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2018.12.27

退職に関するサービスはまだまだ発展途上だ| 「退職代行サービス」を始めてわかったこと


退職することを直接伝えにくいことから、退職代行サービスが登場しています(写真:EKAKI / PIXTA)

退職することを直接伝えにくいことから、退職代行サービスが登場しています(写真:EKAKI / PIXTA)

11月21日配信の記事「『退職代行サービス』が続々生まれる深刻理由」で退職代行サービスに関して書いた。大きな反響を得たが、最近は退職代行サービスがメディアに取り上げられることが増えているように思う。

12月の頭にも、TBSの「サンデー・ジャポン」での、ゆきぽよ発言が、ネットで炎上していたことも記憶に新しい。また、11月28日にはNHKの「クローズアップ現代+」が退職代行を取り上げ、最初にサービスを立ち上げたEXITを取材していた。

「『退職代行サービス』が続々生まれる深刻理由」 ※外部サイトに遷移します

乱立する退職代行サービス

退職代行サービスがかなり乱立してきた様相にある。そこで各サービスの対応範囲や特徴をまとめてみた。

記事画像

各サービスの大きな違いとしては、次の3つがある。

(1).  料金

(2).  転職支援の有無

(3).  弁護士が行っているサービスか否か?

「料金」と「転職支援の有無」に関しては、その違いによるメリットがイメージしやすいと思う。しかし、「弁護士が行っているサービスか否か?」に関しては、その違いによるメリットがわかりづらいのではないだろうか?

退職代行サービスのWebサイトを見ると、「非弁リスク」について必ず言及されている。非弁リスクとは、退職代行を行う際に非弁行為を犯してしまうリスクを意味する。

非弁行為とは、弁護士法72条にこう記載されている。

(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)

第72条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

弁護士が運営していない退職代行サービスだと、必ずこの非弁行為に当たらないようにサービス範囲を次のように限定している。

・退職希望を企業に連絡するだけで退職完了するケース:対応可

・退職希望を企業に連絡した際、何らかの交渉が伴うケース:対応不可

では、どのようなケースだと「交渉」が伴うかというと、次のようなケースがある。

(1).  離職票を発行してくれない

(2). 「訴えるぞ!」と損害賠償請求をチラつかせてくる

(3).  給与支払、有給消化を拒否する

これらの場合は、どうしても交渉が必要となってしまうため、退職代行サービスでは対応に限界があると言わざるを得ない。業者によっては、退職代行の成否に関わらず、業務が発生した際に料金が発生するため、非弁リスクにより退職代行が失敗に終わっても料金は払い戻されないケースもある。

大半はすんなり退職できるが、企業が反発する例も

前回の記事でも述べたが、自社でも退職代行サービス「リスタート」を運営している。サービス開始から約2カ月が経過したが、実際に事業を始めていろいろと見えて来たことがある。退職代行を実施した場合の企業側の対応をまとめると次の通りとなる。

ケース1 すんなり退職できるパターン

大半はこのケースだ。企業側がすんなり本人の退職意思を受け入れてくれるため、ほんの数分電話しただけで退職が完了してしまう。企業からは、「急な話で驚いた」「自分の口で言ってほしかった」といった反応が返ってくる。第三者的には、ブラックな環境だと感じるような企業は少ない。

ケース2 企業が反発しても交渉にならないパターン

企業が拒否しても、退職すること自体は問題なくできる。なぜなら、民法第627条で労働者には次のような「自由に、いつでも、退職できる権利」が認められているからだ。

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

第627条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。

ここで交渉が発生してしまうと、非弁行為となってしまうため、状況(本人の退職意思は固く、すでに退職は避けられないこと)を説明し、企業には自発的に納得してもらうしかない。

パターン3 企業が反発して交渉になるパターン

このケースでは、非弁行為となってしまうため、対応が難しい。法律上は本人の退職は可能だが、その交渉に関しても本人と直接やりとりをするということになると、代行サービスでは対応できなくなってしまう。

