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2019.05.23

幼児期から「親子で英語」を習うとどうなるのか| 2人のバイリンガル育てた専門家の視点


ムリなく、ムダなく、18歳でバイリンガルを目指す方法とは(写真:msv/PIXTA)

ムリなく、ムダなく、18歳でバイリンガルを目指す方法とは(写真:msv/PIXTA)

わが子には英語で苦労してほしくはないが、何からやっていいか、いつ頃から英語を習わせればいいのかわからない。そもそも、日本で英語を話せる子どもを育てるのは可能なのか――。自らの子ども2人をバイリンガルに育て、幼児から小学生までの英語教室を主宰する小田せつこ氏が、そんな親の疑問に答えます。

「選択肢の多い人生」を送れる環境が作れる

私は、幼児期から親子で英語に触れることで、ムリなく、ムダなく、18歳でバイリンガルを目指す方法をお勧めしています。私自身も、この方法で子ども2人をバイリンガルに育てました。2人の子どもたちは、日英バイリンガルに育っただけでなく、それぞれ第二外国語もある程度身に付けることができ(娘は中国語、息子はフランス語)、今では専門職に就いてグローバルに活躍しています。

18歳というのは、大学に入学する年齢です。そのときに英語ができる状態になっていれば、海外留学を選ぶこともできますし、職業の選択肢も広がります。最終的に子どもが何に興味を持ち、将来的に何を極めていくのかは、子ども自身が決めること。私たち親にできるのは、子どもが「選択肢の多い人生」を送れるような環境を作ってあげることではないでしょうか。

そして、子どもの選択肢を増やしてあげるのに、英語ほど強力な味方はありません。「英語は親から子どもへのプレゼント」なのです。子どものうちから英語に慣れ親しむことは、将来の英語学習のハードルをぐんと下げてくれます。それによって、本来なら英語に割く時間やエネルギーを、あなたの子どもは「自分の好きなこと」に注ぐことができるようになるのです。そして、お子さんがそれを極めていくときに、英語が1つの手段として、お子さんの強い味方になってくれることでしょう。

ただし、このプレゼントは、子どもにせがまれてから渡すようでは遅いのです。その頃には、親にしてあげられることは、ほとんどないからです。反対に、子どもに押し付けるように渡すのもよくありません。英語がプレッシャーになり、子どもが追い込まれたりしては、プレゼントにはなりません。理想は、子どもたちが気づいたときには「生活の一部に英語が当たり前にあった」という環境を作ることです。それは、パパママの工夫でいくらでも可能です。しかし、あくまで「ムリなく、ムダなく」です。

子どもに英語を身に付けさせるには、パパママが、そこまで英語が得意でなくても構いません。また、日本語を禁止して英語漬けの生活にしたり、英語で語りかけをしたりする必要もありません。さらには、インターナショナルスクールに通わせる経済力も必要ありません。大切なのは、子どもが小さいうちから英語に慣れ親しみ、楽しむことです。

まずは目標として、日本語の3分の1でいいので毎日の生活に英語を取り入れてみてください。それが難しければ、5分の1、もしくは10分の1でも構いません。英語のアニメ、音楽、絵本など、良質なコンテンツはすでに世の中にたくさんありますから、こうしたコンテンツを使って、子どもと一緒に遊んでください。

わが子とふれあい、今しかないわが子との時間を楽しみながら、そこに少し英語を足してあげる――。そうすることで、時間的・経済的な負担なく、子どもに「英語の種まき」をしてあげるのです。

英語は、ピアノや水泳のように、ほんの一部の人しか高いレベルに到達できない、というものではありません。正しいやり方で早くから始めれば、誰でも高いレベルに到達できるという意味では、英語はとてもモノにしやすいのです。

助走に子どもの意志や能力は関係ない

幼児期から親子で英語に取り組むことは、子どもが18歳でバイリンガルになるための「大いなる助走」です。この助走をしているかどうかで、完走率が変わってしまうほど、大きな意義を持つものです。そしてこの助走に、子どもの意思や能力は関係ありません。子どもの完走率を少しでも上げてあげること、子どもが英語を味方につけて未来に羽ばたいていく下地を作ってあげることは、親の少しの心がけでできるのです。

では、この「親子で英語に触れること」は何歳から始めればよいのでしょうか。私の答えはいつも同じです。今すぐ始めてください。1歳でも2歳でも、あるいはプレママ・プレパパでも、その時々でやれることはたくさんあるのです。

可能なら、0歳からスタートさせてほしいと思っています。「0歳は早すぎるんじゃないか」「せめて、幼稚園に入ってからでいいんじゃないか」と思う方も多いでしょう。しかし、スタートが遅くなればなるほど、英語が「勉強するべき科目」になってきてしまいます。

コミュニケーションの部分を飛ばして、英語が最初から「勉強するべき科目」になってしまうのは危険です。「勉強するべき科目」である以前に「英語は言語」なのだと、子どもにわかってもらうには、早ければ早いほうがいいのです。

