャンブルで増やそうと考えたりする人もいるかもしれません。
じつは「給料日前に金欠になる人の多くに、この傾向がある」と僕は感じています。
1カ月の給料が月末に底を尽きそうになっても、翌月にまた給料が入れば、それでなんとかなるかもしれませんが、仮に、そういう人が1年分の給料を手にしたら、先述のような「大胆な行動」をとってしまい、1年の大半を金欠で過ごすことにもなりかねません。
山田君の話に戻ると、「1カ月単位」で予算管理すると「月に12万円使える」と考えて、つい使ってしまう傾向があるので、「もう少し短期」で予算管理するようにしてみます。
12万円を30日で分けると「1日4000円」です。とはいえ、毎日同じ金額で生活するわけではなく、週末に飲み会があったり、服を買ったり、病院に行ったりする日もありますよね。
だから、「なるべく短い時間」とはいっても、「1日」や「半日」ではなく「1週間単位」で見るのが合理的なのです。
山田君が自由に使えるお金は1日当たり4000円なので、「4000円×7日分=2万8000円が1週間の予算だ」と考えれば、支出がイメージしやすいと思います。
そうすると、「月単位」で行動していたときよりも、「今週は飲み会があるから、お昼はお弁当をつくろう」「週末に買いたいものがあるから、『ラテファクター』をなくそう」といった具体的な行動につながります。
もし、その月に結婚式などの特別なイベントがあるならば、12万円からあらかじめその費用を引いて「週の予算」を立てます。
「ラテファクター」とは、毎日飲む1杯のカフェラテや、つい立ち寄るコンビニでの「ちょこちょこ買い」のような、無意識に繰り返される出費のことです。「どうにも「お金が貯まらない人」ただ1つの悪習慣」で詳しく紹介していて「節約の鍵」になる考え方なので、そちらを参考にしてみてください。
「どうにも「お金が貯まらない人」ただ1つの悪習慣」 ※外部サイトに遷移します
「『1週間単位』で支出を考える習慣」を身につけよう
「今月こそは計画的に使おう」と決心してみても、欲望に負けて、ついお金を使ってしまうのが人間です。
だからこそ「意志」だけでなく、自分に合った「ルール」をつくって、それをしっかり守っていくことが、「成功率を上げる」コツなのです。
「給料日前に金欠になる」という人は、「1週間単位」の短期間で支出をコントロールするように心がけるようにしてみてください。たったそれだけですが、驚くほど「支出の見える化」につながり、支出を上手にコントロールすることにつながります。
毎週、お金をやりくりする思考や行動をくり返すことで、苦手意識のあった予算管理が、いつのまにかできるようになっているはずです。さらに、「いまの自分の収入」に合った消費が身につくようになることも期待できます。
「『1週間単位』で支出を考える習慣」が身につくことで、みなさんの日々の行動に「いい変化」が起こり、「お金が貯まる人」に変わっていくことを、僕は心から願っています。
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提供元:「給料日前に金欠になる人」ただ1つの簡単解決法|東洋経済オンライン