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2021.03.16

60歳から年金「繰り上げ受給」損益分岐点は何歳|自分のお金リテラシーの高さがわかる質問5つ


住宅ローンを組む際の「金利」や、年金の受給開始時期などお得な情報をご紹介します(写真:CORA/PIXTA)

住宅ローンを組む際の「金利」や、年金の受給開始時期などお得な情報をご紹介します(写真:CORA/PIXTA)

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住宅ローンの「金利」どちらがお得?

Q1. 4000万円の住宅ローンを返済期間35年で借りました。10年後に金利が1.5%上がったら、固定金利と変動金利のどちらが得でしょう?

(1)固定金利

(2)変動金利

A. (2)変動金利

変動金利は世の中の経済動向に応じて金利が変化します。金利が上昇すれば不利に見えますが、1.5%であれば変動金利のほうがお得になります。

借入4000万円を固定金利1.3%、35年とすると、総返済額は約4981万円です。一方、変動金利0.41%で10年後に金利が1.5%上昇したら、総返済額は約4895万円です。

よって、総返済額では約86万円、変動金利が下回ります。

固定金利の1.3%に比べ、変動金利は1.91%とかなり上がっているため、不思議に思うかもしれません。ですが、10年も経つと、住宅ローン残高は大きく減っています。

そのため、10年後に固定金利を上回る1.5%に金利が上がったとしても、総返済額はお得になるのです。

ただし、この場合、当初は月々の返済額が11年目以降は上がります。ここは注意が必要です。

なお、固定金利と変動金利では金利の基準が異なります。固定金利は10年国債の長期金利を、変動金利は短期プライムレートを基準にしています。

補足説明)
変動金利は名前のとおり、変動する印象がある。しかし、基準にしている短期プライムレートは、29年前の3月につけた8.25%から下がり続けている。リーマンショック前の2008年3月に1.875%をつけたタイミングはあったものの、現在はまた低下している。日銀のマイナス金利政策はまだ続きそうなことから、変動金利は引き続き低水準で推移すると見込まれる。

Q2. 30歳から65歳まで保険(死亡保険金1000万円)に入った場合、終身保険と定期保険では、保険料の総額はどのくらいの差になるでしょう?

(1)約400万円

(2)約500万円

(3)約600万円

(4)約700万円

A. (4)約700万円

浮いたお金をiDeCoなどで運用しよう

終身保険は必ずお金を受け取れる貯蓄型の保険です。死亡すれば保険金を、解約すれば解約返戻金を手にできます。

定期保険は保険期間中になにごともなければ、1円も出ない掛け捨て型です。「なにも戻ってこない掛け捨て型は損」と思いがちですが、本当でしょうか。30歳男性が65歳まで、1000万円の保障をつけたとして保険料を比べてみます。

定期保険の保険料は、月額2146円。35年間の総額は90万1320円(※1)です。

終身保険(65歳払済み)は、月額の保険料が1万8740円。35年間で787万800円(※2)になります。その差は696万9480円です。

バブル期などは予定利率が高く、保険を貯蓄がわりに使うこともできました。しかし、低金利の今、貯蓄性の魅力は失われています。商品によっては、払い込んだ保険料を下回ってしまいます。

低解約返戻金型(※3)ならば、保険料の払い込みが終わったあとは増えますが、それもわずかです。しかも、早期に解約すると、大きく元本割れします。

掛け捨て型の定期保険なら、安い保険料で大きな保障を確保できます。終身保険で備えるより、浮いたぶんのお金をiDeCoやつみたてNISAで運用したほうが、効率的に貯められます。

補足説明)
※1 2146円×12カ月×35年=90万1320円
※2 1万8740円×12カ月×35年=787万800円
※3 低解約返戻金型は、通常の終身保険より保険料が割安。しかし、保険料払い込み中の解約返戻金は70%程度と、通常より抑えられている。

Q3. 年金を繰り上げ受給して60歳から受け取った場合と、65歳からスタートした場合。
90歳時点でどちらのほうが得でしょう? 65歳の年金額は180万円とします。

(1)60歳で受け取ったほうが20万円の得

(2)どちらもそれほど変わらない

(3)65歳で受け取ると20万円の得

(4)65歳で受け取ると700万円以上の得

A. (4) 65歳で受け取ると700万円以上の得

損益分岐点は76歳

年金の支給は、65歳がスタートだと思っていませんか。実は、60歳から70歳の間なら、いつでも受け取ることができます。65歳未満で受け取ることを繰り上げ受給、66歳以降に受け取ることを繰り下げ受給といいます。

