2021.12.29
「お金が貯まらない人」時間の使い方、よくある4NG|意外に多い「落とし穴」あなたは大丈夫?
その行動、「お金が貯まらない人」がやりがちな時間の使い方かも!? (写真:mapo/PIXTA)
東京国税局で国税職員として勤めた後、NSC(吉本総合芸能学院)に入学し、芸人の道へ。Twitterで税やお金に関する情報を投稿したことが話題になり、執筆や講演、メディアへの出演など各方面で活躍する、さんきゅう倉田氏。
コミュニケーション力、トーク力を活かした「お金」や「税」の話が「わかりやすい」と評判で、税理士会、法人会、医師会、各種学校、中小企業などで5000人以上に講演をするなど、人気を呼んでいる。
自他共に認める「6000人の吉本芸人の中で一番お金に詳しい芸人」の、さんきゅう倉田氏が、この度、『お金持ち 貧困芸人 両方見たから正解がわかる! 世界一やさしいお金の貯め方増やし方 たった22の黄金ルール』を上梓した。
「節約」「節税」「貯金」「保険」など、お金の基本的なことを初心者にもわかりやすく解説しつつ、お金持ち、お金がない貧困芸人両方の「実際に目撃したエピソード」が満載の1冊だ。
さんきゅう倉田氏が、「『お金が貯まらない人』がやりがちな時間の使い方、よくある4大NG」について解説する。
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「お金持ち」「貧困芸人」両方見たからわかること
ぼくは大学を卒業後、国家公務員試験を受け、それに合格し、東京国税局に入局しました。ぼくにとっては、とてもやりがいがあって、楽しい仕事でした。
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なぜ国家公務員である東京国税局職員を辞めて、経済面でとても厳しい芸人という世界に足を踏み入れたのか――。
みなさんと同じように、ぼくと会った人も、同じ疑問を抱くようです。
「どうして、国税局を辞めて芸人になったんですか?」
週に3回は聞かれます。そのときぼくは、いつも同じように答えます。
「おもしろそうだったからです」
国税局の仕事は楽しかったけれど、「芸人になれば、もっと楽しいだろう」と考えて、吉本興業さんの養成所であるNSCの門をたたきました。
芸人は、人と会う機会の多い職業です。とりわけぼくは、経営者団体の講演会などで、これまで1000人以上の経営者に会い、話を聞いてきました。その一方で、困窮する正社員・派遣社員の方をたくさん見てきましたし、なにより芸人仲間からはお金がない話、借金の話を、これまで何度となく聞いてきました。
その経験を通して気づいたことがあります。それは「お金持ち」と、そうでない人には、往々にして「考え方や行動に、ある共通のパターン」があるということです。
「お金が貯まらない人」をよく見ると、その何気ない行動の中に、実は大きな「悪習慣」が潜んでいることが少なくありません。
それはたとえば、「時間の使い方」にあらわれます。みなさんは、「こんな行動」に心当たりありませんか?
「お金が貯まらない人」の「時間の使い方」には、往々にして、まず次のような特徴があります。
【NGその1】週に3回以上、「ATM」でお金を引き出す
時間外や提携金融機関のATMでお金を引き出すと、100~330円程度の手数料がかかります。
「お金が貯まらない人」は往々にして、1週間後に2万円必要になるとわかっていても、「とりあえず5000円だけ引き出す」というような不可解な行動をとってしまいます。
「いま必要な分だけ引き出せばいい」と考えているのだと思いますが、そういう人に限って、引き出したお金をすぐに使ってしまい、週に2度3度とお金を引き出しにATMを利用してしまうのです。
もちろん銀行で時間内なら「手数料」がかからないケースもありますが、それ以上に気になるのは「大切な時間」を無駄にしていることです。ATMに移動して機械と向き合う時間や、「あっ、ちょっとお金おろしてくるから待ってて!」と友人を待たせる時間です。
「お金が貯まる人ほど、1カ月のATMの利用回数が少ない」。いろいろな人を観察し、そう確信するようになりました。
お金持ちの人が「ちょっとATMに行ってくるわ」と言うのを聞いたことがありません。必要なお金はあらかじめ用意しているし、手数料が無駄であることも認識しています。
チャージ残高に余裕のない人はお金が貯まらない
【NGその2】交通系電子マネーはいつも「1000円ずつチャージ」する
ぼくが芸人になって間もない頃、「あっ、ちょっとチャージしてくるから待ってて!」と、同期の芸人に駅の改札で待たされることが、しょっちゅうありました。
あるとき、友人と渋谷駅に集合して電車で移動し、用事を済ませて、また渋谷に戻ってきたことがありました。その間、渋谷駅と目的地での計2回、Suicaを1000円ずつチャージしていました。
これでは、毎回切符を買うのと、そう手間は変わりません。大切な時間を節約できる機会を自ら放棄するのと同じこと。
「チャージ残高に余裕のない人はお金が貯まらない」と、いろいろな人を観察し、確信するようになりました。
逆に、チャージ残高にいつも余裕のないお金持ちは、非常に少ないと思います。トゥールビヨンが組み込まれた高級腕時計を見せながら「いま1000円だけチャージしてくるわ」という経営者など、イメージしにくいでしょう。
