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2017.09.12

「心配性」な人がわかっていない本当の恐怖│ほかでもない自分自身の考えが問題を起こす


たいてい想像上の恐怖から起こります(写真:naka / PIXTA)

たいてい想像上の恐怖から起こります(写真:naka / PIXTA)

「不安」は才能の表れだけれど・・・

「心配性」の人に、ちょっといいお知らせがあります。

「不安」はたいてい、すばらしい資質や能力の表れなのです。心配性の人は、おそらく平均より頭がよく、とてもクリエーティブで、想像力がたくましいケースが多いでしょう。こうしたすばらしい資質は、最高の親、パートナー、友人になるために役立つ、という調査結果もあります。

私はスウェーデン、カルマル市に生まれ、自分で興した会社でずっと働いてきました。昔からずっと、いわゆるリーダー、起業家タイプでしたが、社交性や愛想のよさを隠れみのに、実は不安症を長年抱えていました。その心の病を妻であるスーサン・ビルマークと共に夫婦で抜け出しました。

共著である『北欧スウェーデン式 自分を大切にする生き方』にも詳しくまとめてありますが、不安の問題を抱えている人は、その能力で自分を怖がらせて病気になってしまいがちです。何事も必要以上に分析し、たくましい想像力で恐ろしい惨事を思い描いてしまうのです。

『北欧スウェーデン式 自分を大切にする生き方』 ※外部サイトに遷移します

スウェーデンで病気休暇の理由でいちばん多いのが心の病です。スウェーデン国民の4人に3人が、自分自身か家族に、心の病を経験したことがあります。それほどよくあることで、スウェーデン人の大多数に影響を及ぼしているのです。

にもかかわらず、この問題について大っぴらに話す人はあまりいません。残念ながら、こうして誰もなにも言わないために、多くの人がなかなか助けを求めたがらないのかもしれません。

心配や不安が大きくなるのを放っておくと、自分のすることなすことに、いちいち疑問を抱くようになります。

人生が、ワクワクするどころか、試練の連続と化してしまいます。心配や不安が当たり前になり、人生の一部として仕方なく受け入れている人が少なくありません。自分の不安に向き合って初めて、どれほどの時間、体力、気力を奪われていたかに気づくのです。

心配や不安は、ストレスを感じているときや大きなプレッシャーを抱えているときに決まって忍び込んでくる、さまざまな不快な感情を引き起こします。

不安で仕方がない人には、次のような症状がよく見られます。

□ 抑えようのない恐ろしい考え
□ 憂鬱な気分
□ ひどい頭痛
□ 発汗
□ 動悸
□ 無力感
□ 強度の疲労感(過労)
□ 恐怖心(パニック)
□ 筋肉の緊張
□ 無能感

こうした症状が、攻撃性や不信感などの自己防衛的な態度につながる場合もあります。

ヘンリクは30歳くらいの男性で、スウェーデンのある大企業でエコノミストとして働いていました。結婚して4年になり、2歳の男の子がいました。

ヘンリクは人知れず、死ぬ心配ばかりしていました。ある日、胸に突然刺すような痛みを覚え、心臓発作に違いないと思い、すぐに病院へ行きました。でも、異常はどこにも見つかりません。こうしたことがその後半年間に何度も起こりました。

ヘンリクは、自分がなにか恐ろしい病気ではないかと思い始めました。背中に痛みを感じるとひどく心配になり、がんだと思い込んだり、頭痛が数日続くと、脳腫瘍に違いないと考えて恐ろしくなったりしました。

不安を押し殺すため、酒の量がどんどん増えるようになり、とうとう専門家の助けが必要だと気づきました。ヘンリクは不安症だったのです。

脳は実際の恐怖と想像上の恐怖の区別ができない

不安症は感情障害の一種で、恐れ、心配、緊張などの強い感情を特徴とする精神状態をいいます。実在する恐ろしいことから引き起こされる場合もありますが、たいていは想像上の恐怖から起こります。

問題は、恐怖が実際のものか想像上のものか、脳が区別できない点にあります。いずれの場合も体は同じように反応するのです。何かよくないことが起こるに違いないと考えると、「闘争か逃走か」の態勢を取り、アドレナリンを分泌して不安になります。

心配や不安は、ほかでもない自分自身の考えから生じているのです。周囲の人や世の中が原因ではありません。自分自身が、過去のことをくよくよ考えたり、先のことをあれこれ心配したりするから、問題が生じるのです。

記事画像

『北欧スウェーデン式 自分を大切にする生き方』(文響社)。クリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

実は私自身、小さい頃からずっと強い不安を抱えていました

7歳のころから、なにか恐ろしいことが起こるに違いない、と想像してばかりいました。なにか変だという気がいつもしていたのです。

25歳になって初めて、自分が不安症だとわかりました。それまでずっと抱えていたこうした気持ちの正体がついにわかり、どんなにホッとしたことでしょう。不安症は不治の病などではなく自分でコントロールできるし、なくすことさえできると知りました。

不安症のためにどれほど気力を奪われ、生き方を制限されていたかに気づいたとき、心配や不安をコントロールできるようになるための必要な努力をする覚悟ができたのです。

これは、私の人生最善の決断でした。

自分でどうにもできなければ専門家へ相談する

恐れや不安を克服する3つの重要ステップ

(1)恐れや不安の発生メカニズムを知る
(2)自分の思考、振る舞い、感情反応、行動の仕方を変える効果的な方法を学ぶ
(3)学んだ新たな方法で、以前は不安に感じたことをやってみて練習する

不安に対処するためのチェックリスト

□ 不安になるその事態は実際に起こりそうか?
□ 状況を現実的にじっくり考えてみる
□ 予想するときは事実に基づくようにする
□ 楽観的情報も含めて、入手可能な情報をすべて活用する
□ 「もし〜だったら」という考えは、事実ではなく空想として扱う

重度の不安症だと、自分ひとりではなかなか克服できないかもしれません。その場合は医師に診てもらい、自分の状態をどう感じているか相談するのも手です。薬物療法を行う場合は、心理学の専門医や行動療法士による行動療法も並行して行ったほうがいいでしょう。

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【あわせて読みたい】 ※外部サイトに遷移します

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眠れない夜に「とりあえず横になる」は危険だ

提供元:「心配性」な人がわかっていない本当の恐怖│東洋経済オンライン

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