2021.06.29
在宅時間増え心配な「エアコンの電気代」抑える技|「試運転」は夏本番前にやっておくのがおススメ
知っておいてお得な「エアコンの節電方法」と「試運転」について解説します(写真:polkadot/PIXTA)
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ジメジメの梅雨を迎え気温も高くなり、すでにエアコンを使用している方もいらっしゃるのではないでしょうか。おうち時間が増えるであろう今年の夏は、感染症対策として部屋の換気が非常に大事…ですが、ここで質問です。換気の際はエアコンを消すか消さないか、どちらが電気代を節約できるかご存じですか? 今回は知っておいて得しかしない【エアコンの節電方法】と夏が来る前にやっておきたい【試運転】についてお知らせします!
2021年夏は「猛暑の日が増える予想」
気象庁の「3か月予報」(※1)6月~8月気温予報によると、暖かい空気に覆われやすい時期があるため、北・東・西日本では気温が平年並か高い、沖縄・奄美では高くなるとの予想になっています。読者のみなさまも体感されているかと思いますが、日本の年間平均気温は年々上昇中。そのため今年の夏も猛暑となる日が増えることが懸念されています。
当記事は、Domani(ドマーニ)公式ウェブサイトの提供記事です
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その昔、風通しのよい家なら扇風機を回すくらいで乗り切れた夏も、もはや幻に近いものとなりました。
そんな昨今、私たちの生命線となっているのがエアコンです。「生命線って、そんな大げさな…」とお思いでしょうか?
しかし…昨年熱中症で緊急搬送された人の4割以上が『住居』で熱中症になり(※2)、また屋内で熱中症により亡くなった方の9割がエアコンを使用していなかったそうです。(※3) 熱中症の危険からご自身や大切な方を守るためにも、適切なエアコン使用は欠かせません。特に年配の方やお子様は体力も少ないので、猛暑の際は要注意です。
(※1) 気象庁発表3か月予測(2021年5月25日発表)より ※外部サイトに遷移します
(※2) 総務省消防庁 熱中症情報 より ※外部サイトに遷移します
(※3) 東京監察医務院「令和2年夏の熱中症死亡者の状況」より ※外部サイトに遷移します
ただ、生きていくためにはお金も必要。「電気代が気になる」という心配も、それはそれでとても大事なことです。
そこで、当記事ではエアコンのプロフェッショナル企業・ダイキンによる『知っておきたいエアコン節電方法』をご紹介します。また、後半には夏前に済ませておきたい『試運転』のやり方も掲載していますので是非お試しを。それでは早速、節電のポイントを押さえていきましょう!
その1.夏の窓開け換気時…エアコンは“つけっぱなし”が正解!
コロナ禍の夏のおうち時間を健康で快適に過ごすためには、定期的に窓を開けて換気をしながらエアコンを使う必要があります。窓を開けると外の熱気が室内に入ってくるため、換気中にエアコンをつけていると電気代がもったいないと感じる方も多いかもしれません。
しかし、ダイキンが行った実証実験では「窓開け換気の度にエアコンの電源を小まめにオン・オフ」するよりも、『エアコンをつけっぱなし』にした方が、電気代が1日で約45.7円(1カ月換算でなんと約1,371円にも!)安くなったのだとか。できるだけ消費電力を抑えられる適切な方法でエアコンを運転することが大切です。
こまめに電源を切るよりも、電気代が月に約1,371円安くなるというデータが!(写真:Domani編集部)
エアコンの運転モードは?
余談ですが、筆者も在宅時やタイマー使用からつけっぱなしに変えてみたところ、ビビるほど電気代が安くなった(※注:個人の感想です)経験があり、それから夏はほぼつけっぱなし。温度が安定しているので寝苦しさに困ることもナッシングです。フィルター掃除は強い雨などで気温が下がったときにしています。
その2. 電気代節約のためにはエアコンの運転モードは「自動」が正解!
