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2018.11.19

「本の読み聞かせ」が親子共に効果絶大な根拠|子育てを楽にしたければスマホよりも本を


「読み聞かせ」は子どもたのためだけではなく、親にとってもメリットがあるという(写真:しげぱぱ/PIXTA)

「読み聞かせ」は子どもたのためだけではなく、親にとってもメリットがあるという(写真:しげぱぱ/PIXTA)

「忙しい毎日の生活の中に、多少無理してでも読み聞かせの時間を作ることで、かえって子育てがラクになります」と断言するのは、人気ゲームシリーズ「脳トレ」の監修で有名な東北大学・川島隆太教授だ。逆に、いま流行りのスマホやテレビに子守をさせていると、時間的にはラクになったように思える代わりに、読み聞かせをする子育てに比べて親子関係が希薄になり、子育てストレスも増えるという。

今回、同教授の脳科学研究グループと山形県長井市との共同研究で、約40組の幼児とその家族を対象に読み聞かせ調査を行った。8週間にわたる読み聞かせ活動をはじめる前と後では、親と子にどのような変化が起こったのか。

多くの親御さんや、育児や保育にかかわる大人たちは、読み聞かせのもつ「効果」を経験的に実感していることでしょう。ですが実は読み聞かせは、子どもだけでなく、読み聞かせをしている親の脳にも良い影響を与えます。その結果、親子関係にも変化が起きると考えられます。

「読み聞かせ」は親にも好影響を与える

まず、親への「効果」を見ていきましょう。結論から言うと、約8週間、読み聞かせを記録してもらった前と後では、全般的に母親の子育てストレスは低下していることがわかりました。

特に子どもの行動に対して母親が感じるストレス(たとえば、子どもが言うことを聞かないために嫌な気持ちになるなど)が減っているということが明らかになったのです。

母親のストレスの低下(『「本の読み方」で学力は決まる』より転載)

母親のストレスの低下(『「本の読み方」で学力は決まる』より転載)

この調査では「育児ストレスインデックス(PSI)」と呼ばれる心理検査を用いて、母親がアンケートに回答する形式で実施しました。

前項の図を見ると、母親自身の要因(たとえば健康状態)で感じるストレスも微妙に減っているように見えますが、統計的には差があるとは言えません。それよりも、子どもの行動に対して母親が感じるストレスが低減しています。これは、たとえば子どもが言うことを聞かないために、母親が嫌な気持ちになるといったストレスを表します。

読み聞かせと母親のストレス減少の関係

細かく見てみると、特に子どもの機嫌の悪さや、落ち着きのなさ、新しい刺激への慣れなさといった側面が原因となって生じる母親のストレスが少なくなっています。

親から見た子どもの変化(『「本の読み方」で学力は決まる』より転載)

親から見た子どもの変化(『「本の読み方」で学力は決まる』より転載)

つまり、母親は、読み聞かせの結果、子どもの気持ちや行動が落ち着いて、新しい場面であってもじっくりと取り組んだり、あるいは振る舞ったりできるようになったと感じたのではないかと推測できます。

さらに、「読み聞かせをしたから母親のストレスが減った」ことを証明するために、読み聞かせをした時間(分)と親のストレスの変化の関係をデータ解析した結果、「読み聞かせの時間が多いほど、母親の子育てストレスが低くなる」という結論になりました。

母親ストレスの変化と読み聞かせの長さの関係(『「本の読み方」で学力は決まる』より転載)

母親ストレスの変化と読み聞かせの長さの関係(『「本の読み方」で学力は決まる』より転載)

今度は、子どもの結果を見ていきましょう。

子どもはどう成長した?

子どもについては、読み聞かせをするほど言語発達は促進される。これは予想通りの結果ですが、さらに問題行動が減少する、という変化が見られました。

言語発達については、「言葉の数(語彙)」と「聞く力」をとらえました。まず、幼児の語彙に関して、何歳相当の語彙数に変化したかを見てみましょう。参加したのは3歳から6歳までの平均4歳半程度の子ども達です。私たちは「PVT-R絵画語い発達検査」と呼ばれる検査を使って、子どもの語彙を評価しました。

8週間前後で子どもの「語い」が変化した(『「本の読み方」で学力は決まる』より転載)

8週間前後で子どもの「語い」が変化した(『「本の読み方」で学力は決まる』より転載)

その結果、初回時、参加者平均で約63カ月(5歳3カ月)相当であった語彙は、8週間後に約69カ月(5歳9カ月)相当になっていました。2回の検査の間の8週間というのは約2カ月です。ですから、およそ2カ月で6カ月相当の語彙の伸びが見られたことになります。

次に、幼児の聞く力です。「聞く力」を科学的に計測するために、私たちは「トークン・テスト」と呼ばれる課題を用いました。幼児は目の前に置かれたいくつかの小さなブロック(トークン)を、検査者の指示に従って動かすのですが、最初は短く簡単な指示から、次第にどんどん長く複雑になっていきます。子どもが多くの指示を聞いてこなすほど点数が高くなります。

8週間前後で子どもの「聞く力」が変化した(『「本の読み方」で学力は決まる』より転載)

8週間前後で子どもの「聞く力」が変化した(『「本の読み方」で学力は決まる』より転載)

このトークン・テストの得点は、平均点にしてなんと10以上も上がっていました。これは子どもの聞く力が上がったことを示しています。

ほかにも、「CBCL」というアンケートを用いて子どもの問題行動の程度を母親から聴取しています。8週間の読み聞かせをしてもらった前後で、子どもの内向きの問題、つまり、子どもの不安や抑うつなどの問題が減っていることがわかったのです。

「読み聞かせ」には3つのメリットがある

私たちが行った調査の結果を要約すると、読み聞かせを行ってもらった前後での親子の変化は以下の3点になります。

(1)母親のストレスが減った

(2)子どもの言葉の力が伸びた

(3)子どもの問題行動が減少した

記事画像

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いかがでしょうか。読み聞かせを通した親子の交流で、親子にどんな変化が起きるか、示唆が得られるのではないかと思います。

子どものとらえ方に起因する母親のストレスは低下し、子どもの問題行動が減少したことから、母親と子どもの関係によい変化が生じていたのではないかと考えられます。

記事画像

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提供元:「本の読み聞かせ」が親子共に効果絶大な根拠|東洋経済オンライン

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