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2020.07.17

ステイホームで増えた体重をなんとかしたい!〜スマホアプリ活用ダイエットの効果〜


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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のための外出自粛期間が明け、いざ出勤!通勤着を久しぶりに着てみると、ウエストのあたりがきつい…。ステイホーム中の生活を思い返すと、活動量が減少したにもかかわらず、テレビを見ながらついつい間食、ストレス解消に甘いもの…思いあたる節があったり、なかったり。また、自粛期間が明け、スポーツジムに通いたいけど、昨今の状況を考えると躊躇してしまう方もいますよね。
そんななか、手軽に利用できるダイエットツールとして、スマートフォン(スマホ)を活用してみるのも一案です。

スマホを活用したダイエット

たとえば現在、スマホ向けにさまざまなダイエットアプリがリリースされています。毎日の食事や体重を記録するもの、毎日の歩数に応じて観光地を巡るウォーキングラリーのようなもの、目標を達成するとポイントが加算されて商品をゲットできるもの、自分に合ったワークアウトを組み立ててくれるものなど、一言でダイエットアプリといってもさまざまなタイプのものがあります。最近では特定健診(いわゆるメタボ健診)の特定保健指導の現場でも、アプリが活用されているところもあるようです[1]。あるいはソーシャルメディアで芸能人や海外セレブのワークアウトを参考にする人もいるでしょう。実際にこのようなITを活用したダイエットにはどれくらいの効果があるのでしょうか。

ダイエットアプリの減量効果

減量と身体活動量の増加をねらったスマートフォン用アプリケーション(スマホアプリ)の効果について、世界中の論文を集めて分析した研究があるのでご紹介します[2]。この研究では、スマホアプリの使用により、体重や体格、ウエスト周囲径、身体活動量などがどの程度変化するかを評価した1,124もの研究から、最終的に条件を満たした質の高い12の研究に絞って分析をしました。

Mateo,G.F., et al.: J Med Internet Res. 2015; 17(11): e253.より筆者が一部改変し作成

Mateo,G.F., et al.: J Med Internet Res. 2015; 17(11): e253.より筆者が一部改変し作成

体重への効果

9つの研究、合計913名のデータを分析したところ、スマホアプリを使用したグループは、使用しなかったグループよりも、平均して1.04kgの体重減少が認められました。これは、統計学的にも確かな結果であり、スマホアプリが減量に役立つ可能性が示されました。

体格への効果

体格を評価するには、通常Body Mass Index:BMI(「ビー・エム・アイ」と読みます)という、体重(kg)を身長(m)の二乗で割った値を用います。8つの研究、合計1,047名のデータを分析したところ、スマホアプリを使用していないグループと比べて、スマホアプリを使用したグループのBMIは、平均して0.43少なくなりました。体重と同様にスマホアプリによるダイエット効果がありそう、という結果になりました。

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身体活動量への影響

身体活動量はスマホアプリで増えるのでしょうか。7つの研究、合計1,243名のデータを分析したところ、身体活動量は体重やBMIとは異なり、スマホアプリの使用の有無によって、統計学的に明らかな差はなく、スマホアプリの使用で身体活動量が増加するかどうかという点についてはこの研究ではわかりませんでした。
明らかなことは言えませんが、もし身体活動は増えにくいとすると、スマホアプリによるダイエットの効果は、主に食事内容が変わることによるものなのかもしれません。

ソーシャルメディアの減量効果

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健康づくりのための活動を続ける際、周りからの応援は強い味方になります。LINEやFacebook、InstagramなどのSNSを含むソーシャルメディアも強い味方ですね。ソーシャルメディアを活用した、健康づくりの取り組みはたくさんあり、その効果に関する論文を集めて分析した研究があるのでご紹介します[3]。

この研究は、ソーシャルメディアを活用して、健康行動(タバコやお酒、食事、身体活動、ライフスタイルなど)がどのように変化するかを評価した2,040もの研究のなかから、最終的に条件を満たした質の高い10研究について分析しました。その結果、9つの研究において、オンラインのヘルスケアサービスや人気のソーシャルメディア(Facebook、Twitter)の活用により、いくつかの健康行動が統計学的に明確に改善したことが報告されていました。ただし、期待したほどの大きな効果ではなく、「わずかな効果」という結論でした。ソーシャルメディアの活用は今後もさまざまな工夫ができますが、現段階では、その効果についてははっきりとした根拠が得られていない、といえるでしょう。

最後に

今回ご紹介した研究は、いずれも世界各国の研究をまとめたものであり、一つひとつのダイエットアプリやSNSそれぞれが実際にどの程度効果をもつのかはわかりません。サービスごとの効果のばらつきも大きいところでしょう。また、こういう人には効果的だけれど、こういう人には効果がないというように、人の背景によっても効果が変わる可能性もあります。スマホアプリやSNSは日々進化し続けているので、今後も積極的に科学的な効果検証が進むとよいですね。

以上のように、現代人にとってITを活用した減量作戦は現時点では概ね有効のようです。ほとんどの人がスマホを持つ時代、無理なく、楽しく続けられるダイエットアプリを探してみてはいかがでしょうか。ただし、暑い季節ですので十分な水分補給をして熱中症にはくれぐれもご注意を!

引用文献
[1]厚生労働省ホームページ:第37回保険者による健診・保険指導等に関する検討会資料(資料1−2、参考資料1)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10345.html(2020年6月17日閲覧)
[2]Mateo,G.F., et al.: J Med Internet Res. 2015; 17(11): e253.
[3]Maher,C.A., et al.: J Med Internet Res. 2014; 16(2): e40.

【プロフィール】小林由美子

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保健師、看護師、公衆衛生学修士
Public Health Consulting LLC. CEO

自治医科大学看護学部卒業、早稲田大学人間科学部卒業
東京大学大学院医学系研究科公共健康医学修了
2020年より東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学博士課程在籍

大学卒業後、東京大学医学部附属病院での臨床経験を経て、全日本空輸株式会社で産業保健師として勤務。東京大学大学院にてMPHを取得後、厚生労働省へ入省し、介護保険や医療保険等に関わる保健医療行政に従事。現在、様々な社会課題に取り組むためのプラットフォームを目指したパブリックヘルスコンサルティング合同会社を設立。大学院では産業保健や保健医療政策等のテーマを中心に研究している。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

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