2021.11.26
GoTo待てない人へ「地方・県民割」で激安旅する技|「新GoTo」を最大限お得に使いこなす方法も紹介
新たなGoToの概要が発表されました。お得に旅するにはどう活用すればいいでしょうか? また新GoTo開始まで待てない!という方向けに、ほかにもお得な制度を紹介します(写真:takeuchi masato/PIXTA)
2021年11月19日、Go To トラベル事務局から以下のような概要が発表された。
●割引の上限
割引率はいずれの場合も30%で、
宿泊をともなう航空・鉄道・バスなどの行程を含む旅行:1泊1人につき最大1万円の還元。
宿泊のみ:1泊1人につき最大7000円の還元。
日帰り:最大3000円の還元。
●地域共通クーポンの金額
1泊につき平日なら3000円、休日なら1000円分の配布となる。休日の定義については改めて発表される。
開始時期が確定するのは年明けになりそうだが、2022年1月下旬以降が有力視されている。また、終了時期については4月の大型連休前まで上記の条件で実施。
大型連休明け以降は都道府県による事業となり、最長で夏休み前まで実施される見込みだ。
ただし、割引率は20%となり、上限は1万円から8000円に引き下げられる。もっとも地域共通クーポンは平日休日ともに3000円に統一されるとの報道もある。このとおりだとすると、休日の旅行に関しては連休明けのほうがむしろ割安となるケースもありえる。
全国での実施がほぼ確実なのは2022年2月1日から4月下旬までといえそうだ。
従来の上限は8万円だった
例えば、交通機関付きのツアーで最大30%の割引を得る前提で、1室2名平日宿泊で利用する場合について見てみよう。2名で6万6668円(1名につき3万3334円)の代金が2万円割引となるうえ、クーポンが6000円分つくので合計2万6000円還元となる。この場合の還元率は約39%となる。
宿泊のみの場合は、2名で4万6668円(1名につき2万3334円)の宿泊代金が1万4000円割引となるうえ、クーポンが6000円分つくので合計2万円還元となる。この場合の還元率は約43%となる。
この価格を上回る高級ホテルや高級旅館でも還元は得られるが、1泊2名で1万4000円という還元額は変わらないので、宿泊費が高くなればなるほど、還元率は低下することになる。
従来のGo To トラベルではこの上限が1室2名で8万円だったので、きわめて高額の宿泊施設をのぞけばおおむね50%の還元率を確保できていたのだが、今後は、4万円台後半から8万円にかけての宿泊施設にとってやや不利な制度となる。
むしろ追い風となりそうなのが、ゲストハウスやビジネスホテル、民宿など、安価な宿泊施設である。地域共通クーポンが一律となり、とりわけ平日の3000円という金額はインパクトがある。
例えば、1泊1名で4500円の宿泊施設に泊まったとする。その場合、宿泊費が30%割引で1350円引きとなり実際の支払い額は3150円となる。さらにクーポンが3000円分付帯されるとすれば、差し引き150円となってしまう。還元率は実に97%となる。
還元率が100%を超えるような制度設計をするとは考えがたいが、現時点で得られる情報に限定しても、「平日、安い宿にたくさん泊まる」ことが最も還元率が高くなるという原則は変わりそうにない。また、平日と休日で地域共通クーポンの金額に極端な差があることから、週末に近い平日に人気が集中することが想定される。
一方で懸念されるのが、Go To トラベル実施にともなう、宿泊費の引き上げである。価格変動制を導入した宿泊施設が多くなっている昨今、これについてはある程度致し方ない点もあるが、利用者として工夫できる点が1つある。
それは、早めに旅の予約を立てることだ。一般的に日程が近づいてきたり、予約が増えてきたりすると価格も上がる。早めにホテルの予約をしてしまい、事後的に申請する。
宿への直接申し込みは、公式サイト検索予約サービス「ステイナビ」を通すところがほとんどだ。同サイトでも「Go To トラベル事業が再開された場合、既に宿公式サイトにてご予約(既存予約・新規予約)されている場合にもGo To トラベル クーポンの適用ができるよう準備を進めております」とアナウンスされている。また、例えば楽天トラベルでは「あとからクーポン」という形で事後的に還元が受けられることを告知している。
事後申請は、宿泊施設のみでなく、ダイナミックパッケージでも可能である。
