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2021.02.10

「雇用に不安を感じる人」が陥る間違った発想法|生き残れない総合職と専門職、目指すは「T型」


先の見えない不安定な世の中を生き抜くために、今後目指すべき人材像を解説していく(写真:anyaberkut/iStock)

先の見えない不安定な世の中を生き抜くために、今後目指すべき人材像を解説していく(写真:anyaberkut/iStock)

人事コンサルタントとして、1万人以上のビジネスパーソンの昇格面接や管理職研修を行い、300社以上の企業の評価・給与・育成などの人事全般に携わってきた西尾太氏による連載。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

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今後目指すべきは「T型人材」

世の中の先行きが見えません。雇用に不安を感じている人は、6割を超えているといいます。私たちは、今後どのような働き方を目指せばいいのでしょうか?

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

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これまで日本で求められてきた人材像は、大きく分けると2つとされてきました。ゼネラリスト「一(いちのじ)型人材」と、スペシャリスト「I(アイ)型人材」です。

ゼネラリストとは、ビジネスにおける幅広い知識やスキル、経験を有する人材。どんな部署でも活躍できる総合職、いわゆる「何でも屋さん」です。

スペシャリストとは、特定領域に特化した知識やスキル、経験を有する専門職。一芸に秀でた「○○屋さん」といえる働き方です。

しかし、このどちらか一方だけでは生き抜いていくのは難しい時代になってきました。

ゼネラリストに強く求められるのはマネジメント力ですが、それだけでは他者との差別化はできません。出世を目指すにしても、転職もしくは独立・起業を目指すにしても、何らかの「強み」を明確にすることが必要です。

スペシャリストにしても、「それしかできない」という状態は危険です。組織の中で、自身の専門性につねにニーズがあるとは限りません。独立・起業をする場合も、そのスペシャリティー以外に、営業や経理などのスキルが必要になります。

今後目指すべきは、「一型」と「I型」の両方を併せ持った「T型人材」です。

総合力が求められるゼネラリストであっても、自分の強みを見極め、専門性を磨いていくことは極めて重要です。

「何でも屋さん」では、ただの便利屋さんで終わってしまう可能性が高く、組織のトップに立つことは難しいでしょう。

ラーメン店に例えるなら、「何でもできます」というお店より、「担々麺専門店」など、メニューを絞っているほうが成功しそうな気がしませんか?

人材も一緒です。

「営業屋さん」なのか「経理屋さん」なのか「人事屋さん」なのか、自分は「何屋さん」なのかを明確にする。

「自分の強み=専門性」をアピールすることが、自身の市場価値を高め、出世はもちろん、転職や起業・独立で成功する近道です。

一方、専門性を持ったスペシャリストであっても、そのスキルだけで生き延びていくのは困難です。どんなにおいしい「担々麺」を作れても、それだけで成功するわけではありません。部下を持てば、マネジメント力が必要になります。独立・起業するなら、マーケティングや経理のスキルも不可欠です。お客様とのコミュニケーション力も大切です。

どんな職種においても、営業力や交渉力、計数管理、人的ネットワークなど、いわゆるマネジメント力やコミュニケーション力と呼ばれるスキルを持っていないと出世することは難しく、転職や独立・起業をしても成功は難しいでしょう。

ビジネスにおける一定の知見と高い専門性を持っている。それが「T型」と呼ばれる人材像です。

「専門性=資格」という短絡的な発想はNG

では、総合職であっても専門性を身に付けるには、どうしたらいいのでしょうか? 大切なのは、「専門性=資格」という短絡的な発想をしないことです。

「資格を取れば、将来は安泰」

雇用に不安を感じると、人はこうした発想に陥りがちですが、それはとても危険な考え方です。

例えば、人事の仕事をしながら「社会保険労務士」の資格を取得するなら、たしかにキャリアップにつながります。

けれど、営業職の人が将来に不安を感じ「社会保険労務士」の資格を取って転職しようとしても、成功する確率は限りなく低いです。

人事というのは、法規の知識だけあれば、できる仕事ではありません。
さまざまな要請や事情をかんがみながら、最善の道を探ることが重要になります。そのためには、豊かな社会経験や幅広い知見が必要です。

経理にしても、簿記や公認会計士の資格を持っているだけでは務まりません。

これはどんな職種においても同じでしょう。

建築士や薬剤師など、仕事をするために必要不可欠なケースは別として、資格を取れば、その職業で成功し、将来が安定するわけではないのです。

しかし、逆に資格を持っていなくても、専門分野で活躍している人は大勢います。

資格を取ることが悪いわけではありませんが、勉強する時間や金銭的コストに見合った価値があるのか、慎重に検討したほうがいいでしょう。

専門性とは、現在の仕事の延長線上にあるもの

私が「専門性」と呼んでいるのは、現在の仕事の延長線上にあるものです。そうしたスキルであれば、毎日の仕事の中で磨いていけます。

経理であれば、「数字に強い」という長所を磨き、マネジメント力も高めれば、CFO(最高財務責任者)という道があります。

技術者であれば、専門技術にプラスして、幅広い知見を獲得していけば、CTO(最高技術責任者)という道があります。

営業力を磨き、「営業のプロ」としての発信力も高め、講演や著作活動で自身の価値を高めている人も多くいます。

さらに、2つの専門性を併せ持つ「Π(パイ)型人材」になれれば、あなたの市場価値は何倍にも大きくなります。

人事の分野でも「人事」と「映像」という2つの専門性を掛け合わせ、採用ビデオを作り、業績を大きく伸ばしている人もいます。

先の見えない不安定な世の中を生き抜くためには、こうしたキャリアビジョンを描いて自分自身に「安定」を持たせていくことが重要です。

自分は「何屋さん」なのかを定義すること、足りない部分を補っていくことが、その出発点となります。

自分の武器になるものは何か? どこでも通用するマネジメント力はあるのか?

まずは、この2つを意識して、専門性と総合力を併せ持った「T型人材」を目指しましょう。

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提供元:「雇用に不安を感じる人」が陥る間違った発想法|東洋経済オンライン

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