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2017.05.23

“コミュ障”は睡眠不足も一因!?他人への共感力と睡眠の関係


人間関係の悩みは、いつの時代も尽きないもの。ここ数年で耳にするようになった”コミュ障”は、コミュニケーション障害のことで、人と他愛もない会話をするのがおっくうだ、苦手だ…と感じてしまう状況のことを指します。Fuminners(フミナーズ)読者のみなさんにも、少なからずそんな気分になった経験があるのでは?

実は、コミュ障の原因には、睡眠不足によって、相手の気持ちを理解する「共感力」が失われてしまうことが関係しているかもしれないのだとか。

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「共感力」は、誰かとコミュニケーションをとりながら生活していく上では欠かせないもの。共感力が低下すると、相手の気持ちを察したり、その場の空気を読んだりすることが難しくなります。

例えば、落ち込んでいる友人に気遣いの言葉をかけたり、怒っている彼女の気持ちを察して行動したり、その場の空気を読みながらスムーズに会議を進める、ということができなくなってしまいます。そんな状況では、当然、人間関係もギクシャクしてしまうというもの。

最近、睡眠不足になっていませんか? あなたの共感力は、大丈夫でしょうか?

徹夜明けは「共感力」の低下が必至。

ある調査で、睡眠不足が「共感力」にどのように影響するか、被験者に徹夜をしてもらい、その様子を観察するという実験が行われました。

実験では、徹夜の前後に、悲しい画像・楽しい画像などの“感情に訴えかける”画像を見せ、被験者の反応を比較しました。すると、画像の内容に関わらず、徹夜した後は感情的な反応が鈍くなるということがわかったそう。

また、画像を使って行う「共感テスト」を健康な大学生に実施し、テスト実施前1週間の睡眠記録のデータと組み合わせて分析すると、睡眠時間が短い学生では共感テストでの反応が鈍くなっていたことも報告されています。

これらの結果からわかるのは、睡眠時間が短いほど、本来ならば口調や表情などの様子から想像し、共感できるはずの相手の気持ちや状況を察しにくくなる、ということです。つまり、徹夜明けや睡眠不足のときには、疲れているのはもちろんですが、誰かの気持ちに寄り添いづらくなっているということ。

徹夜や睡眠不足は注意力低下にもつながるので、なるべく避けたいところですが、やむを得ずそんな状況になるときには、共感力も低下しやすいことも肝に銘じて、なるべく早く心身を休めるようにしましょう。

愛情ホルモン「オキシトシン」を増やして、ハッピーを高めるには

共感力が落ちないように、徹夜はしない、睡眠不足を避ける、といったことも重要ですが、共感力を向上させるためにできることもあります。

ポイントは、「オキシトシン」。脳下垂体から分泌されるホルモンで、「愛情ホルモン」とも呼ばれ、安心感を醸成してくれる働きがあります。このオキシトシンの体内濃度が高いほど、共感力が高まることがわかっています。つまり、相手の感情を読み取り、気持ちを察して、空気を読んで行動できるようになり、コミュニケーションがより円滑に、より深まりやすくなります。

オキシトシンの働きはこれだけに留まりません。以下のような働きも期待できます。

▼オキシトシンの働き

ーストレス耐性を高める
ー食欲を減らす
ー精神を安定させる
ー痛みを和らげる
ー愛情や信頼を増す
ー人と積極的にコミュニケーションができるようになる
ー他者への優しさや寛容性が生まれる

着目したいのは、精神をリラックスさせ、睡眠の質を高める働き。不眠の原因には、ストレスが隠れていることも少なくありません。体内のオキシトシンを増やすことで、それが適切な睡眠につながれば、共感力を高めるいい循環が作れます。これなら、ハッピーな気持ちで過ごせそうですね。

オキシトシンを増やすためには、誰かとスキンシップをとりましょう。恋人や夫婦、親子、ペットなど、スキンシップといっても、信頼できる相手ととることが重要です。手をつないだり、お互いを優しくマッサージしたり、ごく手軽な方法でオキシトシンの増加が期待できます。眠る前にゆったりした気持ちになれれば、眠りの質にもプラスに働きます。

スキンシップをとる相手がいないというときには、心を感動させたり、気持ちいい気分に浸ったりするのもおすすめです。感動的な小説を読んだり、美しいものをみて心を感動させたり、気持ちの良いマッサージを受けたりするのもいいですね。

グッスリ眠ってコミュニケーション能力や共感力を高めれば、ストレスが減って日中の生活が充実します。ストレスが少なく心身が適度に疲れると、夜はグッスリ眠れます。この良い循環を得るために、快眠できる生活習慣を身につけていきましょう。

photo:Getty Images

編集部内で信頼できると判断した情報、並びに医師や専門家への取材を元に信頼性のある情報提供を心がけておりますが、自己の個人的・個別的・具体的な医療上の問題の解決を必要とする場合には、自ら速やかに、医師等の適切な専門家へ相談するか適切な医療機関を受診してください。(詳細は利用規約第3条をご確認ください)

坪田聡

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医師、医学博士。医療法人社団 明寿会 雨晴クリニック副院長。医師として睡眠障害の予防・治療に携わる一方で、睡眠改善に特化したビジネス・コーチとしても活躍中。「快適で健康な生活を送ろう」というコンセプトのもと、医学と行動計画の両面から睡眠の質を向上させるための指導や普及に尽力。総合情報サイトAll about 睡眠ガイド。 「睡眠専門医が教える! 一瞬で眠りにつく方法」(TJMOOK 宝島社)、「パワーナップ仮眠法」(フォレスト出版)他、監修・著書多数。

提供元:“コミュ障”は睡眠不足も一因!?他人への共感力と睡眠の関係|Fuminners

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