繰り上げ受給を選択した場合、受給額は年に6%下がります。60歳で受け取ると、65歳から受け取る額の30%減額になります(※1)。

早く受け取るので最初は得な気持ちになりますが、損益分岐点は76歳です。76歳以降は、長生きすればするほど損になります。

では、どのくらいの差が出るのでしょう。

65歳の時点で年金受給額は180万円。60歳まで繰り上げ受給をすると、30%引かれて126万円です。

60歳から90歳までの30年では、総額3780万円です(※2)。65歳から90歳までの25年なら、総額は4500万円です(※3)。

両者の差額は、720万円になります。

60歳で年金の繰り上げ受給をすると、90歳の時点では実に720万円も損してしまうわけです。

そのほかにも、繰り上げ受給をすると障害年金を受け取れなくなるデメリットもあります。

ちなみに、繰り下げ受給をした場合は、年8.4%の増額になります。

補足説明)
※1 2022年4月より、年4.8%の減額に変わる。60歳で受け取ると24%の減額になる。それでも、400万円近い差が出る。
※2 126万円×30年=3780万円
※3 180万円×25年=4500万円

Q4. 65歳で退職するのと64歳11カ月で退職するのとでは、雇用保険はどのくらい違うでしょう? 基本手当の日額は5000円とします。

(1)64歳11カ月のほうが50万円の得

(2)65歳のほうが50万円の得

(3)どちらも同じ

(4)65歳のほうが3万円の得

A. (1) 64歳11カ月のほうが50万円の得

たったひと月で大きな差

失業給付(基本手当)とは、失業中の生活を心配せずに新しい仕事を探し、1日も早く再就職をしてもらうための給付金です。基本手当日額×給付日数が総額になります。

この制度は、65歳未満と65歳以上で受け取れる総額が大きく違います。

65歳未満で退職した場合、給付日数は最大150日(給付日数は、離職理由と勤続年数によって変わる)。

しかし、65歳以上で退職すると「高年齢求職者給付」に変わり、最大50日ぶんの給付になります。

では、勤続20年以上で基本手当日額5000円の人を例に、失業給付の総額を比べてみましょう。

64歳11カ月で退職すれば、150日ぶんの給付期間があります。したがって、総額は75万円です(※1)。

この場合、退職理由は自己都合になります。

基本手当を受け取るまでに3カ月の給付制限があり、支給の開始は65歳になってからです。そのかわり、基本手当の満額と年金の両方を受け取ることができます(※2)。

65歳で退職したら、給付期間は50日ぶんです。すると、総額では25万円しかもらえません(※3)。

同じ日額5000円なのに、65歳の前とあとでは50万円もの差が出ることになるのです。

補足説明)
※1 雇用保険の基本手当と、65歳前の「特別報酬の老齢厚生年金」の両方を受け取ることはできない。
※2 日額5000円×150日=75万円
※3 日額5000円×50日=25万円

Q5. 事業を営んでいた親が他界。相続財産は3000万円相当の不動産や現金と、事業のための借り入れが5000万円です。借金のほうが2000万円多いですが、不動産はできれば手放したくありません。どうするのが正解でしょう?

(1)借金とあわせて不動産や現金もすべて手放す

(2)3000万円のプラス財産と、5000万円のマイナス財産を相続する

(3)3000万円のプラス財産と、3000万円の借金を相続する

(4)債務整理をして借金を減額してもらう

A. (3) 3000万円のプラス財産と、3000万円の借金を相続する

すべて相続か、すべて放棄だけではない

相続財産というと現金や有価証券、不動産などを思い浮かべますが、借金のような負債も含まれます。

こうしたマイナス財産があったときは、プラスもマイナスもひっくるめて相続する(単純承認)か、すべての財産を手放す(相続放棄)か、どちらかしかないと思っている人が多いでしょう。

記事画像

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しかし、どうしても残したい不動産などはそのままに、プラス財産の範囲内で借金を相続することが可能です。これが(3)の方法で、限定承認といいます。

ただし、限定承認には注意点が3つあります。

1つ目は、相続人全員で申述する必要があること。相続人同士が疎遠だったり、仲が悪かったりすると大きなハードルとなるかもしれません。

2つ目は、期限が3カ月以内と短いうえに、手続きがむずかしく、時間がかかること。費用がかかっても、専門家に任せたほうがいいでしょう。

3つ目は、「みなし譲渡所得税」という税金が発生する可能性があること。亡くなった不動産の所有者から相続人に売却したという扱いになるため、相続したときの時価によっては税金がかかることがあります。

ただ、みなし譲渡所得税はマイナス財産に合算されます。どちらにせよ、プラスの財産以上に借金や税金を納める必要はありません。

補足説明)
今回の場合は限定承認を正解としたが、状況次第でベストな方法は変わる。相続財産をよく整理し、相続の専門家に相談してみることがお勧め。ちなみに(4)は個人信用情報機関に事故情報が相続人の名前で登録されてしまう。相続人の個人信用情報に傷がつくため、推奨しない。

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