2017.10.07
子育てにママ友は必要でしょうか?【肝っ玉ママ相談室No.5】
ママになって急に広がった人脈。ママ友との人間関係を円滑にするにはどうすればよいのでしょう。
子育てに関する「他人に相談するまでもないけど、モヤモヤするお悩み」へのヒントを、肝っ玉ママライターの藤澤さんが教えてくれる本連載。今回はママ友関係を上手に築くコツを聞きました。
今回のお悩み
そもそも、子育てにママ友は必要でしょうか?
1歳半の長男を連れて、公園や児童館に行きます。同じ月齢くらいのママと一緒になることもあり、その場限りの会話はしますが、なかなかLINEアドレスを交換するまでには至りません。ママ友同士で来ている人も多く、私もママ友がいたほうが良いのかとは思うのですが…。そもそも、子どもを育てていくのにママ友付き合いは必要でしょうか?(あいりママ)
3歳までは親子だけで過ごしてもOK
子ども同士の関わりがないと、ママとの関わりも少ないもの
子育てはとかく孤独を感じることが多いもの。ワンオペで家事に育児にと頑張っているママなら、余計「相談できる相手がほしい」と感じることもあるでしょう。
できることなら、その気持ちを分かち合える同じ立場の友達がいたほうが、子育てのストレスは感じにくいとは思います。とはいえ「ママ同士」というだけで、無理して付き合うのも、また気が重いものですよね。
ご相談者さんのお子さんは2歳ですから、今は親子2人で公園に行ったり、散歩をしたりして過ごしているのでしょうか。もしかすると、すでに固まっている公園常連のママ仲間のグループに入れず、モヤモヤしている状況かもしれませんね。
実は、ご相談者のお子さんと同じ2~3歳くらいの年齢までは、子どもが「友達と一緒に何かをして遊ぶ」ということはあまりありません。同年代の子と同じ場にいても、一緒にごっこ遊びをやるのではなく、それぞれが好きなことをして遊んでいるという事が多く、親同士は関わり合いにならずとも過ごすことが可能です。
子どもの成長と共に、ママ友付き合いも深まる
「トラブルにも対処しやすい」などメリットはたくさん
でも、その状態はそれほど長続きしません。幼稚園・小学校と子どもが成長すると、家族の中だけでのコミュニケーションの枠を越えて、友達と遊んだり喧嘩したりする大きな社会の中で心身ともに成長していきます。そうなると子どもから、
「○○くんの家に遊びに行きたい」
「××ちゃんを叩いてケガさせてしまった…」
などと告げられることが増え、必然的にほかのママと接せねばならなくなるでしょう。近い将来ほかのママとの付き合いが始まることは、ある程度想定しておいた方がいいかもしれませんね。
“ママ友カースト”が描かれたドラマや、ニュースなどの影響で「ママ友」に悪いイメージがあるかもしれませんが、ママ友はただの女友達。いると楽しいことはたくさんあるんです。
まず1つ目に、子育ての悩みを分かち合え、助け合えること。2つ目に、ママ自身に同じ年代の話し相手ができるので、ストレス発散になること。3つ目に、子どもがケンカしたときも、相手が見知らぬ親よりも知っている親の方が、対応がしやすいこと。
私自身も子どもが4人おりますが、数多くのママ友にたくさん助けられて子育てを続けています。
用事があるときに子どもを預かってもらったり、私の具合が悪い時に幼稚園の送迎をお願いしたり。時にはママ友とランチに出かけ、リフレッシュして帰宅することもあります。
ママ友無しの暮らしは想像できません。だからこそ相談者さんにも、ママ友作りを怖がらず、積極的に取り組んでいってほしいなと思うんですね。
ママ友と上手に付き合う5つのポイント
…とはいえ、ママ友との上手な付き合い方がわからない、トラブルを起こしそうで不安、と感じるお気持ちも分かります。
確かに、大人同士の付き合いに子どもの人間関係も絡んでくるぶん、上手くいけば大人も子どももワイワイと楽しい一方で、こじれると複雑になりがち。子ども同士の喧嘩だったはずが、いつの間にかママ同士の間に溝を作っていたという話もよく聞きます。