中学生にもなってしまうと、子どもには英語以外にもやるべきことがたくさんあり、なかなか英語に集中して取り組むことができません。そして、中学生よりも小学生、小学生よりも幼児のほうが、抵抗なく英語を受け入れることができます。子どもに「新しいものを柔軟に受け入れる力」が十分備わっているうちに英語に触れさせることには、重要な意味があるのです。

これに対して「そんなに小さいときから英語をやらなくても、本人に『やりたい!』という意欲が出てからでいいんじゃないの?」という意見もあるでしょう。しかし、もし、本人のやる気がまったく出なかったらどうするのでしょう。「いつか絶対にやる気になる」なんて、誰が保証できるのでしょうか。それに、やる気が出た人は、みんな必ず英語ができるようになっているでしょうか。 残念ながら違いますよね。

たとえ、私のように中学生のときに英語と出会い、英語が大好きになったとしても、そこからの英語学習には多大な苦労を伴います。「外国語ができるようになること」は、想像以上に労力と時間がかかるもの。英語は「やる気さえ出れば、大人になってからでも簡単に身に付けられる」ものではないのです。そこで私は、幼児からの英語教育で「ムリなく、ムダなく、バイリンガルを育てる」ことをお勧めしています。

生まれたての子どもは語学能力が高い?

「英語は0歳から始めてほしい」というのは、子どもの柔軟性だけが理由ではありません。純粋に、小さい子どものほうが、語学習得の適性があると感じるからです。「語学力の伸びは、若い人にはかなわない」という感覚は、何となく皆さんがお持ちだと思います。

2人の子どもをバイリンガルに育てましたが、英語で毎日語りかけをしたわけでも、インターナショナルスクールに行かせたわけでも、小さい頃から英語の多読をさせたわけでもありません。ただ英語で親子遊びをして、英語の動画を見せて育てました。

そんな2人に、どうしてもかなわないのが「リスニング」です。私だってTOEICのリスニングは満点ですし、英語の中でリスニングがとくに苦手なわけでもありません。でも、私の場合、リスニングをするときには「英語を聞くぞ」というモードになる必要がありますし、飛行機の中で見る映画も、内容によっては字幕なしでは厳しく感じます。でも子どもたちは、まったく何の問題もなく英語を聞き取ることができます。こればかりは、本当にうらやましいです。英語に関して、私と子どもたちで決定的に違うことは「幼児期に英語を聞いているかどうか」なのです。

TEDで有名になったパトリシア・クール博士は、このように言っています。「生まれたての子どもは、6~8カ月時点では、どんな言語の音も聞き取ることができる。しかし、この臨界点を過ぎると、子どもはその能力を失い、自分の周りで話される言語の音を吸収するようになる」と。TEDでは「赤ちゃんは語学の天才」(The linguistic genius of babies)というタイトルで掲載されていますので、ぜひ動画をご覧になってください。

クール博士がTEDで紹介した実験結果からもわかるように、たとえ毎日でなくても、少しの時間でも、外国語で遊ぶことによって、子どもはもともと持っている聞き取り能力を失わずに済むのです。それならば、無理のない範囲で構わないので、子どものうちから「英語に触れる時間」を作ってあげるべきではないでしょうか。

生まれてすぐからでも、親子のふれあいタイムに少し英語を取り入れることは十分可能です。もちろん日本語をメインにしながら、ほんの少し英語を織り交ぜる程度で構いません。「よし、今日から英語を始めるぞ!」なんて気負う必要はないのです。気づいたら、いつの間にか英語が生活の一部になっていたという位置づけが大切です。

「親の英語力」の向上も望める

親子で通える英語教室も、生後4カ月くらいになれば通うことができます。「そんなに早く?」と思われるかもしれませんが、なるべく早く始めることにはメリットがあります。

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1つ目は、子どもが人見知りをしないうちに始めることで、子どもの負担を減らすことができるということ。2つ目は、親にとっても、ほかの親たちと知り合い、仲間作りができるということ。3つ目は、親がこれからバイリンガル育児を進めていくうえでの、またとない「準備期間」になるということです。

親が英語の達人である必要はありませんが、少しずつでも英語に慣れておくことは大切です。父親や母親が英語のできる家庭では、そうでない家庭と比べて、子どもが、英語ができるようになる確率はずっと高いと思います。子どもに英語に慣れ親しんでほしいと思うなら、まずは家庭にその環境を作ってしまえばいいのです。

今まで英語にしっかり取り組んだことのない親が、子どもと一緒に毎日英語の歌を歌ったり聞いたりすることで「英語のある生活」を確立することができたら――確実に、親自身の英語力が向上します。「親子で英語に触れ始めたら父親のTOEICのスコアが上がった」なんていう、嬉しいご報告もいただいたことがあります。

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提供元:幼児期から「親子で英語」を習うとどうなるのか|東洋経済オンライン

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