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2017.07.10

誘いの断り文句に「行けない理由」はいらない|「断り上手」になるための5つのポイント


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日本人の多くが大の苦手な「誘いを断ること」。ただ、断り切れずにいやいや参加しても、いいことは1つもありません。できるだけスムーズに断るための5つのポイントとは?(写真:xiangtao / PIXTA)

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

「断る」ことはなぜ疲れるのか

あなたは、お誘いを断ることが得意ですか? しかるべき理由があって断る場合でも、断るという行為自体がエネルギーを消耗します。

なぜなら、断ること=「拒絶」というイメージがあるからです。「せっかく誘ってくれたのに悪いな」「相手の期待に応えなければ」という思いが強いと、より顕著に表れてきます。

特に、「和」の意識によって協調性を重んじる私たち日本人は、相手に気を使いすぎる傾向もあり、「断り下手」の傾向が強いように思います。

実際、私のもとを訪れる相談者からは、嫌な仕事を断り切れず、引き受けてしまって気が重い、というお悩みが多く寄せられます。また、お誘いをどうやって断ればいいのか模索して、多くの時間を費やしてしまったという声を聞くことも珍しくありません。こうして、断ることが大きなストレスの原因になることもあります。

そこで今回は、できるだけスムーズに「断る」ための、5つのポイントをお伝えします。

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1. 断り=拒絶ではないという意識を持つ

「断る」ことは、相手を拒絶することではありません。ましてや、自分勝手やわがままとも違います。仕事でもプライベートでも、すべての依頼や誘いを受けることは不可能です。単に時間が空いているかどうかだけではなく、状況や気持ちによっても大きく左右されます。

したがって、時間があるから、予定が空いているから、受けなければならない(断る理由がない)という観念は、この際キッパリ捨ててしまいましょう。

「行けたら行く」がいちばん迷惑だ

2. はっきりと意思表示をする

断る際に最も避けたいのは、あいまいな意思表示をすることです。断りづらいがために、「行けたら行く」「考えておく」というあいまいな返答をしてしまいがちですが、相手にとってははなはだ迷惑です。来るか来ないかわからない場合に、人数の確保や予約等、さまざまな調整が滞ることになります。

したがって、相手のことを真に思うのならば、「参加できません」「お受けできません」など、はっきりとわかる言葉で意思表示をしましょう。明言せずとも、察してほしい、というのは自分勝手です。

また、理不尽なお願いなどを断る場合は、気持ちに表情を合わせることが重要です。

たとえば、笑いながら「勘弁してください」と言った場合、相手からは「そんなに嫌がっていないのかな」「もうひと押しすれば何とかなるかな」と思われがちです。私たち人間は、対面時に言葉の内容よりはるかに多くの情報を、相手の表情や声の音調から受け取っています。伝えたい内容と表情は一致させましょう。

3. 理由を言う必要はない

断るときに「先約があって」「その日は、都合がつかず」と断ることはありませんか? すでに予定が入っていることを大義名分のごとく使う断り方です。実は、これが相手に不快な思いをさせてしまうことがあるのです。

実際に私はこんな体験をしました。とあるパーティに誘われた折、すでにその日に予定が入っていたので、「調整できるか検討して返事をします」と返事をしました。すると、先方からは「今、入っている予定と、パーティをてんびんにかけていると言っているのと同じ」と指摘されたことがあります。驚きましたが、確かに、優先度が高ければ、先約があっても何とかしようと思うのが人情です。たとえば、友人と食事の約束をしていた日に、大好きなアーティストのレアもののコンサートチケットを譲られたら、友人に詫びて予定を変更してもらうのではないでしょうか。

断る際の理由は、自分の後ろめたさや、言いやすさのために口にしているだけであって、相手を思っての言動ではありません。あえて、あなたのお誘いよりも重要な予定が入っているので……という必要はなく、単に「申し訳ありません、参加できません」で構わないのです。断るのに、理由を言わなければならないことはありません。

ですから、一部理由の必要な欠席届等は別として、うその理由を必死で考える必要はないのです。

4. 迷っているときは答えない

気持ちが決まらずに、返事を迷うこともあるかと思います。そんなときは、「答えない」選択肢があることも知っておきましょう。すぐに答えなければ相手に悪いと思うあまりに、気持ちが揺れている状態で返答をしてしまうと、後になってから、なぜ「Yes」と言ってしまったのか……などと、悩むことにもなりかねません。特に周りが「Yes」と言っているのに、ひとりだけ「No」と言えないような状況や、相手の押しが強い場合などに注意が必要です。

その後、どうやって断ればいいかを悶々と悩み続けるなんてことにならないように、返答する前に、一呼吸置くことが大切です。最低でも、自分が冷静に判断できるようになるまで時間を置いてください。その折は、相手に誠意を伝えるためにも、「●●日までにお返事します」と、いつまでに返事をするかは示したいですね。

5. 代案を出す

断ることはできたとしても、気になるのは断った後も良好な関係性を保てるかどうかではないでしょうか。コツは、断りのみで終わらせないことです。断りの文句に、代案を付け加えるのです。「ぜひ、次回は参加させていただきます」「夜は難しいので、昼間のときに誘ってください」などです。日程が合わない場合は、こちらから日にちを提案したり、苦手なものの場合は、代わりのものを提案することも可能です。

こうして代案を提示すれば、完全な断りではなくなり、次につながる意思を相手に示すことができます。

反対に、拒絶したい場合は代案を出しては誤解を招いてしまうので注意しましょう。

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嫌々OKしてもお互いに不幸なだけだ

断ることは、決して気持ちがいい行為ではありません。かといって、嫌々引き受けたり、参加したりすれば、お互いに不幸です。断ること=拒絶とは違うことを認識して、自分の思いを率直に伝えられることを目指してください。「断り下手」を卒業できれば、より自由で快適な人間関係を構築できること間違いなしです。

コミュニケーションは、トレーニングです。場数を踏むほど上達していきます。まずはできることから、トライ&エラーで繰り返し実践していくことが大切です。

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大野 萌子 :日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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提供元:誘いの断り文句に「行けない理由」はいらない|「断り上手」になるための5つのポイント|東洋経済オンライン

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