では、ママ友との付き合いはどういう点に気を付ければいいのでしょうか。付き合い方のポイントをまとめました。
1.できるだけ価値観や金銭感覚の似た人と付き合おう
「毎年夏休みは家族でハワイに行くから、お土産買ってくるわね~」
付き合い始めたばかりのリッチなママが、例えばこんな話をしたとします。
もしこれに対して「金銭感覚が違うな」と思ったとしても、
「うちは、そろそろセミが鳴き始めるから、週末は子どもと公園で虫取りしようと思ってるんだ…」
と、違和感なく心の内を話せる関係だったら、楽しくお付き合いできるかもしれません。
しかし、そのセレブ発言の中ではなんだか口に出すのが恥ずかしい。思わず対抗して見栄まで張ってしまう。こんな風に思うなら、今後もあなたが疲れてしまうことに。そのような場合は、無理して頻繁にお付き合いをしないほうが良いかもしれません。
子育ては日常のことなので、自分と同じような価値観や金銭感覚を持っている人のほうが楽に付き合えます。
「○○公園にはもうセミの抜け殻が落ちていたわよ」
「あら!じゃあ新しい虫取り網を買いに行かなくちゃね!」
というように、同じような感覚で話ができる人を探せるといいですね。実際のお財布事情がどうであれ、価値観や金銭感覚が似ている人と付き合うことはあなたにとってとても大事。そんな人を探すことができたら、ママ友選びはひとまず成功です。
2.トラブルメーカーのボスママを見極める
「○○ちゃんって、あんまりカワいくないわよね」
「××ちゃんのママ、この前保護者会にビーチサンダルを履いて来ちゃって、非常識だったわよ」
あくまで私の経験上の話ですが、こんな風に子分ママをはべらせて他人の悪口ばっかり言っているボスママって、割といるものなんです。ママコミュニティーに限らず、学生時代、職場などこれまでの人生経験で似た思いをされた方もいらっしゃるでしょう。
もちろんドラマに出てくるような極悪ボスはめったにいませんが、小悪魔ボス程度なら意外といるものなんですね。うっかり地雷を踏んで、あなた自身が目を付けられることがないように、園や公園などのコミュニティーの中で、誰がボスママかは見極めておいた方がいいですね。
ボスママの子分になるとご機嫌取りに疲れるし、露骨に距離を置くと目を付けられることが多いもの。ボスママとはつかず離れずの関係で過ごすのが1番無難だと思います。時々、ボスが存在しない和やかなコミュニティーもあるので、そういう場に当たれば気遣いなく過ごせてラッキーですね。
3.他人への悪口・陰口は絶対にNG
自分が悪口を言われたらイヤなように、あなた自身も他人の悪口を言わないように気を付けることは鉄則です。
仲のいいママ友ができると、どうしても「△△さんって、ちょっとアレよね…」という話になることもあるでしょう。あなたは2人っきりの秘密のつもりで話していても、相手はそうは思っておらず、いつの間にか「××さんが△△さんの悪口言っていたわ」と周知の事実になってしまうこともあり得ます。
なので、どんなに気の置けないママ友ができても、他人の陰口はたたかないほうがいいですよ。近くで子どもが聞いている場合もありますしね。
もし、ママ友の方から他人の悪口を言ってきたときは、「あら?そうなの?」と軽く流して対応しましょう。頷いたり同意したりすると、その場にいる他のママ友に「一緒に悪口言っている」と思われてしまいます。自衛のためにも「初めて聞いた」という態度に徹するのが無難ですよ。
その悪口がエスカレートする前に、さりげなくほかの話にすり替えられるといいですが、それが難しい場合は聞き役にとどめて口を挟まないようにしてくださいね。「へえ」「ふーん」と、興味のない口調で相槌を打っていると、ママ友も「この人は
あまり共感してくれていない」と感じて、自然と話題が変わることが多いと思います。
4.子どものケンカは早めのフォローを!
