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2021.06.07

携帯料金、大幅値下げでもまだ高い人の落とし穴|そのデータ通信量やオプションは本当に必要?


なんとか下げたいと思っている人は多いはずです(写真:nonpii/PIXTA)

なんとか下げたいと思っている人は多いはずです(写真:nonpii/PIXTA)

今年3月に、政府の要請に応じる形でNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯大手3社が一斉に新料金プランを打ち出してから2カ月あまり。大幅な値下げによって、大容量のデータ通信が可能なスマートフォン向けプランでも月額3000円を切りました。契約者が払う通信費が下がった影響で、先日発表された4月の消費者物価指数では、通信費が前年同月比マイナス26.5%と驚異的な下げ幅を記録しました。

大手スマホの通信料金は6割減に

世界的にみてもかねて高いといわれてきた、日本のスマートフォンの通信費。オンラインでの契約手続きを条件とした新プランは、データ通信量20GBでNTTドコモは月額税込2970円(5分以内の通話無制限込み)、auとソフトバンクは2728円(通話料別途)と、それまで7000~8000円台だった同容量のプランに比べて6割以上も安くなりました。

2019年の総務省「通信利用動向調査」によると、大手キャリアに契約している人が支払っているスマホの通信費は1カ月当たり5000~8000円がボリュームゾーンでした。値下げにより、これが今年は3000円前後まで下がることになると考えられます。

大手の新プラン導入を受け、格安スマホの価格競争も激化しました。大手キャリアの通信回線を利用し、ネットを通して加入手続きを受け付けることで運営コストを抑え、低料金を売りにしていた格安スマホ。上記調査では1カ月当たり1000~4000円を払っている人が多く、同等のプランを比べても大手の半額程度になるケースが少なくありませんでした。

このうまみは、大手の値下げによって消えてしまったわけではありません。

格安スマホ各社も、大手の値下げに対抗するように相次いで値下げを実施。シェア1位のIIJは4月からの新料金により、20GB使用の場合6000円近くだった月額料金を約2700円(いずれも3分以内の通話無制限)と、半額以下にしました。大手キャリアのように自社の通信回線提供に参入した楽天モバイルは月額約2200円(専用アプリ利用で通話無制限)と、価格競争は過熱しています。

細かなサービスに差はあるものの、安さを重視するのであれば、やはりまだ単純に大手を選ぶよりも、格安スマホまで選択肢を増やしたほうが、通信費を節約できそうです。

しかし、スマートフォンの契約先として、格安スマホはきわめて少数派です。先述の調査によると、大手キャリア4社の利用者は64%を占めるのに対し、格安スマホの利用者は8%にすぎません。

携帯各社の料金体系、基本料金に含まれるサービスには細かな違いがあり、消費者からすると比較がとても難しいと感じます。他社と料金を比べてみたり、乗り換えを検討したりするのは面倒でもあります。一度契約したら漫然と継続していて、他のプランや他社に変えると節約できる可能性があることにすら気づかないままになっている人が少なくないのではないでしょうか。

半数以上の人は20GBもいらない

もうひとつ見落とせないのが、データ通信量です。今春の大手キャリアの値下げはおもにデータ通信量20GBのプランが対象でしたが、そもそもそれほどの通信量が必要な人は少ないのです。

総務省によると、実際に使用しているデータ通信量が月に20GB以上の人は11%。10~20GBの人を合わせても2割にすぎません。むしろ、2GBまでしか使っていない人が49.5%も占めています。

これに対して、スマホ契約者の43%は20GB以上のプランを選んでいます。2GBまでのプランに加入している人は17%しかいません。つまり、実際に使うデータ通信量以上のプランに契約している人がかなりいるわけです。

特に携帯電話会社や販売代理店の店頭で契約した場合、本来のニーズよりもオーバースペックなプランを勧められるケースがあるようです。今年、全国にある携帯電話のキャリアショップのスタッフを対象に行われた調査によると、4割超が、顧客のニーズ等を丁寧に確認せずに「上位の料金プランを勧誘したことがある」と回答したことが明らかになりました。

