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2018.07.02

歯科医が警告!「妊娠」と「虫歯」のコワい真実|お口の変化が現れやすい時期の適切な対処法


妊婦さんは虫歯になりやすいのです(写真:Graphs / PIXTA)

妊婦さんは虫歯になりやすいのです(写真:Graphs / PIXTA)

妊娠中は心も身体もさまざまな変化が見られます。特に初めての妊娠のときは、喜びやうれしさに胸がいっぱいになるのはもちろんのこと、わからないことや身体の変化に戸惑い、不安やストレスを抱えている妊婦さんも多いのではないでしょうか。
筆者は歯や口周りの情報を「ムシバラボ」というサイトで発信しており、その中でも紹介していますが、妊娠中はお口の中も変化が現れる部分の1つです。

ムシバラボ ※外部サイトに遷移します

妊娠中のお口や歯のトラブルとは?

妊娠中の女性は虫歯が増えやすくなります。理由は4つあります。
(1)唾液の量が減る
(2)食べ物の好みが変わり、虫歯の原因になる甘い物や酸っぱい物を食べたくなる
(3)つわりがひどくて歯磨きができない
(4)1日中、何かを口にして、お口の中が虫歯になりやすい状態が続く(食べつわり)

同時に歯ぐきが腫れたり、出血しやすくなったりします。歯肉炎や歯周病です。理由は大きく次の3つです。
(1)つわりで歯磨きができず、汚れが残っている
(2)妊娠中は歯周病菌のエサとなる女性ホルモンが約7倍増える
(3)歯周病になりやすい30代女性の妊娠が増えている。

妊娠期にも歯科治療は行えます。必要であれば治療は積極的に行ったほうがいいでしょう。妊娠中は普段よりも虫歯や歯周病になりやすいので、妊娠がわかったら一度歯科医院でご自身のお口の中の状態を確認することをおすすめします。母子手帳にも歯や歯ぐきの状態を記録する歯科検診の欄があります。
赤ちゃんが生まれた直後は、ご自身のことには手が回らなくなってしまいます。お母さんやお父さん、周りの方のお口の状態が赤ちゃんの虫歯にも関係しますので、妊娠期に正しい知識を身に付けておくことも大切になります。

妊娠中の虫歯治療への疑問

妊娠中の虫歯治療への疑問について、よく寄せられる質問にお答えします。

(1)妊娠中の歯科検診のタイミングは?

妊娠がわかったら早めの受診をおすすめします。妊娠初期の体調がすぐれない時期や、 妊娠後期は診療中の椅子を横にしている体勢がつらいと思いますので、無理は禁物。妊娠4~5カ月目で検診を受けると、もし虫歯や歯周病の治療が必要な場合でもすぐに治療を開始することができます。お住まいの地域によっては、妊婦さんの無料歯科検診を行っているところもあります。

(2)妊娠中に虫歯などの歯の治療をしてもいいの?

安定期(妊娠5~8カ月)であれば、虫歯も含め歯科治療を行えます。必ず歯科医師に妊娠していることをお伝えください。

(3)妊娠中に歯のクリーニングはしたほうがいいの?

もちろん、してください。丁寧に磨いていても磨き残しがあるものです。妊娠中は少しの汚れで歯ぐきが腫れてしまいます。ご自身で取り除けない汚れは歯科医院で取ってもらいましょう。1~2カ月のペースで通えると理想的ですが、体調に無理のない範囲で構いません。出産直前まで通われる人もいます。

(4)妊娠中にレントゲンを撮っても大丈夫なの?

撮らなくても治療は行えます。妊婦さんはレントゲン写真を撮らずに治療をすることが多いです。歯科用のレントゲンは数種類ありますが、基本的に首から上の部分や確認の必要な歯のみの撮影になるので、お腹の中の赤ちゃんには影響はありません。
撮影するときは鉛の防護エプロンをつけて放射線から守ります。最近の歯科用のデジタルレントゲンの被ばく量は、従来の10分の1と言われています。心配な人はレントゲン写真を撮らずに治療することもできるので、歯科医師に相談するといいでしょう。

(5)妊娠中の麻酔は赤ちゃんに影響ないの?

影響はありません。歯科用の麻酔は局所麻酔といって、部分的に効くものなので、安定期であれば使用しても問題はありません。麻酔を使いたくない人は、麻酔をしないでできる範囲で治療を行います。また、担当の産婦人科医と相談しながら治療を進められますので、不安なことがあれば歯科医師に伝えていただくといいでしょう。

(6)妊娠中にお薬は飲んでもいいの?

なるべくお薬を飲まないことをおすすめします。痛みが強いときなど、我慢することでお腹の赤ちゃんに影響が出てしまう場合は、産婦人科の先生と相談のうえでお薬をお出しすることもあります。特に妊娠初期は赤ちゃんの体が作られるとても大切な時期ですし、胎盤を通って赤ちゃんに影響の出るお薬もあります。お薬を飲む場合は必ず医師、歯科医師の指示を守ってください。

(7)妊娠中に歯は抜いていいの?

なるべくなら避けてください。緊急性のない場合は出産が終わってからの抜歯をおすすめします。歯を抜いた後は、感染予防のために抗生物質や、痛み止めのお薬を飲んでいただきます。特に親知らずを抜いた後は長期間にわたってお薬を飲むことがある点には注意です。

(8)寝る体勢がつらい

お腹が大きいと椅子を横にしたときに圧迫されてつらくなることがあります。椅子を少し起こして治療しますので、つらいときは遠慮なく歯科医師にお伝えください。起き上がるとき、立ち上がるときはゆっくりと。また、トイレが近くなったり、つわりで嘔吐反射が出たりすることもあるので、治療を中断したくなったら、歯科医師へすぐにお伝えください。

(9)妊娠中に矯正治療は続けられるの?

続けられます。矯正治療自体は問題ないですが、矯正装置がついていると歯磨きにもコツが必要です。クリーニングと併せての治療をおすすめします。妊娠中は体調の関係でそれまでのペースで通いづらくなり、治療期間が延びてしまう可能性はありますが、途中で矯正治療をやめる必要はありません。また、妊娠期に矯正治療を始めることもできますが、治療期間や通うペースなどを歯科医師と相談したうえで始めるといいでしょう。

歯磨きがつらいときは?

(10)つわりがひどくて歯磨きができない

小さめの歯ブラシ(子ども用でも構いません)を使い、少し前かがみの姿勢でかきだすように歯を磨いてみましょう。歯磨き粉が気持ち悪いときはつけずに磨いてください。歯ブラシを口に入れるのもつらいときは、食事の後にお水を飲んだり、口をゆすぐだけでもいいですよ。キシリトール100%のガムをかむのもいいでしょう。

(11)つねに食べているから歯磨きのタイミングがわからない

その都度歯磨きをするのがベターですが、難しければ、食べたら口をゆすぐ、あるいはお水を飲むということをおすすめします。歯科医院で販売しているキシリトールのチョコレートやガムがお好みに合う場合は、お口に入れるものをそのようなものにかえてみるのもいいでしょう。
妊娠期は体の変化に戸惑うこともたくさんあると思いますが、神経質にならなくても大丈夫です。お腹の中の赤ちゃんのために、無理なくできることをしていきましょう。

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提供元:歯科医が警告!「妊娠」と「虫歯」のコワい真実|東洋経済オンライン

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