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2018.07.27

防災セットの中身を充実させるコツを防災士に聞いてみた


災害に備えて知っておくべき4箇条

自然災害大国、日本。2018年も6月に大阪北部地震で震度6を超える地震が発生、7月には過去最大規模の豪雨が西日本を襲い、緊急時の備えがより一層必要となっている。しかし、「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉にあるとおり、日ごろからの災害対策の重要性は認識していても、実際は対策しきれていないという人も少なくないだろう。

そこで今回は、社会のさまざまな場で減災と社会の防災力向上のための活動を行っている「防災士」の資格を持つ平山優子さんに、災害時に役立つ防災セットの中身を充実させるコツをお聞きした。減災の基本は「事前の備え」。急な災害に見舞われたときの手助けとなるアイテムの揃え方などを紹介していこう。

屋外で災害に遭遇した際の対処法

屋外で災害に遭遇した際の対処法

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外出時、避難時、自宅避難時の3つの状況に備える

防災や減災にあたり、「災害は自分にも起きる可能性がある身近なもの」と認識しておくことが何よりも重要だと平山さんは話す。有事の際に焦ることなく迅速に対応できるよう、事前に知っておくべきポイントをチェックしておこう。

(1)ハザードマップを確認しておく

災害は、地震・風水害・土砂災害・火災などさまざまあり、その被害は地域の環境によっても異なる。発災時、人は「外出している」か「自宅にいる」かのどちらかだ。職場や居住エリアで具体的にどのような被害が想定されているのか、市区町村が公表している各種ハザードマップや地区別防災カルテなどで確認できる。あらかじめ自宅と職場周辺の危険度レベルをチェックして意識を高めておこう。

(2)日ごろから急場しのぎ用の備えを携帯する

仕事をしている人は外出時に被災し、帰宅困難者になる可能性もあるため、家にたどり着くまでをしのぐ急場の備え(防災ポーチ)が必要となる。これらは普段から持ち歩くか一時的に職場に置いておくことになるため、常に携帯できるものに限定して重量を軽くしておこう。

(3)避難生活を見越し、非常用持ち出し袋を用意

災害によって自宅で生活できない場合や、自宅周辺に災害が及ぶ可能性がある場合は、一時集合場所に避難する公算が大きい。そのときに持って逃げるものが非常用持ち出し袋(防災リュック)だ。そのためには、日頃から非常用持ち出し袋の準備が必要不可決であり、避難所で数日間生活することを前提とした備えを考えよう。

(4)自宅で生活をするための備えをストックする

被災したものの、自宅で生活できるのであれば、自宅が一番安全で安心な避難所である。そのため、まず自宅で命を落とさない備え(住宅の耐震、家具・家電の固定、ガラスの飛散など)をしたうえで、ライフラインが途絶えても自宅で生活をするための備え(生活の備蓄品)が必要である。

つまり、防災セットとは大きく分けて以下の3点となる。

■外出時の備えとしていつも携帯する「防災ポーチ」

■避難時の備えとして持ち出す「非常用持ち出し袋(防災リュック)」

■自宅の安全対策をしたうえでの、ストックしておく「備蓄品」

生き残るグッズと生き延びるグッズを用意せよ

それでは、3つの防災セットにどのようなアイテムを入れるべきか考えていこう。災害が起こったとき、まず考えなければならないのは直接的な災害や二次災害から身を守り、「生き残る」こと。そして生き残ることができたら、次は日常生活を取り戻すまで「生き延びる」こと。この2つを考えて中身を選びたい。

例えば平山さんが用意しているものは、次のようなセットになる。

防災ポーチ

1.自分を守る「もしもポーチ」に入れるもの

ペットボトル水500ml、モバイルバッテリー、生理用品、マスク、心の支え(チョコや個包装のクッキーなど、自分が少しでも元気になれるもの)

2.いつもバッグに入れているもの(参考)

財布、絆創膏、スマートフォン、タオルハンカチ、ティッシュ、化粧品、交通系ICカード(ホイッスル&ライトつき)、目薬、歯ブラシセット、手帳と筆記用具、汗取りシート(夏のみ)

上記の1と2は仕事先で被災し、翌日に歩いて自宅に帰ると想定した備えだ。もし遠方へ登山に行く場合はもっと多くの用意をせねばならないだろう。防災ポーチの中身は、その個人の日常生活に必要なものと医薬品、そして緊急対応時に不可欠なものだ。

この中で特に注目してほしいのは「心の支え」。平山さんにとってはお菓子だが、被災して動揺しているときに「心を落ち着けられるもの」や「少しでもがんばる気力をだせるもの」を入れておくと、いざというときの励みになってくれるという。小さな子どもがいる場合は、普段からよく遊んでいるおもちゃなどを入れておくのもいいだろう。

非常用持ち出し袋(防災リュック)

生活を続けるために必要なもの

メガネ、コンタクトレンズ、補聴器、お薬手帳、医薬品(例: 治療薬、抗ヒスタミン薬、アナフィラキシー補助治療剤、ステロイド外用薬、ストーマ袋など)

避難するために必要なもの

懐中電灯(ヘッドライト)、防災ずきん、軍手、ヘルメット、携帯ラジオ、雨具(防水透湿)、ホイッスル

平山さんの防災リュックの中身。防災リュックは自宅の玄関に置いてあるという

平山さんの防災リュックの中身。防災リュックは自宅の玄関に置いてあるという

当面の避難生活に必要なもの

水、携帯食品、着替え、タオル(特にてぬぐい)、衛生用品、エマージェンシーブラケット

貴重品

現金、貯金通帳、印鑑、家族写真、連絡先リスト

自分や家族に合わせて用意する必要があるもの

アレルギー用食品、生理用品、哺乳瓶、おむつ、入れ歯、ペット用品

てぬぐいはさまざまなシーンで役立つ万能アイテムだという

てぬぐいはさまざまなシーンで役立つ万能アイテムだという

非常用持ち出し袋は、一時避難場所での一時生活を想定して用意しなくてはならない。ある程度は市販の防災セットのような商品でまとめて揃えることができるが、自分や家族に合わせて用意する必要がある。

