2022.01.17
どうにも「お金が貯まらない人」ただ1つの悪習慣|「たいして無駄遣いしてないのに…」なぜ?
お金が貯まらない原因は、習慣化しているものにあった!(写真:masaya/PIXTA)
東京国税局で国税職員として勤めた後、NSC(吉本総合芸能学院)に入学し、芸人の道へ。Twitterで税やお金に関する情報を投稿したことが話題になり、執筆や講演、メディアへの出演など各方面で活躍する、さんきゅう倉田氏。
コミュニケーション力、トーク力を生かした「お金」や「税」の話が「わかりやすい」と評判で、税理士会、法人会、医師会、各種学校、中小企業などで5000人以上に講演をするなど、人気を呼んでいる。
自他共に認める「6000人の吉本芸人の中で一番お金に詳しい芸人」の、さんきゅう倉田氏が、この度、『お金持ち 貧困芸人 両方見たから正解がわかる! 世界一やさしいお金の貯め方増やし方 たった22の黄金ルール』を上梓した。
「節約」「節税」「貯金」「保険」など、お金の基本的なことを初心者にもわかりやすく解説しつつ、お金持ち、お金がない貧困芸人両方の「実際に目撃したエピソード」が満載の1冊で、発売わずか20日で増刷するなど話題を呼んでいる。
さんきゅう倉田氏が、「どうにも『お金が貯まらない人』のたった1つの悪習慣」について解説する。
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話を聞くと見えてくる「貯まらない原因」とは
ぼくは、国税職員を経て芸人の道へ進み、「お金」や「税」について、さまざまな講演会でお話する機会に恵まれてきました。その中で1000人以上の経営者に会って話を聞き、お金がある人の「お金に対する考え方や行動の傾向」にふれることができました。
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その一方で、収入がなかなか増えずに困窮する正社員や派遣社員の方をたくさん見てきましたし、芸人仲間からは「お金がない話」を、これまで何度となく聞いてきました。
「元国税職員のお笑い芸人」として、「お金持ち」と「お金が貯まらない人」の両方を長年にわたって観察してきた結果、「お金が貯まらない人」の中には、時間外のATM手数料や、衝動買いのような「無駄な出費に無頓着な人」が多いことがわかりました。
一方で、「無駄遣いなんてしていないのに、お金が貯まらない」と首をかしげる人もいます。そんな人に、よくよく話を聞いてみると、「ある習慣」が「お金が貯まらない原因」となっている場合が多いのです。
「無駄遣いや浪費に心当たりがない」のに、「それでも貯まらない人」が、じつは「習慣」にしていることとは、いったい何でしょうか? 本記事では「なぜかお金が貯まらない人」がやりがちな「悪習慣」と解決策を紹介します。
これまで、たくさんの「お金が貯まらない人」を見てきて、その「原因」や「解決策」を考える中でわかったのは、「なぜかお金が貯まらない」という人の中には、「ラテファクター」が原因となっている場合が多いということです。
毎日飲むカフェラテ、1カ月の出費は?
なぜか「お金が貯まらない人」に限って、「ラテファクターの罠」に陥っている人が少なくないのです。
「ラテ」とは、そう、「カフェラテ」の「ラテ」です。毎日飲む1杯のカフェラテのように、「毎日繰り返されるちょっとした支払い」を「ラテファクター」と呼び、その小さな出費を切り詰めることが節約につながるアイデアとして、海外で提唱されました。
都心のコーヒーチェーンは、いつもお客さんでいっぱいです。素敵な空間で飲むコーヒーは格別ですよね。毎日のように利用する人もいると思います。もちろん、ぼくも打ち合わせや休憩などで利用することがあります。
さて、「毎日コーヒーを飲むと、具体的にどのくらいの出費になるか」考えたことはあるでしょうか?
