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2018.08.22

片づけがヘタな人ほど企画書が通らないワケ|「徹底した読者目線」が相手の心をつかむ


相手に1秒で伝わる企画書を作るコツとは?(写真:Cameravit/iStock)

相手に1秒で伝わる企画書を作るコツとは?(写真:Cameravit/iStock)

主にビジネス書作家のデビューを支援するフリーの出版プロデューサーである亀谷敏朗氏による連載「伝わる文章術」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

「アルファポリス」 ※外部サイトに遷移します

世の経営者はとにかく忙しいものです。社長や役員が、企画書や提案書に注意を向ける時間は数秒くらいでしょう。企画書や提案書は、その短い間に社長や役員の心をつかまなければなりません。

広告はキャッチコピー1行で勝負が決まるといいます。企画書も同じです。前回の「ダメな企画書を作る人に足りない視点と習慣」では、エグゼクティブ・サマリー(事業計画書の要約として、短時間でビジネスプランの要点をまとめたもの)について触れました。

前回:「ダメな企画書を作る人に足りない視点と習慣」 ※外部サイトに遷移します

企画の成否は、エグゼクティブ・サマリーのでき具合によるところが大きい、という話をしたわけですが、実はエグゼクティブ・サマリーでも一番大事なのは「ヘッドライン」であると主張する人もいます。こうした主張は、特に外資系企業の人に多いようです。

ヘッドラインとは、書籍でいえばタイトル、新聞や雑誌記事でいえば見出しに当たります。

よいヘッドラインの条件とは、企画や提案の内容がヘッドラインの1行(ワンフレーズ)に的確に示されていることです。つまり、このヘッドラインを読む1秒間で相手に伝わる情報が、最も重要なのです。この部分だけで何の企画であるかが把握できたなら、その企画案は一歩実現に近づくということになります。

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

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頭の中をワンフレーズで整理するには

しかし実際には、長年温めている企画といえども、1秒で相手に伝わるワンフレーズにまとめることはそう簡単ではありません。そのためには頭の中にあることを整理整頓して、過剰なもの、不要なものを思い切って捨てることが肝心なのですが、企画のよさをアピールしようと思うと、つい、いろいろなことを盛り込みたくなります。

本稿のテーマを例にとって述べましょう。今回のテーマでもあれこれと突っ込んでしまうと、こんな風なワンフレーズとなります。

「忙しい経営者が短時間で理解できるように、企画の意図と内容をヘッドラインのワンフレーズでまとめる方法」

これではとうていワンフレーズとは言い難いですね。上記の内容を短く整理すれば、「1秒で読める企画書のつくり方」、もしくは「企画書は1行で」となります。これでも言いたいことのイメージは、つかんでもらえるのではないかと思っています。

言いたいことをすべて書いてはいけない

ヘッドラインに与えられた制限時間は数秒ですから、フレーズは長くなればなるほど不利となります。したがって過剰なもの、不要なものを捨てることが基本です。ところが、多くの人はなぜかその正反対の行動をとりたがります。

その理由はよい点をアピールしようと盛り付けを増やすからですが、その文案をよく吟味すると、結局、同じことを別の言葉で表現しているにすぎない箇所が多いことに気づくものです。いわば頭の中の整理整頓が不十分なまま、文案づくりにとりかかっていることが長文化を招いていると言えます。

たとえば耐久消費財、つまり高額の商品(土地、住宅、金融商品など)を販売する会社で、商品の展示会を開催して、見込み客のクロージングを一気に進め、同時に新規顧客を獲得するためのイベントを企画するとします。これだけの企画でも、頭の中にあることをすべて書き込もうとすると長々としたものとなってしまいます。

初期段階の企画書のヘッドラインとしてはこうなりました。

<文例A>

いままで平均1年を要していた見込み客の契約までのプロセスを一気に縮めるために、見込み客を1箇所に集めた自社オリジナルの商品展示会を開催し、契約締結を促進させるとともに、有望な新規顧客の発掘を行う企画案

これでは、1秒のワンフレーズどころか、ヘッドラインとしてはあまりに長すぎて、半分ほど読んだところで関心が他所に行ってしまいかねません。頭の中を整理するには「あれもこれも」をやめて、できるだけ余計なものを捨てることです。肝心なことは、ねらいを1つに絞り込むことにあります。ここでのねらいは、見込み客の契約成立を促進することですから、ついでの「有望な新規顧客開拓」は捨てることにします。

次に商品展示会は、もとより人が集まることが前提ですから、文中の「見込み客を1箇所に集めた」はなくても不都合ありません。

そうやって整理するとこうなります。

<文例B>

いままで平均1年を要していた見込み客の契約までのプロセスを一気に縮めるために、自社オリジナルの商品展示会を開催し、契約締結を促進させる企画案

これでも、まだ頭が重いですね。そこで、すこし観点を変えてみます。成約まで1年かかっていた契約交渉を短くするということは、年間の成約件数が増えることですから、表現を数値にスイッチしてみます。

するとこうなります。

<文例C>

見込み客の年間成約率を5割上げるための自社オリジナル商品展示会企画

これでほぼ元の3分の1になり、だいぶ整理されたヘッドラインになりました。

最後の決め手は読者目線

表現方法のコツは、内容がイメージできることにあります。経営者にとっての強い関心は会社の業績です。業績というのは数字ですから、改善の結果は数字で表したほうがより強く経営者の関心を引くことができるということになります。そこで数字を使ったアピールが経営者に対しては効果的なのです。

したがって「見込み客の契約までのプロセスを一気に縮める」という、勢いはあるものの具体性に乏しい表現よりも、同じことを意味するのであれば「見込み客の年間成約率を5割上げる」と表現したほうが経営者にはビビッドに響くということになります。

「数値化できることは実行できる」という格言もあるくらいですから、企画書のヘッドラインも、こうした読み手の心理を理解したうえでつくることが大切です。ただしアピール度を上げるために、むやみに大きな数字を示せばよいというものではありません。5割が目標数値なのか、予測値なのかはともかく、妥当性のある数値であることは大前提です。たとえ迫力に欠けたとしても、算出値が5%であれば「5%上げる」としなければなりません。

いかに企画書のヘッドラインではイメージを伝えることが重要といっても、日本のビジネスシーンでは奇をてらったものよりもオーソドックスなもののほうが好まれるところがあります。企画書もその例外ではありません。

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提供元:片づけがヘタな人ほど企画書が通らないワケ|東洋経済オンライン

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