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2018.12.14

英語で「OK」をよく使う人が知らない真の意味|全然「オーケー」じゃない場合もある


こんなポーズまでしたのに全然オーケーじゃないない場合も(写真:Graphs/PIXTA)

こんなポーズまでしたのに全然オーケーじゃないない場合も(写真:Graphs/PIXTA)

皆さんこんにちは、デビット・ベネットです。2018年5月から、レノボ・ジャパンの社長を務めています。カナダ出身(国籍がカナダ)ですが、実は、生まれはジャマイカで、高校のとき交換留学生で日本に来たという多国籍なバックグラウンドを持っています。

連載の一覧はこちら(今回が初回です)

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高校時代に留学したことで、日本に興味を持つようになりました。なぜ信号は緑なのに青信号と言うの? ウサギはなぜ1羽と数えるの?? 厚切りジェイソンさんのネタのようなことが、いつも気になっていました。そして日本語をもっと知りたくなって、早稲田大学や学習院女子大学の大学院で学び、日本の古典文学を勉強してきました。我ながら変わった経歴の持ち主だと思っています。

この連載では、日本でのビジネスや生活を通じて、私が気になった英語や日本語の使い方について紹介していきたいと思います。今回は、外資系企業で働く英語ネイティブの私が、ビジネスでは日本語を使う理由をお伝えしたいと思います。

できるだけ日本語を使うようにしている

さて、私が働くIT業界は海外とのコミュニケーションが多く、弊社の社員もお客さまにも流暢な英語を話す日本人がたくさんいます。一方、外資系のIT企業の外国人幹部の中には、通訳を通して日本人とコミュニケーションする人が多いようです。「英語と英語」あるいは「英語と日本語(通訳付き)」。意思疎通としてはこれで十分のように思えるかもしれませんが、私はできるかぎり日本語で話し、日本語で聞くように心がけています。

たとえば、打ち合わせが終わったとき「どうもお疲れさまでしたー!」とお互いに言い合うことが、日本のビジネスではよくあります。この一言からまず、打ち合わせが相手にとってよい結果だったという雰囲気を感じることができます。また、実際に長くて大変な会議であった場合、互いをねぎらう気持ちにもなります。いったん気持ちをリフレッシュして引き続き頑張りましょう、という気持ちが込められている場合もあるでしょう。

英語には「お疲れさまでした」を直接置き換える表現はありません。むろん「You must be tired」ではありません。これでは「あなたなんだか疲れてませんか?」と全然違う意味になってしまいます。英語でTiredというのはいずれの場面でもかなりネガティブな響きです。

ポジティブに言うのであれば、「It was a nice meeting(いい会議でしたね)」があるかもしれません。しかし、それでも日本語で「お疲れさまでしたー」と言われたときに日本人が感じ取るものとは、なにかが微妙に違うと感じています。

こうしたことから、私は相手がかなり英語の上手な日本人でも、日本語のニュアンスを伝えたいときには日本語を用いるようにしています。

もう1つ、ちょっと気をつけたい表現の例があります。日本語で「大変興味深いお話ですね」と返すことがありますが、これはこちらが前向きな場合もありますが、時としてあまり関心がない場合にも使われます。ニッコリ笑って「大変興味深いお話ではありますが……」と続く場合ですね。

日本語をわかっている同士ならば「ああ、この方は丁寧に断ってきているのだな」とわかります。よく英語はYes/Noがはっきりしている、と言う人がいますが、実は英語にも結構日本語のように微妙なニュアンスの言い方があります。

OKは必ずしもポジティブな意味ではない

たとえば、ビジネスで外国人が何か提案をしてきたとしましょう。あなたは内心「この提案は受けられないな……」と思っていますが、相手との関係もありむげに断れない。このとき、とりあえず相手の気分を害さないように「Good idea」と言うのと、「Interesting idea」と言うのではかなり意味が違います。

前者はかなり前向きなトーンが含まれていて、こう言われると相手としては、「やった!了解してくれた!」と思っている可能性があります。一方Interestingは先に言った「大変興味深いお話ですね」とほぼ同じで、Interesting(興味深い)という意味の割には興味のあるなしをあまり強く表現していません。

なんとなくはぐらかしたいようなとき、場合によっては少し批判的な意見があるときにInterestingを使います。海外との交渉は一度誤解が生じると信頼関係にキズが付き、関係修復にはさらに時間がかかることが多いです。「Good idea」を使うときは十分に注意したいですね。

もう1つ、よく勘違いされるのが「OK」です。

たとえば英語で「明日は駅で待ち合わせしよう」「OK」という会話を交わした場合、このOKの意味は私たちが日本語で使っているOKとまったく同じ意味です。

しかし、「あそこのレストラン味はどうなの?」「OKだよ」という場合、「かろうじて合格点だ」というニュアンスになってしまいます。レストランの味ならまだいいですが、これがたとえば誰かの仕事ぶりを聞いている場合など、「仕事がよくできる」ではなく、「なんとかできている」という評価をしてしまったりすると、思わぬ問題に発展しかねません。

誰もが日常気軽に使うOKですが、結構気をつけたい言葉なのです。英語にはGood、Very Good、Great、Excellentなど、何かをほめる場合の語彙が豊富です。ではどのくらいからがExcellentでどのくらいがGoodなのか、正直これは英語圏の中で長く生活していないとわからない感覚ではないかと思います。

もう1つ、「How are you?」というあいさつについて。日本の学校では「How are you?」に対しては「I’m fine, thank you」と回答するように教えられます。実際「How are you?」はほぼ毎日使われるフレーズです。

しかしその返しはと言うと「I’m fine」はダメではありませんがあまり使っていない、ちょっとお堅い印象です。「I’m good!」「Pretty good」という返しが一般的な気がします。なお、まれにですがHow are youは文字通り「あなたはどういう具合ですか?」に使われることもあります。

その国で住んでいないと身に染みない言葉がある

これはジョークにもなっているエピソードですが、交通事故を起こした相手が駆け寄ってきて「How are you?」つまり「大丈夫ですか?」と聞いていたのに対し、「I’m fine, thank you」と返したとか。このエピソードが事実か創作なのかはわかりませんが、テンプレート的に会話を丸暗記していると陥るミスの例としては覚えておきたいですね。

日本語は逆に1つの単語にいろいろな意味を持たせる場合があるように感じます。たとえば私の好きな古典では「あはれ」という言葉が非常に多く出てきます。現代語の「哀れ=かわいそうだと思う心」という意味以外にも、たくさんの意味があることはご存じの通りです。

ですが、「あはれ」という言葉が持っている雰囲気というものは、おそらく長く日本で生活をしていないと、辞書を読んだだけでは理解されないと思いますし、これを英語に置き換えてもその微妙なニュアンスまでは伝わらないのと同じことです。

私は幸い、英語圏に生まれて、その後日本語に親しむ機会に恵まれましたので、2つの言語と2つの生活圏を比較的深く理解できているほうではないかと思います。ここまで書いてきたように、辞書や翻訳では埋めきれない「ギャップ」も多く感じてきたからこそ、自分がその橋渡し役になれれば、と思うようになりました。

これからの時代、人工知能が発達し、通訳も翻訳もどんどん便利になることが予想されます。しかし、こうした文化のギャップを相互に理解することは、今後ますます重要になるのではないでしょうか。

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提供元:英語で「OK」をよく使う人が知らない真の意味|東洋経済オンライン

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