これを受けて総務省は5月下旬、大手キャリア3社と、携帯電話の販売代理店が加盟する業界団体に改善の要請を出す事態になりました。

なお大手キャリアの場合、データ通信量が月に2GBや5GBなど少量であっても、標準的なプランでは月額料金が3000円~5000円台になります。契約者向けの各種割引を使うなど、条件によってはこれより安くなるケースもありますが、データ通信の使用量が少ない人でも(オンライン申し込みに限定はされますが20GBまで使える)新プランに変更したほうが割安になるケースは多そうです。

また、格安スマホまで選択肢を増やしてみると、2GB、4GBなど細かな通信量設定に応じた料金プランがあるところや、3GB以下なら月額1000円程度で済むところもあります。

こうしてみると、スマホの通信費を節約するにはオンライン限定プランやオンラインでの手続きが中心の格安スマホに切り替えるしかないように感じますが、そうとも限りません。有料オプションがムダの元凶になっていることがあるためです。

携帯電話・スマートフォンの通信費には、通話やデータ通信などの基本料金のほかに、故障や水濡れで修理・交換するときの補償サービス、キャッチホン、迷惑電話の撃退サービス、着信時の呼び出し音を自由に設定できるサービスなどの有料オプションがあります。有料オプションのほとんどは1カ月ごとの定額制です。ひとつひとつは月額100円から500円程度が多いですが、3、4種類をまとめて月額1000円としているパッケージもあります。

販売店の一部では、これらのオプションサービスを過剰に付加するよう誘導するケースがあると指摘されてもいます。スマホを買うときや機種変更の手続きをするその場では必要だと感じても、その後使っていなければ、解約できるものがあるかもしれません。

当然、料金プランにしろ、有料オプションにしろ、自分に合っているものや使っているサービスは削る必要はありません。また、オンライン上で自分で選んだ結果、契約の基本料が下がっても、上限を超えるデータ通信を利用したり、長時間の通話をしたりすれば、結局は請求額が膨れ上がってしまうことがあります。対面で相談やアフターサービスに応じてもらえる携帯会社やプランには、そのような失敗を防ぐうえでは分があります。

販売代理店は正念場

しかし、今春の大手キャリアの値下げがオンライン限定プランであったことから、コストコンシャスでネット上での手続きに慣れている人が新プランに流れた分、店頭での契約をおもな収益源とする販売代理店は苦境を迎えています。オンライン専用の新プランに加入したいと店頭に来た顧客を、そちらに案内・成約した場合には販売店に手数料収入が入ることもあるようですが、少額のようです。そうした影響が今後、店頭を訪れる顧客へのオーバースペックな勧誘につながらないとも限りません。

過剰な勧誘は大手キャリアから販売代理店への営業ノルマが原因ともいわれ、現在、そうした業界全体の課題への取り組みが進められています。政府は今年度中に、顧客がライフスタイルに合った携帯会社やプランを選ぶために、中立的な立場で相談に乗る「スマホ乗り換え相談所」のモデル事業を立ち上げる見込みです。オンライン、店頭窓口にかかわらず、将来的には自分の使い方に合った料金プランを選びやすい環境が整っていくと期待できます。

同時に、消費者側にも、企業の値下げや国の環境整備を待つばかりではなく、自らの契約内容や使い方をチェックして、納得いく代金を払う意識を高めることが大切だと思います。スマホがいまや私たちの生活に欠かせないインフラであるからこそ、毎月、長期間にわたって払い続ける通信費に対して、シビアに点検する習慣をつけたいものです。

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【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

「スマホ壊して!」ドコモ店員が衝撃営業の理由

携帯ショップで「スマホ販売拒否」多発のなぜ

表向き値下げでも「面従腹背」の衝撃実態

提供元:携帯料金、大幅値下げでもまだ高い人の落とし穴|東洋経済オンライン

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