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2019.02.28

他人と「比べる病」が親子にもたらす深刻な影|4つの具体的方法で"不幸の源"を絶つ


子どもを他人と比べることで、子育てが苦しくなる親がたくさんいます(写真:EKAKI/PIXTA)

子どもを他人と比べることで、子育てが苦しくなる親がたくさんいます(写真:EKAKI/PIXTA)

子育ては本来、楽しくて幸せに満ちたものであるはずです。ところが、実際は、楽しむどころか毎日苦しくてたまらないという親たちがたくさんいます。なぜそうなってしまうのでしょうか?

ひとつ大きな原因として考えられるのが、親たちの「比べる病」です。私は長年教師として数多くの親子と接してきましたが、そこで気づいたのは、親たちはみんな子どもを比べることで苦しんでいるということです。これは親ならみんなかかる一種の病気のようなもので、私は「比べる病」と呼んでいます。

ワーキングマザーMさんの場合は…

親はよくわが子をほかの子と比べます。隣近所の子と比べ、クラスの子と比べ、親戚の子と比べます。スポーツ教室に行けばそこにいる子と比べ、ピアノ教室でも比べ、学童保育でも比べます。そして、比べることで苦しくなります。なぜなら、常に「隣の芝生は青い」からです。ある子はわが子より勉強ができ、また別の子はわが子より運動ができます。さらに別の子はわが子よりテキパキ行動でき、また別の子はわが子より挨拶が上手です。

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これは、ワーキングマザーMさんから聞いた話です。彼女の小学6年生の長女・Kさんは、最近お手伝いをよくするようになりました。以前は親に言われて渋々だったのですが、最近は自ら洗濯物を取り込んでくれます。また、食後の食器洗いもよくやってくれるようになりました。それでMさんは喜んでいたのですが、ある日ママ友との会話で、その家の小学5年生の娘さんがもっと多くのお手伝いをしていることを知りました。洗濯物もただ取り込むだけでなく、ちゃんと畳んでくれるそうです。

その話を聞いてから、Mさんは急にKさんのお手伝いが物足りなく感じられるようになってしまいました。そして、次の日、Kさんに「洗濯物を取り込むだけでなく、畳んでくれてもいいのに」と嫌みを言ってしまいました。比べることで、親も子も不幸になってしまったのです。比べる前は、わが子自身の成長を喜んでいたのですが……。

親はよくきょうだい同士でも比べます。ただ比べるだけでなく、比べながら叱ってしまうことがあります。例えば、「お兄ちゃんはダメだね。妹を見習いなさい」「なんであなたはこんなこともできないの? お姉ちゃんはちゃんとできたよ」などです。

こういう言い方は子どもにとって本当に嫌なものです。親としては、「同じきょうだいなのになんでこの子はできないの?」という思いもありますし、比べて叱ることで発憤させようという意図もあります。でも、これでやる気が出る子などいません。それどころか、深刻な弊害がたくさんあります。

比べて叱られた子は「どうせ自分なんかダメだよ」と感じて、自分に自信が持てなくなります。言い換えると、自己肯定感が持てなくなるということであり、これが続けばやがては自己否定感に凝り固まってしまうことになります。

さらには、「僕はダメな子だと思われているんだ。お父さんもお母さんも僕なんかより妹のほうが好きなんだ。僕のことなんかどうでもいいんだ」と感じてしまう可能性もあります。このように親の愛情を疑う気持ち、つまり愛情不足感を持つようになってしまうと、子どもは必要以上に反抗的になってしまいます。

また、比べられた相手を恨む気持ちも出てくるので、きょうだい仲にも影響します。それが生涯にわたって続くきょうだいの不仲につながることもありえます。実際に、親の不公平のせいできょうだいの仲が悪くなった例はあちこちにあります。きょうだいの仲をよくしてあげることは、親が残す最大の財産というべきものであり、そういう意味でもきょうだいを比べて叱るのは絶対にやめるべきです。

思春期以降、兄と口をきかない事態に

30代の公務員Sさんは、まさにこれに当てはまります。彼は2人兄弟の次男として育ちました。Sさんの兄は勉強も運動もよくできて、積極的かつ社交的でリーダーシップもあり、一家の期待の星だったそうです。それに対して、弟のSさんは勉強も運動もごく普通で、性格は引っ込み思案でした。それで、何かにつけできる兄と比較され続けました。Sさんは図工が好きで成績もよかったのですが、それで褒められたことはありませんでした。