例えば、ANAは2021年2月24日、「Go To トラベルキャンペーンが再開した場合、再開時のルールにならい、予約済みの旅行をGo Toトラベル事業対象とする」と発表した。JALも2021年3月2日、「Go To トラベル事業が再開した場合は、再開時の条件にならい、ご予約済みのご旅行を本事業の対象といたします」と発表している。
盛り上がる「県民割」
全国版のGo To トラベルがなかなか再開しないなか、2021年10月以降、各都道府県が一気に再開させたのが、いわゆる県民割である。これは居住する都道府県を旅行する場合に旅費を割り引くもので、正式な名は「地域観光事業支援」。「ミニGo To」と称されることがある。
2021年11月22日時点で、東京都以外の46道府県で実施されている。予算規模は約3000億円とかなり大きい。1人1泊あたり5000円を上限とする宿泊費の補助に加えて、2000円を上限とするクーポンの発行にも補助金を交付する内容となっている。どの道府県もある程度似た内容となっているのはそのためである。
そのうち、主だったものは以下のとおりである。
このほかの都道府県や最新情報については、以下のサイトが詳しい。「旅行クーポンサイト 【都道府県別】地域観光事業支援 ・県民割まとめ」
だが、その道府県に住んでいないかぎり、これらの割引とは無縁である。そこで、政府は2021年11月19日、準備の整った都道府県から、隣接した都道府県も県民割の対象とする方針を明らかにした。ここでいう「隣接」とは、Go To トラベルの地域共通クーポンで適用された隣接都道府県となる。
例えば、東京都在住者の場合、神奈川県・千葉県・埼玉県・山梨県・静岡県の5県が対象となる。これから冬季にむけて温泉が多い静岡県と山梨県は特に人気が出そうだ。
さらに年明け以降、地方ごとまでの拡大(例えば群馬県の県民割なら、関東地方在住者が利用可能など)も検討されており、Go To トラベル実施まではこうした県民割の拡大版がつなぎとして機能しそうだ。
「旅行クーポンサイト 【都道府県別】地域観光事業支援 ・県民割まとめ」 ※外部サイトに遷移します
隣接都道府県 ※外部サイトに遷移します
札幌では1800円のロープウェイも無料に
ただし、この県民割の拡大版も2021年の秋から初冬の旅行については間に合いそうもない。そうした人にも有効なのが、各市町村が独自に行っている地方割である。
そのなかでも注目度が高いのが、11月12日に予約開始となったサッポロ冬割である。予約開始日にはアクセスが殺到し、1日で数十泊分も予約した猛者が現れるなど、ネットでも話題になったが、その人気の高さは還元率にある。
1人1泊6000円以上の宿泊料金で最大5000円が割引になる。さらに2000円分のクーポンが提供される。そのため、宿泊費が6000円の場合、支払い額は1000円にもかかわらず、2000円のクーポンが獲得できる。
対象期間は2021年11月19日から2022年2月28日までだが、40万泊分の予算となっているうえ、宿泊施設ごとの予算上限に達した時点で販売終了となる。すでにとれなくなっている宿泊施設・旅行会社も少なくないが、まだ獲得可能なところもあるので、この冬札幌行きの旅行を計画している人はぜひ利用を検討したい。
なお、札幌市では、2021年11月20日から12月19日まで、市内の各観光施設の利用料が無料となる「さぁ!まわろうSAPPORO~見どころ施設無料化キャンペーン~」も実施しており、このなかには、札幌もいわ山ロープウェイ(往復1800円)なども含まれている。
北海道では、このほかに小樽市、旭川市、帯広市、釧路市などで宿泊費が半額になるキャンペーンなどを実施している。いずれも予算に上限があるので、消化される前に活用したいものだ。北海道の周遊については前回の記事『GoTo再開を待たなくても「安くお得に旅」する裏技』で紹介した「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」(1万2000円でJR北海道の全線乗り放題)が有用といえる。
首都圏で注目なのが、千葉県の房総半島にある鴨川市である。「鴨川元気キャンペーン」は、市内の指定宿泊施設に泊まった場合、1グループにつき、5000円割り引くというもの。
1人旅の場合、もちろん1人で5000円引きとなる。宿泊費の下限はないので、安い宿泊施設を利用すれば、かなり高い還元率となる。2021年11月19日時点で全体の4割ほどの宿泊施設で完売となっている。予算が消化される前に利用を検討してみてはいかがだろうか。
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提供元:GoTo待てない人へ「地方・県民割」で激安旅する技|東洋経済オンライン