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2020.09.14

外出自粛で太った人は「代謝」を理解していない|食べた「糖質」がなぜ「脂肪」に変わるのか?


糖質がなぜ脂肪に変わるのか、体内で起こる「代謝」の仕組みを理解すれば肥満の原因もわかるかもしれません(写真:FredFroese/iStock)

糖質がなぜ脂肪に変わるのか、体内で起こる「代謝」の仕組みを理解すれば肥満の原因もわかるかもしれません(写真:FredFroese/iStock)

ステイホームやリモート・ワークが続いて、運動ができない日々が続くいま、私たちが考えなければならないのは「代謝の低下」です。内科・循環器科の専門医である池谷敏郎氏(近著に『代謝がすべて やせる・老いない・免疫力を上げる』がある)は、「『代謝』というものを理解すると、行動が変わり、体も変えることができるようになる」と言います。

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汗をかきやすい人に「代謝がいいですね」と声をかけたり、「代謝を高める」「代謝が悪い」「代謝アップ」といった言葉を耳にしたり、「代謝」という言葉は一般的にも普通に使われます。でも、代謝についてちゃんと理解している人は少ないのが現状です。

代謝とは、食べたものを処理し、有効に使い、そして効率よくためるために体内で行われる一連の化学反応のことです。この代謝をきちんと理解すると、さまざまなシチュエーションにおいて代謝をイメージすることができるようになります。

日ごろ、健康や体調、ダイエットが気になりつつも、いま一つ行動が伴わないということはありませんか。行動を変えることは容易ではありません。でも、1つひとつの行動によって体内で起こる代謝をイメージできれば、自然に行動が変わっていきます。そして、代謝を知り、代謝をつねに考える生活習慣こそが、現代人のかかえるさまざまな病気の予防や肥満の解消に役立つのです。

糖質が余ると脂肪になる

ここで代謝の一例として、「糖質の代謝」について考えてみましょう。

例えば今日、朝食としておにぎりを1つ、あるいは2つか3つ食べたとしましょう。結論から言うと、おにぎりという「炭水化物」を摂った後、エネルギーとして使われなかった分は体内で「中性脂肪」として蓄えられます。

炭水化物(糖質+食物繊維)は太る――そういうイメージをもっている人は多いと思います。最近では、炭水化物抜きダイエットや、糖質制限ダイエットが人気です。

太るとは、つまり脂肪がつくということですよね。もう少し正確に言えば、太るとは、全身の至る所にある脂肪細胞が中性脂肪をため込んで大きくなること。脂肪細胞自体が太っていくのです。さらに、脂肪細胞の数が増えるとも言われています。

でも、ちょっと考えてみてください。糖質(または炭水化物)と脂肪は別物です。

糖質がなぜ体内で中性脂肪にすり替わるのか、不思議に思いませんか。

ここで、「代謝とは何か」を理解する第1歩として、朝食に食べたおにぎりが体の中でどのように代謝されていくのか、具体的に見ていきましょう。

食べたおにぎりはどこへ消えるのか

おにぎりを食べると、まず口の中で細かくかみ砕かれ、唾液と混ざり合って飲み込まれていきます。このとき、おにぎり(ごはん)の主成分である「デンプン」は、唾液に含まれる消化酵素の「アミラーゼ」によって分解されます。

この作用は、食道を通り抜けて胃に入ってからも、胃液によって㏗(ペーハー)が下がるまで続きます。ちなみに、胃では糖質の分解酵素は分泌されません。

続いて胃の内容物が十二指腸(胃と小腸をつなぐ部分)に送られると、膵臓から膵液が分泌され、再び㏗が上昇して中和されます。膵液に含まれるアミラーゼも加わり、さらに分解が進むと、「グルコース(ブドウ糖)」が2個くっついた「マルトース」という形になります。

そして最終的に、小腸の膜で「マルターゼ」という消化酵素によって糖質の最小単位であるブドウ糖にまで分解され、小腸の表面から吸収されるのです。

このように、体内に吸収可能な形にまで分解していくことを「消化」と言います。

では、小腸から吸収されたブドウ糖はどこへ行くのかというと、腸の毛細血管から門脈(肝臓につながっている血管)を通って、まず肝臓に運ばれていきます。そして、肝臓でエネルギー源として利用されるほか、肝臓から血液中に入っていきます。

つまり、「血糖」になるのです。

ごはんやパン、甘いものといった糖質の多い食事をするとダイレクトに血糖値が上がるのは、さまざまな消化器官を通ってブドウ糖という形にまで分解されたあと、肝臓を経て血液中に入っていくからです。

そして、血液中のブドウ糖が増えると、つまり血糖値が上がると、膵臓は「インスリン」というホルモンを分泌します。インスリンは“血糖値を下げるホルモン”として知られていますよね。血糖値を一定に保つために普段から少量のインスリンが分泌されていますが、食後に血糖値が上がると追加で大量のインスリンが分泌されるのです。

このとき、インスリンはいろいろな方法を駆使して血糖値を下げています。

インスリンが出ると脂肪がたまる

1つには、インスリンは全身の細胞、とくに肝臓や筋肉に働きかけて血液中のブドウ糖を取り込むように促します。

取り込まれたブドウ糖は、エネルギー源として用いられますが、すべての血糖がすぐにエネルギーとして利用されるわけではありません。余った分は、今後必要になるときのために、「グリコーゲン」という形に変換され、肝臓や筋肉に貯蔵されます。肝臓でのグリコーゲンの合成を促すのも、インスリンです。

グリコーゲンは、「備蓄用のエネルギー」のようなものです。

血液中のブドウ糖が不足すると(血糖値が下がると)、肝臓は、備蓄していたグリコーゲンをブドウ糖に戻し、血液中に補給します。逆に血糖値が上がると、分泌されたインスリンが肝臓に働きかけて、グリコーゲンへの合成を促すとともに、グリコーゲンの分解を抑えるのです。

ただし、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして備蓄しておく量には限りがあります。いつ使われるかもわからないものを大量に備蓄しておいても仕方ありませんよね。

エネルギーとしても利用されないし、備蓄用のグリコーゲンとしてもこれ以上ためておけない――。そうなると、余ったブドウ糖はどこへ行くのかというと、中性脂肪に作り替えられて筋肉や脂肪細胞の中に蓄えられていきます。このとき、中性脂肪の合成を促進するのも、インスリンの作用なのです。

こうしたことが起こるので、必要以上に――エネルギーとして消費する分とグリコーゲンとして備蓄する分以上に――糖質を摂ると、中性脂肪が増えて太るのです。

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糖質がいつの間にか脂肪に変わるカラクリ、わかっていただけたでしょうか。

朝に食べたおにぎりが1つであれば、エネルギーとして使われる分と釣り合いが取れるでしょう。あるいは、日ごろからよく体を動かしている人であれば、消費するエネルギーが多いので、おにぎりを少し多めに食べても釣り合いが取れるかもしれません。

しかし、大して体を動かす習慣のない人が朝から2つも3つもおにぎりを食べたら、どうでしょうか。食事で摂ったブドウ糖が余って、最終的には中性脂肪として脂肪細胞の中にたまってしまい、ポッコリお腹をつくっていくことになります。

この仕組みを理解して、体の中で起こる代謝の様子がイメージできるようになれば、食べるべき量も賢明に選択できるのではないでしょうか。

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提供元:外出自粛で太った人は「代謝」を理解していない|東洋経済オンライン

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