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2017.05.31

「結局、育休はフルで取得するべき?」-育児×キャリアのお悩み相談


男女問わず労働者の権利として認められている出産前後の産休と育休。

法律で子どもが1歳になるまで取得できると定められていますが、仕事を続けたいと考えている女性の多くは「会社に迷惑を掛けてしまうかも・・・・・・」「早く職場復帰しないと居場所がなくなってしまうのでは」と、どの程度休業を取得するべきなのか頭を悩ませてしまいますよね。

そこで女性の働き方に詳しいワーク・ライフバランスコンサルタントの堀江咲智子さんに「育休・産休」のアドバイスをいただきました。

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育休期間決定の第一歩は「育児にどれくらい時間を使うか」

妊娠にまつわる休業は、出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)と出産の翌日から8週間の「産休(産休産後休業)」、出産後から子どもが1歳に達するまでの「育休(育児休業)」の2つがあります。

そのうち産後8週間の休業は法律によって就業してはいけないと決められていますが、それ以外の産前と育休は自己申請によって期間を決めることが可能。つまり「どれくらい育休を取るべきか」は個人に委ねられていることになります。

それならば「取れるだけ取ったほうがいい!」と思ってしまいそうですが・・・。

「まずは育休を取得する本人が、どの程度育児に時間を割きたいかを考えることが大事。たとえ1歳までフルで取得しても『もっとこんなことしてあげたい!』と渇望感が増してしまうのが育児。
子どもを保育園に入れることができるかどうか、パートナーとの育児の考え方など総合的に考え、そこから必要な期間を計算するといいでしょう。しかし育児は予定通りにはいかないもの。
無理に計画にしばられず、変更があることを前提に考えるといいですよ」

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妊娠が発覚したら早めの「報・連・相」を

1日でも子どもと長くいたい・・・親になれば誰しもが思うことかもしれません。とはいえ、出産後の職場復帰を望むのであれば会社の意向を無視するわけにはいかないのも事実。

「育休中の人の仕事を誰が行うか、また育休期間に変わりの人員を採用するか、いずれにしても会社としてはコストが掛かります。育休は権利として認められていますが、早く復職してほしいというのが会社側の本音だと思います」

そこで大切になるのが、相手の意向を尊重したうえで自分の意見を伝える『アサーティブコミュニケーション』というスキルだそう。

「会社も経済活動を続けていかなくてはいけませんので、復職後に時短勤務でも働きやすい部署に配置換えになるかもしれません。
周囲が『よかれと思って』女性に気を遣いすぎるパターンもありますからね。そこで、妊娠が発覚したらできるだけ早く上司に報告し、『育休はいつまで取得したくて、復職後はどのような働き方で会社に貢献できるか』という今後のキャリア設計を伝えるようにしましょう。
自分と会社の双方が理解し合い、気持ちよく育休期間を迎えることで、自分の信頼も高まることでしょう」

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職場復帰のヒントはパートナーの育児参加

育休を終えて無事に職場復帰・・・しかし子どもが急に熱を出したり、保育園から電話が掛かってきたりと、なかなか仕事に集中できないというケースは多いそうです。

「産後のキャリア形成にはスムーズな職場復帰が重要。そこで、母親の育休終了時にパートナーが短期間育休を取ることをおすすめします。現在は『パパ・ママ育休プラス』という制度により父親の育休が取りやすくなっています。
女性が職場復帰する直後の育児やトラブル対応をすべてパートナーが引き受ける体制を用意することで、女性は業務に集中でき、周囲も女性を応援しやすくなるはずです。」

勇気を持って自分の考えを周囲に伝え、家族が協力しあって育児を行うことが、女性の産後キャリアには大切なのですね。

育休取得期間に「正解」はなし。自分の考えと周囲の環境を考えながら期間を決めるといいでしょう。

監修者プロフィール:堀江 咲智子

株式会社ワーク・ライフバランス
2012年より株式会社ワーク・ライフバランスにて働き方見直しコンサルタントとして活動。生き生き働ける職場づくりや、成果を上げて残業を減らすことを得意とする。自身も1児の母として子育てと仕事を楽しんでいる。

取材・執筆 末吉陽子

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