ママの関係だけではなく、子どものトラブルからママ友との関係が崩れてしまう場合もあります。
幼稚園や保育園の遊び時間や、親が目を離した時に起きてしまう子どものケンカ。大人の目が届かないところで起きたケンカは、止める人がいないのでエスカレートしがちです。
その時、手を出した子も出された子も同格に戦えたのならいいですが、この時期の子どもの成長は個人差が大きいので、どちらかが一方的にやられてしまうことも少なくありません。
しかも、幼児期は都合の悪いことはごまかしたり、親には内緒にするというような知恵もついてくる時期です。「たたかれた子」は泣きながら家でママに報告するのに、「叩いた子」は喧嘩などなかったかように、黙って過ごしているということもあるわけです。
叩いた子のママ:「おはよう!今日はいい天気ね!」
叩かれた子のママ:「……。(その前に、昨日のケンカのこと謝りなさいよ!)」
叩いた子のママ:「?」
このような「叩かれた子のママ」と「叩いた子のママ」の間の情報格差が、ママ友の溝を深くする場合があります。昨日まで仲良くしていたママ友がいきなり不機嫌な様子を見せたら、子ども同士のトラブルがなかったか疑ってみてもいいかもしれませんね。
自分の子どもの言動が不安なら、あらかじめ周りのママ友や、子どもの友達、園の先生などに「何かあったら教えてください」とお願いし、アンテナを張り巡らしておくのもおすすめです。
気づかないうちに、あなたがママ友たちから距離を置かれることのないように、「手が出る子」のママは早めに自衛策をとっておくと安心ですよ。
5.あらぬ誤解を招くかも?SNSには注意!
今はFacebookやTwitter、インスタグラムなどで、日常の風景を切り取って気軽に投稿できる時代です。お出かけの記念写真、子どもが何かに成功したシーン、昔の友達との外食…などと、「ちょっと特別」な時に思わず投稿したくなっちゃいますよね。「すごいね!」「可愛い!」などという周りの反応が嬉しくて、こまめに投稿している方も多いのではないでしょうか。
でも、子供を介しての付き合いがメインのママ友関係。好みや価値観が近いコミュニティーだとよいのですが、同じママだからといって共感が得られるかどうかはわかりません。ママ友間に限らず、SNSでは受け取る側によっては「この人、自慢が多いな」と意図しない取られ方をすることもあるので、日常的で軽い内容をメインにするのが無難でしょう。
6.断るときは、あいまいではなくキッパリと
「一緒に買い物行かない?」
「おうちにお邪魔してもいいかしら?」
ママ友と仲良くなってくると、そんなふうにいろいろなお誘いを受けることもあるでしょう。
でも、気が進まないお誘いは、キッパリとお断りすることが大切です。
相手の好意を断るのは悪いから…とあいまいな返事にしておくと、何度も何度も同じようなお誘いを受けて、そのお付き合いがつらくなることも。関係を長続きさせたいママ友だからこそ、あなたの意思はあいまいにせずハッキリ伝えるようにしてくださいね。
「ごめんね、ウチ買い物は家族で行くルールなの。私が1人で勝手に買い物すると夫に怒られちゃうからやめておくわ」
「うちは、ダンナの仕事道具が置いてあって危ないから、上がってもらうわけにいかないのよ」
という感じに、1度「我が家の方針」を理由に断ってしまいましょう。あなた自身の好き嫌いではなく、「家の方針」で断られてしまうと、相手もそれ以上は強引に誘うことができません。そうすると「誘っても無理な人」というふうに思われるため、そのようなお誘いを受けることが減り、だんだん楽になると思いますよ。
ほどほどに距離を保ったお付き合いを
ママ友がいなくても、もちろん暮らしていくのは可能ですが、気兼ねなく付き合えるママ友がいた方が、子育てがぐんと楽しくなるのは明白です。
ご相談者さんは今はまだそんなママ友に会えていないだけでしょうから、子どもがもう少し大きくなるまで気長に構えていてもいいかと思いますよ。子どもも親も長く付き合えるような、気の合うママ友に出会えるよう、心よりお祈りしています!
【編集部より】
――何かと話題になる「ママ友付き合い」。公園や児童館で「はじめまして」の状態から仲良くなれたならすごくラッキーなことですが、価値観や生活スタイルを含めて呼吸の合う人を探すほうが難しいでしょう。ママ“友”とはいいますが、適度な距離を保った、助け合いながら地域で子育てする“同士”として、大人の付き合いを楽しむのがよいかもしれません――。
<お話を伺った方>
■藤澤未央(ふじさわ・みお):
IT関連での勤務後、出産を機に退職。現在は子育ての傍らフリーライターとして活動中。4人の子どもを育てるママ。主に、人間関係のコミュニケーション術や子育てノウハウ系の記事を得意とする。学年の違う子どもたちのPTA役員を掛け持ちするなど、ママ友の間でも頼りになる存在。
提供元:子育てにママ友は必要でしょうか?【肝っ玉ママ相談室No.5】│KenCoM