電気代節約のためと微風や弱風運転に設定している方がいますが、エアコンで最も電力を消費するのは、電源を入れてすぐの時など設定温度にまで温度を上げるもしくは下げているとき。
設定温度に達した後、空間の温度を維持する際に使う電力は実は『少なめ』なのです。微風や弱風だと、設定温度にするまでに時間がかかり、無駄な電気代がかかってしまうことも…。「自動」にしておくことが一番効率良い方法です!
運転モードの極意は「自動」(写真:Domani編集部)
その3. 冷房時は、設定温度をたった1℃上げるだけで約10%もの節電に!
外気温とエアコンの設定温度の差が小さいほど消費電力は少なく、差が大きいほど多くなります。たとえば夏場の冷房時は設定温度をたった1℃上げるだけで、なんと約10%もの節電に。節電のための設定温度は『28℃』が目安です。
ただし、エアコンをつけなかったり、我慢しすぎると室内での熱中症の危険も…。特にお年寄りや小さいお子さんは体温調整がうまくいかず体調を崩してしまう恐れがあります。暑い日は我慢しないで温度を下げ、適切にエアコンを利用しましょう。
設定温度をたった1℃上げるだけで、なんと約10%もの節電に(写真:Domani編集部)
その4. 室外機の吹き出し口にご注意! せっかくの節電努力がムダになることも…
屋外にあるエアコン室外機の吹き出し口がふさがれると、お部屋の暑い空気を放出できず、再び室内に取り込んでしまうことに。これではエアコンの冷却効率が著しく低下し、ムダな電気代がかかってしまいます。
冷房使用時は室外機にカバーをかけず、また吹き出し口付近やその周辺に障害となるものを置かないよう注意が必要です。
エアコンを適切に使用するには、室外機にも気を配ること(写真:Domani編集部)
夏になってからでは遅い! 試運転もお忘れなく
エアコンの節電方法のほかにも、ぜひ押さえておいてほしいのがエアコンの『試運転』。ダイキンによると家庭でエアコンを使い始める7月前後に点検・修理や工事が殺到し、修理までに数日~数週間かかる場合もあるんだとか。
修理を待つあいだ、どうやって過ごそう…なんて恐ろしいことにならないためにも、今のうちに試運転を行っておきましょう! 早めに異常に気づき対処しておけば、安心して夏を迎えられますよ。
◆ エアコン試運転の手順 ◆
1. 運転モードを「冷房」にして温度を最低温度(16℃~18℃)、風量を最大に設定。10分程度運転する
解説:「10分間」はエアコンが異常を検知するまでにかかる時間です。エアコンは室温が設定温度に到達すると、室内を冷やす動作を抑えてしまいます。最低温度に設定することで室温が設定温度に早期に到達することを防ぎます。
2. 冷風が出ているか、運転ランプが点滅していないか確認する
3. 異音や異臭がしないか確認する
4. さらに30分程度運転し、室内機から水漏れがないか確認する
解説:冷房運転すると、エアコンの室内機の熱交換器が冷やされ「結露水」が発生します。通常、結露水はドレン配管とよばれるホースで屋外に排出されます。しかしホコリが溜まるなどしてホースが詰まってしまうと、結露水を排水できず室内機から漏れ出すことがあります。試運転では30分程度運転して結露水を十分に発生させ、水漏れしないか確認します。
5. 再度、異音や異臭がしないか、確認する
6. 屋外にある室外機のホースから結露水が排出されていることを確認する
7. 室外機の前にものを置いている場合は片付ける
解説:節電方法の項にもありますが、室外機の前にものを置くと熱交換の妨げになり、冷房効率が下がってしまうのでご注意を。
※試運転で以下の症状が発生した場合は、ご購入の販売店もしくはメーカーへ相談しましょう!
□運転ランプが点滅する
□冷房運転してもよく冷えない
□室内機から水漏れしている
□異臭や異常音がする
関東も梅雨入りし、最低気温が20度を超えることも増えてきました。太陽が鳴りを潜めている今のうちに試運転して、盤石な状態でエアコンを使えるようにしておきましょう。節電ポイントはご家族と共有しておいてもよいかもしれません。どうか気兼ねのないエアコンライフが送れますように…!
(文/Miyuki Yamashita)
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提供元:在宅時間増え心配な「エアコンの電気代」抑える技|東洋経済オンライン