授業参観の後では、「お兄ちゃんはいっぱい発表してたよ。なんでお前は発表できないんだろうね」と言われ、運動会のときは「お兄ちゃんは一番なのに……。お前ももっと頑張らなきゃダメだよ」と言われました。万事こんな調子でしたので、Sさんは兄のことを疎ましく思うようになりました。そして、思春期以降はほとんど口をきいていないそうです。

念のために言えば、比べて褒めるのもよくありません。例えば、「お兄ちゃんはだらしがないけど、弟のあなたはしっかりしてるね」などです。こういうことを言われると、相手をさげすむ気持ちが出てくる可能性があります。あるいは、物事をより深く考えられる子なら、「自分がいない所では自分のことを悪く言われているかも」と思う子もいるでしょう。いずれにしても、兄弟を比べるのはよくないのです。

次に、親はわが子を自分が子どもの頃と比べます。私の経験ですと、とくに、生活習慣がしっかりしている人、律儀で真面目な人、整理整頓が上手な人、物事を要領よくテキパキできる人、決められたことができる人、などはこの傾向があります。というのも、これらの人たちは子どもの頃からできていたので、無意識のうちに「できて当然」と思い込んでいるからです。

それで、できないわが子を見て許せなくなってしまうのです。そして、「この子は怠けている。今のうちに直さなければ。ちゃんとしつけなければ」という使命感に燃えて、叱り続けることになります。私見では、いちばん多いのが、「生真面目な母親が、だらしのない男子を許せない」というパターンです。

いかがでしょうか? どなたも心当たりがあるのではないでしょうか? そして、これをお読みの読者の中にも、子どもの頃に比べられて嫌な思いをしたことがある人は多いのではないでしょうか? 比べることで親も子もともに不幸になります。比べることはすべての不幸の源なのです。

「一歩下がり法」も効果的

ですから、「もう比べない」と不退転の決意をしてください。比べそうになったら「比べない。比べる病、ストップ」と自分に言い聞かせましょう。そして、その子自身をよく見て、次のような方法を実行してください。

●その子自身の頑張りと成長を見つけて褒める

先ほどのMさんのところで少し触れたように、その子自身の頑張りと成長を見つけ出して褒めることが大事です。ほんのちょっとのことでも、できて当たり前と思わず、ちゃんと口に出して褒めてあげましょう。

●その子自身のよい部分を褒めて応援する

Sさんのように図工が好きならそこを褒めて、さらに深められるように応援してあげましょう。親の応援があればさらに得意になることができて、自信が持てるようになります。

●“一歩下がり法”で、現状を「ありがたい」と思い直す

「走るのが遅い」と思ったら、「走れるだけでもありがたい」と思い直してみましょう。「勉強ができない」と思ったら、「文字が読めるだけでもありがたい」と思い直してみましょう。親の欲で勝手に一歩進みすぎていたのですから、その分を一歩下がってみるのです。すると、今あることが当たり前ではなく、ありがたいことなのだということがわかります。本当は、わが子が生きてくれているだけで、ありがたいことなのです。

●リフレーミングで短所を長所に言い換える

宿題をやらなくても平気で遊ぶのは、親には「怠けもの」とか「ずるい」という短所に見えます。でも、物事を見る枠組み(フレーム)を変えれば「神経が図太い」ということです。「マイペース」は他人に左右されず自分のペースで生きられるということです。「授業で発表しない」は、物事に慎重で軽々に行動しないというです。

リフレーミングについては過去の記事(「いい子」「悪い子」すべては"親の決めつけ"だ)もご参考にしてください。

「いい子」「悪い子」すべては"親の決めつけ"だ ※外部サイトに遷移します

最後に付け加えます。「比べる病」のもたらす不幸は子育てに関わることだけではありません。「比べる病」は、私たちの人生の諸事万端における不幸の源です。今のあなたが苦しいのは「比べる病」のせいではありませんか? もしそうなら、「もう比べない」と決意して、先ほどの4つの方法を自分自身に対して実行してください。

「いや、そうではない」と言う人もいるかもしれませんが、もう一度よく振り返ってみてください。というのも、私たちは自分自身も気がつかないまま無意識のうちに比べているからです。

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【あわせて読みたい】 ※外部サイトに遷移します

キレる寸前で踏みとどまれる人の3つの習慣

「夏休み10日間」への短縮は日本を衰退させる

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提供元:他人と「比べる病」が親子にもたらす深刻な影|東洋経済オンライン

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