2019.09.13
妊娠で胸が大きくなる理由はなぜ?どのくらい大きくなるの?
「妊娠すると胸が大きくなる」という話は、多くの方が耳にしたことがあるでしょう。しかし、その理由を知っている方はあまり多くないのではないしょうか?
ここでは、妊娠によって女性の胸に起こる変化と、それに応じたブラジャー選びやバストケアの方法を医師監修のもとご紹介します。妊娠中の方も、今後妊娠を希望されている方も、要チェックです!
目次
・妊娠すると胸が大きくなるのはなぜ?
・妊娠で胸が大きくなる時期
・妊娠中の胸のケア方法
監修:医療法人ビバリータ ポートサイド女性総合クリニック院長 清水なほみ先生
妊娠すると胸が大きくなるのはなぜ?
女性の体は、妊娠するとホルモンバランスが大きく変わります。具体的には、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンの分泌量が増えるのです。そしてこの2つの女性ホルモンの作用により、胸が大きくなります。
まずプロゲステロンは、乳腺の先にある乳腺葉に働きかけ、組織を発達させます。何を隠そう、この乳腺葉は母乳をつくる組織。生まれてくる赤ちゃんに栄養たっぷりの母乳を与えられるように準備するのです。そして、乳腺葉の発達とともに、その周りに脂肪もついていきます。
一方のエストロゲンには、乳腺を増殖させる作用があります。このような2つの女性ホルモンの働きが、妊娠すると胸が大きくなるおもな理由です。
どのくらい胸のサイズが変化するかは人によって異なりますが、胸囲はおよそ20cm、ブラジャーのサイズでいうと2〜3カップ大きくなるケースが多く見られます。妊娠前のブラジャーを使い続けるのが難しくなることがほとんどなので、妊娠が発覚したら、買い替えを検討しておきましょう。
なお、妊娠による胸の変化はサイズだけではありません。以下のような変化が見られることもあります。
・女性ホルモンがメラニン色素の沈着を促すことで、乳首が黒くなる。
・潤滑作用と抗菌作用をもった分泌液を出す「モンゴメリー腺」が発達し、乳輪に小さなブツブツが多数できる。
・胸部への血流が増え、胸の血管が浮き出て見える。
いずれも病気ではありませんが、気になる方は、検診のついでに医師に相談してみるといいでしょう。
妊娠で胸が大きくなる時期
妊娠によって胸が大きくなり始めるのは、だいたい妊娠2ヶ月目からです。女性ホルモンの影響を受けて少しずつ胸が張って大きくなり、出産までに1〜2カップほどサイズアップするケースが多く見られます。こうしたサイズの変化は授乳が終わるまで続き、赤ちゃんが母乳を飲まなくなると自然と胸はしぼんでいくのです。つまり、妊娠によって胸が大きくなるのは、一時的なものということになります。
そして、赤ちゃんへの授乳が終わる頃には、再びホルモンバランスが大きく変化します。授乳中は生理を止めるように脳から指令が出るため、女性ホルモンの分泌量が減っていますが、母乳をつくるプロラクチンというホルモンの作用で、サイズアップした状態が保たれています。授乳が終わると、母乳をつくらなくなって乳腺が元の大きさに戻り、胸がしぼむのです。また、プロラクチンの影響がなくなるので卵巣が活動を再開し、月経も始まります。このタイミングは多くのお母さんが体調を崩しやすくなるので、無理をせず、なるべく体を休めるようにしましょう。
妊娠中の胸のケア方法
ここまで見てきたように、妊娠中や産後すぐの胸は、サイズが大きく変わります。そこで重要になるのが、ブラジャー選び。サイズだけでなく、妊娠期特有の胸の変化も考慮してブラジャーを選ぶことが必要になります。おすすめは、妊婦さんや産後のママのためにつくられた“マタニティブラジャー”です。
マタニティブラジャーとは
妊娠中から授乳期の女性のためにつくられたブラジャーで、通常のそれにはない特徴があります。
まず、どんどん発達する乳腺を圧迫して傷めてしまわないよう、伸縮性のあるやわらかい素材が使われているものが多く見られます。カップも大きめで、胸全体をしっかりと覆ってサポートできる形状です。
さらに、同じく乳腺などの組織を傷つけないように、ノンワイヤーのタイプが多くなっています。胸の形をきれいに見せたいという要望に応えるため、なかにはワイヤーが入ったものもありますが、乳腺を圧迫しないように設計されているので安心です。ワイヤーの素材も、通常よりやわらかいものを採用されています。
また、大きく重くなった胸を支える肩に負担がかからないよう、ストラップは太め。ホックの数も多く、アンダーサイズの調整幅が広いので、お腹が大きくなってきたときも安心です。
マタニティブラジャーの選び方
マタニティブラジャーと一口に言っても、大きく分けて3つの種類があります。
まず、インナーの下半分を切ったような形の「ハーフトップ」です。圧迫感がなく、着け心地がとても快適なので、つわりの時期や家で過ごすときにぴったりでしょう。ただし、胸の形をきれいに整える効果はあまり期待できません。
逆に、最も胸をきれいに見せてくれるのが、「ワイヤー入りブラジャー」です。ワイヤーといっても、先述のとおり構造や素材が工夫されているので、妊娠中や産後でも安心して使えます。ただし、ワイヤーがある分どうしても締めつけられる感覚はあるので、出産日が迫ってきたときや、産後すぐには向かないでしょう。
そんなタイミングで胸をきれいに見せたい日は、「ノンワイヤーブラジャー」がおすすめ。ハーフトップとワイヤーブラジャーの中間といった着け心地で、無理をせずに胸をきれいに見せられます。
用途に合わせ、上記の3つの種類を合計6枚ほど持っておくと、なかなか洗濯できないときや入院をしたときも安心でしょう。
なお、マタニティブラジャーを選ぶ際は、産前の段階で、カップを外したりずらしたりして授乳できるタイプを選ぶのがおすすめ。卒乳の時期まで長く使えますよ。
妊娠線のケアも忘れずに
妊娠で胸が急激に大きくなると、皮膚の深い部分にある真皮層が断裂し、“妊娠線”といわれる傷跡になって残ってしまいます。妊娠線はお腹にできるものと思っている方は多くみられますが、実は胸にもできる可能性があるのです。 これを予防するためには、ボディクリームやオイルなどで、肌をしっかり保湿してあげることが大切。お腹だけでなく胸も丁寧にケアして、きれいな状態をキープしましょう。
妊娠や出産によるホルモンバランスの変化で、女性の胸は2〜3カップも大きくなります。自分の体の変化に戸惑うかもしれませんが、事前にその原因や必要な対策を知っておけば、いくらか安心して対応できるはず。今回ご紹介した知識を活かして、ぜひ早い段階から準備を始めてくださいね。
【監修】清水なほみ先生 NAHOMI SHIMIZU
医療法人ビバリータ ポートサイド女性総合クリニック院長
全ての女性が「自分らしい輝きを取り戻す」場として、横浜に婦人科クリニックを開業。
婦人科医としての診療のみにとどまらず、漢方やキネシオロジーなどの代替医療も総合的に活用しながら診療にあたる。また、トランスフォーメーショナルコーチ®のテクニックをフルに活用し、ブログでの情報発信やワークショップ、診療内のカウンセリング等で「本来の自分の姿に戻ることで健康を取り戻す」医療を展開している。
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記事提供:リンククロス ピンク
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