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2017.08.20

ストレス状態に気づくには「朝の調子」をチェックしよう!


ストレスがたまると、「朝」に不調が表れやすくなる

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自分のストレスの状態には、意外に気づきにくいものです。特に、やるべきことや時間に追われているときには心身が興奮してストレスに抵抗しているため、疲労やダメージが蓄積していてもそれらを自覚しにくいのです。

したがって、ストレス状態をチェックするには、生活習慣や身体症状の変化といった「事実」を中心に確認することが大切です。

なかでも、とくに重要なポイントの一つに「朝の調子」のチェックがあります。ストレスがたまると睡眠リズムや熟睡度に影響しやすくなるため、朝の体調や気分に変化が生じやすくなるからなのです。

快眠が得られないと、朝の目覚めが悪くなる

たとえば、以前は毎朝すっきり起きていたのに、最近は朝目覚めてもなかなかすぐに体を起こすことができない――。このような変化に心当たりはありませんか?

ストレスに抵抗するために心身の緊張や興奮が続くと、自律神経が正常に働きにくくなります。そのため、夜、眠りについてもしっかりと深い睡眠をとることができず、疲労が回復しないまま朝を迎えてしまうことがあります。

その結果、起床時刻になっても心身が自然な目覚めへと導かれず、起床しても体の重だるさをひきずってしまうのです。

夕方に元気が出ても、朝の調子が悪い場合は注意!

また、午前中には気分が重く仕事や勉強が進みにくいのに、夕方からボルテージが上がり、夜にかけては割とはかどる――。最近、こんな変化を感じていないでしょうか?

ストレスが蓄積してうつ状態に近づいていくと、午前中に気分の低下が続き、夕方から夜にかけて気分が上昇しやすくなるという「日内変動」が生じやすくなります。

この日内変動に影響され、活動の時間軸を夕方から夜の時間にずらしていく人はとても多いのです。しかし、こうして活動時間を後ろ倒しにすると、夜半まで興奮が持続してしまい、朝の不調はさらに悪化しやすくなります。

「朝の不調」に気づくための10ポイント

では、朝の不調に気づくには、具体的にどのような点をチェックするとよいのでしょうか? 代表的なポイントを10個紹介します。最近の「朝」に下のような変化が生じていないか、チェックしてみてください。

-起床時間になっても、すっきり目覚められなくなった
-「また朝が来た」と思うと、憂うつな気分になってしまう
-起床後はすぐにソファにだらっと座り、しばらくぼ~っとしている
-食欲が湧かなくなり、朝食を食べられなくなった
-テレビを見たくない、テレビをつけても情報が頭に入りにくくなった
-遅刻ギリギリで出勤・登校するようになった、あるいは実際に遅刻が増えている
-以前より満員電車、通勤時間をつらく感じるようになった
-出勤・登校しても、午前中にはやる気が出ず、集中できない
-挨拶をしたり、人と話したりするのがおっくうになった
-午前中は仕事が効率的に進まない、ミスが多くなった

寝る前のリラックス時間が「快適な朝」をもたらす

では、上のような変化に心当たりがある場合、どのようにしたらよいのでしょうか? まず、「睡眠」の状態を見直してみましょう。

朝に調子が上がらないのは、疲労を回復するための睡眠を十分にとれていないためである可能性があります。そして、夜にしっかり睡眠をとるためには、夕方から徐々に活動を減らしていき、夕食は早めにとって、寝る前にリラックスした時間を過ごすことが大切です。

毎日のように帰宅が深夜になる生活、仕事を家に持ち帰り、夜遅くまでそれをこなす生活、毎日深夜まで勉強に追われる生活…。こんな生活を送っていると、夜になっても心身が「オフモード」に切り替わらず、リラックス状態には導かれません。

したがって、朝の不調を感じた時には夕方から夜にかけての生活を改善し、心地よい睡眠を得られるようにしていくことがとても大切なのです。

寝る前の自由時間には、心身を休ませる過ごし方を

また、夜の時間を自宅でゆっくり過ごしていても、実はリラックスした過ごし方ができていない人は少なくありません。

たとえば、ベッドに体を横たえながらも、頭の中では悩み事や仕事の事などをぐるぐる考えて過ごしていませんか? また、寝る直前までパソコンやスマホでの情報検索や動画の閲覧に夢中になり、アップテンポの音楽をがんがんかけて過ごしていませんか? もしそうなら、まず夜遅い時間に考え事をするのはやめましょう。そして、せめて寝る1時間前には部屋を暗くしてぼ~っとし、ゆるやかな音楽をかけて神経をゆっくり休める過ごし方をしてみてください。

疲労の回復に十分な快眠を得られれば、朝の調子は自然に改善していきます。そして、快適に目覚めて朝から活発に活動できれば、夜には適度な疲れを感じて体を休ませたくなるでしょう。すると、寝る前には自然に眠気が訪れ、深い眠りを得やすくなります。このように、睡眠と生活のよいリズムを循環させていくことが、心身の健康を維持するためにとても大切なことなのです。

photo:Getty Images

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大美賀直子

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早稲田大学教育学部を卒業後、出版社やIT関連企業に在籍し心身の健康等の編集の仕事に携わり、独立。メンタル領域専門のコラムニストとして、ストレスや心の健康、対人関係、モチベーション等に関する執筆活動、講演活動を行う。同時に心理カウンセラー、研修講師としても活動し、メンタルヘルス支援企業「(株)ハートセラピー」に所属。法人向け研修、労働者や大学生へのカウンセリングを行っている。雑誌・新聞等メディアへの出演も多く、著書多数。『長女はなぜ「母の呪文」を消せないのか』(さくら舎)、『なぜあの人の働き方は「強くて美しい」のか?』(明日香出版社)などの書籍を出版している。

「(株)ハートセラピー」 ※外部サイトに遷移します

提供元:ストレス状態に気づくには「朝の調子」をチェックしよう!|フミナーズ

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