弁護士が行っていないサービスだと、退職代行できる範囲にも限界がある。ただ、弁護士に依頼すると料金はやはり高額になりやすく、できることなら自分で退職した方がお金もかからず、メリットはあると感じた。そこで自分で退職をスムーズに進めるために役立つ方法をいくつか紹介したい。退職代行を利用する程ではないと思っている方は、まずはこの方法を検討してほしい。

方法その1 内容証明郵便で退職届を出す

内容証明郵便とは、いつ、どんな文章を誰宛に差し出したかということを、郵便局が証明する制度。この内容証明郵便であれば、企業に提出した退職届の内容と届けを出した日付が公的に証明されるため、確実に「退職届を提出したという事実」を作ることができる。退職届けの作成例は下記の通りだ。

※退職届の作成例

退職届
◯◯株式会社(代表取締役名) 御中
このたび一身上の都合により平成◯年◯月◯日付けで退職することとしましたので、本日、貴社との労働契約の解約を申し入れます。
××××年×月×日
氏名 ◯◯◯◯ (印鑑)

原本とそれを複製した謄本を郵便局に提出すれば、原本は会社に送付され、謄本は郵便局で管理してくれる。

方法その2 有給休暇取得申請をする(有給が残っている場合)

また、退職が決まっても有給休暇(有休)が残っている場合であれば、同様に内容証明で有休取得申請を送り、有給を取得して退職日まで会社に出社しないという方法もある。

※有給取得申請の作成例

有給休暇申請書
株式会社◯◯ 御中
申請日 平成◯年◯月◯日
所属部署 ◯◯
氏名 ◯◯◯◯ 印
下記日時を有給休暇として申請いたしますので、よろしくお願いします。
平成◯年◯月◯日(会社にいかなくなる初日の日付)〜平成◯年◯月◯日(退職日)

当然、有休が残っていなければ、この方法は取れない。事前にどの程度有休が残っているのか、確認しておきたい。半年以上勤務し、全労働日の8割以上勤務していれば、アルバイトや派遣社員でも有休が与えられる。

就職、転職に比べ「退職」サービスは発展途上

特に20代は、退職に関する法的知識やノウハウをあまり知らないことで、辞めたくてもうまく辞められないというケースが多い。そのため、こうしたサービスへのニーズがあるようにも思える。

ただ、盛り上がってきたとはいえ、「就職」「転職」に比べて、「退職」に関するサービスはまだまだ整備されていないと感じる。

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「就職四季報」特設サイトはこちら ※外部サイトに遷移します

転職が増え、副業も解禁されることで労働市場の流動化は今後も進むだろう。そうなると、「職に就く」ことだけでなく、「職を離れる」ことに関しても、サービスが充実していくことが重要になる。

弊社では「リスタート」のサービスを、12月から退職代行から転職サポートを主軸とする退職支援に変更した。サービスを運営していく中で、退職方法や退職に関する法的知識があれば、自分自身で退職できる利用者が多いという実情がわかったからだ。今後は退職に関するノウハウ、法的知識の情報公開、適切な退職代行サービスの紹介を行っていく。

このような転職サポートと連動させた退職支援を行う民間サービスがもっと出てくるかもしれない。また、労働基準監督署やハローワークが公的サービスとして、退職相談の窓口を開設する可能性がないわけではない。

退職代行を利用するユーザーの目的(代わりに企業に退職意思を伝えてもらいたい)を考えると、退職代行サービス自体はなくならないと考えている。ハラスメントが常態化しているブラック企業においては、それほどまでに「自分で辞める」ことが難しいのだ。

当然だが、仕事よりも自分の人生の方が大事だ。もし、今の会社で自分の精神が蝕まれているのであれば、退職を考えてみてもいいのではないだろうか? 自分がそう思い込んでいるだけで、会社は意外と簡単に辞められるのだ。

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【あわせて読みたい】 ※外部サイトに遷移します

「退職代行サービス」が続々生まれる深刻理由

「新入社員がすぐ辞めていく会社」の4大特徴

「給料が高くて新卒が辞めない会社」TOP200

提供元:退職に関するサービスはまだまだ発展途上だ|東洋経済オンライン

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