電子マネーを使うことには、もうひとつ大きなメリットがあり、それは決済のスピードが速いことです。レジで、後ろに並ぶ人たちの時間も節約できます。みんなが電子マネーを使えば、あなたの会計の順番も早くまわってきます。
「お金が貯まらない人」の3つめのよくあるNGは、「スマホゲーム」に大切な時間を浪費しがちなことです。
【NGその3】空き時間はずっとスマホゲーム、課金もいとわない
みなさんは、スマホでゲームをやっていますか? スマホのゲームはほとんどが無料ですが、ゲーム会社が無料のゲームで利益を出すためには、課金してくれるユーザーが必要です。
関係者に聞いたところでは、課金をするのはユーザー全体のおよそ10%程度で、特定の業種に偏っているそうです。その人たちが課金したくなるようなシステムを考えて、ゲームに実装すると聞きました。
「スマホゲームによって得られるもの」は何でしょうか? また、スマホゲームに費やした分、削られてしまうもの――たとえば、労働や勉強、家族との大切な時間など――についても考える必要があるのではないでしょうか。
「成果につながらないことはやるべきではない」とまでは思いませんが、「お金持ち」でスマホゲームに没頭する人はとても少ないというのも事実ではないでしょうか。お金持ちになれば、いままでの何百倍も課金できるでしょう。
自分にとって、もっと楽しいこと、有意義なことに出会えば、スマホゲームに費やす時間は、おのずと減っていくと、ぼくは思います。
【NGその4】「ギャンブル」に時間とお金をつぎ込む
「パチンコは、勝てば遊びながらお金を稼げる。だから得なんだ」。パチンコ好きな知人が、そう言っていました。たしかに、時には数万円儲かる日もあるかもしれません。でも、ほとんどの人がトータルで負けています。
ここでも、問題にしたいのは、「お金」以上に「時間」です。限られた資源である時間の多くをパチンコに費やしてしまう。本当にそれでいいのでしょうか。
ギャンブルにはお金がかかりますが、お金持ちで街のギャンブルをする人を、ほとんど見たことがありません。なぜ、お金持ちはしないのか。「街のギャンブルをする」より「仕事をしている」ほうが圧倒的に稼げるからだと思います。
費やす「時間」が大切なものを奪う
ぼくはギャンブルを全面的に否定するわけではありません。たまの息抜き程度に楽しむのであれば、問題ないと思います。
でも、世の中にはもっと楽しいこと、すてきなこと、有意義なこと、人に話したくなるようなおもしろいことがたくさんあります。多くの時間やお金をパチンコやスマホゲームに費やすことは、それらに出会う機会を失ってしまうことにもつながるのです。
「お金が貯まらない人の時間の使い方」4つのNG行動についてお話ししてきました。「お金が貯まらない人」に限って、「払わなくてもいいお金」や「無駄な時間」に対して無頓着、お金にも時間にも「計画性」がない場合が多いように思います。
いつもSuicaを「1000円ずつチャージする」友人に、「どうして?」とたずねました。友人の答えは「もったいないから」だといいます。
「もったいない」とは、どういうことなのでしょうか。1000円ずつチャージしていたのでは、電子マネーのメリット「時間と手間を節約」する機会を自ら放棄することになり、それこそもったいない。「生まれたときにチャージされた人生の時間」が減っていっています。
「タクシー代が惜しいから、始発まで居酒屋でねばる」「特売品を買うために1時間かけて遠くのスーパーへ行く」「通勤時間は片道2時間」。
そんなことを当たり前にしてしまうのは、「時間の価値」を軽視しているのかもしれません。「お金が貯まらない人」ほど、「小さなお金」と同時に「小さな時間」を浪費しがちです。
時間は「平等に与えられたもの」
日本を代表するお金持ち、ユニクロの柳井正さんやソフトバンクの孫正義さん、世界の大金持ちであるアマゾンのジェフ・ベゾスさんやマイクロソフトのビル・ゲイツさん。彼らはぼくらよりも100万倍、あるいは1000万倍くらいのお金を持っています。
しかし、「時間」はぼくらと同程度にしか持っていません。お金持ちだからって、2倍、3倍の時間を持っているわけではありません。「時間」を有効に使ったからこそ、彼らは巨万の富を築けたのでしょう。
お金がない人でも、大金持ちでも、使える時間には限りがあります。ですから、その「限りある時間をどう使うか」で大きな差がでます。時間をどう使うかが、人生を左右することになるのです。
「お金持ち」と「お金が貯まらない人」の大きな差のひとつは、この「無駄な時間」に対する感覚です。お金持ちほど、「払わなくてもいいお金」や「無駄な時間」にとても敏感で、「自分が納得のいく時間の使い方」をするのです。
「時間の使い方4つのNG」に心当たりがあれば、その改善が「お金持ち」への第一歩です。
「100円か200円の手数料くらい」と何のためらいもなくATMを利用していた人は、その「無駄なお金と時間」を見直しましょう。ギャンブルやゲームが好きな人は、試しにそれらと距離を置いて、何かの技術を身につけたり、本を読んだりすることに「時間」を使ってみてはいかがでしょうか。
今日からできることを、さっそく始めてみてください。それが「お金が貯まる人」への、大きな、そして確実な第一歩です。
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提供元:「お金が貯まらない人」時間の使い方、よくある4NG|東洋経済オンライン