たとえば週に5日、400円のカフェラテを飲んだとします。すると、それだけで週に2000円になります。「2000円×4週間」で1カ月だと8000円の出費です。
月に8000円くらいの支払いであれば、気にならないという人もいるかもしれません。実際、この8000円だけなら、ほかの出費をおさえれば、大きな問題にはならない人もいるかと思います。
でも、そういう人に限って、ほかの支出でも「ラテファクター」の罠に陥っていることも少なくないのです。
「ラテファクター」は、「カフェラテ」に限らず、「自分にとって本当に必要な出費」というよりも「なんとなく習慣化している出費」なので、なんとなく毎日カフェラテを飲む習慣がある人は、ほかにも「習慣化された無意識の出費」をしている可能性が高いからです。
毎日、400円のカフェラテを何気なく飲んでいる人に限って、カフェラテ以外にも、「毎日の何気ない出費」でお金を使っていたりします。
カフェラテ、コンビニ、ランチを10年続けると?
たとえば、会社帰りのコンビニで毎日300円の買い物をしたとすると、1カ月(20日間)で6000円の出費になります。さらに、平日に毎回800円のランチを食べていたら、20日間で1万6000円です。
先ほどのカフェラテと合わせて、改めて計算してみましょう。
週5回400円のカフェラテ=月8000円
週5回300円のコンビニ買い=月6000円
週5回800円のランチ=月1万6000円
→すべて合計すると月3万円
無意識の「ちょこちょこ買い」のような出費が3つ重なると、1カ月で大きな金額になることがわかります。さらに、1年間だと、じつに36万円! 10年続ければ、なんと360万円にもなります。
「無駄遣いしていないのに、なぜかお金が貯まらない」という人は、この「ラテファクター」がいくつも生活の中に潜んでいる可能性があります。
カフェラテ以外の「ラテファクター」には、次のようなものが考えられます。もちろん、人それぞれの価値観によって異なりますが、一例として挙げてみます。
【「ラテファクター」の一例】
・コンビニで買うおやつや飲み物
・ドラッグストアでのついで買い
・タバコ
・毎日仕事帰りに買う缶ビールやチューハイ
毎日の出費のうち「ラテファクター」と思われるものを認識してみると、無駄な出費を削ることに効果的です。
「お金がない」と言っている友人に、「何に使っているの?」と聞いてみると、「わからない」という答えが返ってくることが多く、さらに、よくよく話を聞いてみると、「ラテファクター」が見つかる場合が多いのです。
「何に使ったかわからない」ような出費ならば、自分にとって必ずしも必要な出費ではないことも多いと考えられます。それなら、もう「ラテらず」に、「つもり貯金」ならぬ「ラテり貯金」をすることを、ぼくはすすめます。
まずは、今日使ったお金をすべて書き出して「ラテファクター」を認識してみましょう。そうすれば、「とくに必要ではなかった減らすべき出費」がわかり、「お金を貯める」ことに確実につながります。
それを1カ月、3カ月と続けるうちに、「毎日カフェに寄らない生活」や「コンビニで飲み物を買わない生活」が習慣化して、自然とお金が貯まることにつながるはずです。
「ラテファクター」を意識すると「習慣」が変わる!
ぼくが言いたいのは、「カフェやコンビニに行かないほうがいい」ということではありません。ただ、「お金を貯めよう」と思うのならば、支出をコントロールしたほうがよいということです。
支出には「コントロールできるお金」と「コントロールできないお金」があり、「コントロールできるお金」から減らすのがコツになります。だから、「ラテファクター」を減らしてみることをおすすめします。すべてやめるのが難しければ、毎日買っていたコーヒーを週1回に減らすだけで、月6000円以上の節約になるのです。
ぼくの話をすると、数年前まではコンビニのコーヒーを毎日2杯飲んでいましたが、自宅にコーヒーセットを買ってからは、毎日豆を挽いてコーヒーをいれています。コンビニの半分の価格で芳醇な香りが楽しめ、節約できるうえに、コーヒーにも詳しくなる、とてもいい習慣を身につけたと思っています。
「お金の使い方」は、たんなる「習慣」であることも多いものです。「なぜかお金が貯まらない」という人は、「ラテファクター」に注目して、「無意識のうちにしていた出費」を意識してみてください。
そうすれば、だんだんと支出を「コントロール」できるようになり、毎日続けていくことで「お金を貯める」習慣が身についているはずです。ぜひ今日から実践してみてくださいね。
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提供元:どうにも「お金が貯まらない人」ただ1つの悪習慣|東洋経済オンライン