また、避難に時間を要する高齢者や障害者、妊産婦、乳幼児、その家族や支援者は、特に事前にしっかりと準備をしておきたい。自宅で被災した場合は、この非常用持ち出し袋と防災ポーチを持って安全な場所へ避難しよう。

備蓄品

日常使いとして常にキープしておくもの

・食品類(水、無洗米、乾麺、缶詰、レトルト食品、飲料、野菜ジュース、チーズやかまぼこ、お菓子類、栄養補助食品、調味料、常備薬)
・生活用品(ビニール袋、救急箱、ラップフィルム、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ウェットティッシュ、使い捨てコンタクトレンズ、使い捨てカイロ、点火棒)
・女性用品(生理用品)
・乳幼児用品(粉ミルク、離乳食、おしりふき、おむつ)
・高齢者用品(高齢者用食品、常備薬<処方箋>、補聴器用電池、入れ歯洗浄剤)

災害に備えて準備し、定期的に使用確認などを行うもの

・カセットコンロ
・カセットガスボンベ、
・携帯電話等の予備バッテリー
・簡易トイレ(複数回使用分)
・懐中電灯
・乾電池
・充電式などのラジオ
・使い捨て手袋

備蓄品は、日常生活の中で消費・使用しながら備えておく。特に食料や飲料水は消費期限が迫ってきたものを使い切り、消費した分だけまた新たに補充するという「ローリングストック法」を心がけると無駄がなくお勧めだ。

温かい食事とトイレ対策の重要性を知る

大規模災害時には上下水道の破損や電気、ガスが使えないといった状況が想定される。そこで平山さんが特に備えておいてほしいという対策が2つある。

1つ目は「食事」。家にある食材(冷蔵庫も含めて)の中で、傷みやすいものから使っていこう。そこでカセットコンロやカセットボンベ、非常用炊出袋を備えてほしい。非常用炊出袋にお米と少量のお水を入れ、沸騰したお湯でゆでるとご飯が炊ける。おかずやデザートもこの袋でできる。いつも食べ慣れている食材を災害時にも食べる工夫である。

この非常用炊出袋は高密度ポリエチレンで作られており、熱に強く、水を通さないという特徴がある。水を通さないため、お鍋の中の水は飲めない水(お風呂のため水など)が使えるので、貴重な水の消費を抑えることが可能。使い終わった水は決して排水せずに、そのまま再利用しよう。

また、主食とおかずが一緒に調理できるところもおすすめだ。人は体温が1度下がると免疫力が30%落ちると言われている。食事もなるべく温かくしたい。特に非常時には温かい食事が何よりも心の支えとなるので、ぜひ用意しておいてほしい。

2つ目は「携帯トイレ(凝固剤)」。災害時には、普段は当たり前のように使っているトイレが使えないケースがある。水が流れないという状況だけでなく、配管などの破損により水漏れが起こるといった被害も想定されるからだ。こういった事態に備え、災害発生から1週間程度はしのげる携帯トイレを家族の人数分を用意しておこう。

用意しておく携帯トイレの目安(出典:埼玉県イツモ防災「災害時のトイレ」より)

用意しておく携帯トイレの目安(出典:埼玉県イツモ防災「災害時のトイレ」より)

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災害をイメージして自分のセットを考えよう

平山さんは最後に、防災グッズの選び方のコツを次のように説明してくれた。

「災害が起こったとき、あなたの周りはどのような状況になるでしょう。その状況をイメージして防災グッズを備えましょう。何のために、誰のために? そこを理解したうえで準備することが大切です」

実際に災害が起こったときに必要となるものは個人で異なる。最近では各種グッズがセットになった防災リュックも市販されているが、「防災リュックを買えば解決」と思ってしまうと、現場思考が生まれなくなってしまう。セットを基準として、「季節ごとに衣類の入れ替えをする」「体調によって薬を変える」「成長によって必要とする物を変える」といった具合に、年に2回は中身を抜いたり追加したりして、自分と家族を守る防災セットを準備してみよう。

「そして覚えておいていただきたいのが、リュックは必ず一人1つということです。夫婦で1つ、家族で1つではなく、個人単位で用意してそれぞれが自分で自分のリュックを持ちます。そして、災害時にそこにいない人の分は置いていく。自分の分だけを背負って逃げてください」

自分や家族の生活に合わせた防災セットを

今回具体的に紹介した防災グッズは、あくまで平山さんに合ったセレクトであり、防災グッズの揃え方の一例に過ぎない。大切なのは、自分が災害に遭ったときにどのような状況に置かれるかをイメージし、そのうえで自分にとっての最適解となるものを備えておくことだ。

非常時を想定すれば、防災セットを無駄なく揃えることができるだけでなく、有事にどのように行動するかを見つめ直すこともできるはず。日々の生活の中で災害について考えることで、自分なりの防災セットを揃えてほしい。

監修者プロフィール: 平山優子(ひらやま ゆうこ)

NPO法人 日本防災士会 千葉県北部支部 副支部長のほか、公益社団法人 SL災害ボランティアネットワーク 船橋SLネットワーク 理事などを務める。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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提供元:防災セットの中身を充実させるコツを防災士に聞いてみた│マイナビニュース

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