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2018.05.23

「4色マーカー」で文章がメキメキ上手くなる|「具体」と「抽象」、「主観」と「客観」の分類が鍵


わかりやすく、かつ興味深い文章を書くにはどうすればいいのでしょうか(写真:iStock / dub303)

わかりやすく、かつ興味深い文章を書くにはどうすればいいのでしょうか(写真:iStock / dub303)

事実や解釈の書き方は実は複数ある

みなさんは、文章を書くのは得意ですか? 私はさまざまな企業で、文章の研修を行っていますが、多くは経営者や管理職の方から「部下から上がってきた報告書の文章が理解できないので、何とかしてほしい」というご依頼がきっかけです。事前にどのような文章なのかを拝見すると大体3パターンくらいに分けられます。

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①ひたすら事実が羅列してある

いつどこで誰が何を言った……など、あったことが時系列でひたすら書かれている文章です。確かにそういう事実はあったのでしょうが、読んだ方が「それで何が言いたいわけ?」となりがちです。これでは報告文書ではなく活動記録のようなもので、読む人にも負担がかかります。具体的な事実を解釈して抽象化して伝えることが改善ポイントです。

②解釈が主観なのか客観なのかが不明

具体的な事実を抽象化し、解釈して書いているだけ①よりはましですが、客観的な解釈として妥当なものなのか、個人的主観なのかが区別しにくいのも理解しにくい文章です。個人的な解釈を書いてはいけないわけではなく、独自の解釈や思いを述べる場合には、個人的見解であることがわかるように書き分けないと、読む人が混乱しがちです。

③抽象化しすぎて一般論になり、意味が見いだせない

これは解釈を抽象化しすぎてしまい、あまりにも一般論すぎたり、ありきたりな表現になっていて文章の意味がなくなってしまっているケースです。たとえば「営業において大切なのは顧客ニーズを把握することである」と書かれていても、「そりゃそうだよね」と思われるだけであまり説得力を感じないでしょう。具体的な事実で補足したり、抽象化を一段下げてより真意が伝わる表現をする必要があります。

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「4つの象限」でチェックしてみよう

このようなパターンに陥らないためには、図のような4つの象限を意識して文章を書くとよいでしょう。図の縦軸は抽象的か具体的か、横軸は客観的か主観的かで4つに分けています。

よくあるNGパターンとしては、①と③の事実の列挙にとどまっていたり、逆に②と④の抽象化に寄りすぎて意味が伝わりにくかったり、左右、つまり主観と客観がごちゃまぜになりわかりにくくなっている、などがあります。

逆にわかりやすい文章の特徴としては、事実だけでなく、それを抽象化した解釈や結論が書かれていることです。また面白い文章の特徴としては、一般論に終始せずに書き手の個人的な経験や独自性のある解釈や主張があることです。

私はビジネス書や記事の執筆・寄稿で文章を書きますが、この4つのバランスを心がけています。以前は個人的なエピソードなどはあまり書かないほうでしたが、書いたときのほうが圧倒的に反応がいいのです。

読み手は一般論を期待しているのではなく、書き手が何を見てどう考えたのかを読みたいと思っています。ただし、個人的な出来事や見方ばかりでは独りよがりな文章になってしまうので、客観的な事実や情報も立脚点として必要です。つまりこの4つの象限を意識し、自在に行き来できるようになると、わかりやすく、かつ興味深い文章が書けるというわけです。

ではこの4象限を自在に行き来する際のコツをご紹介します。

1. 客観的事実・情報をしっかりと集める

まずは左下①一般的な事実・情報をしっかりと集めることが出発点です。プロのライターの方々も取材がしっかりしていなければ書くことはできないと口をそろえておっしゃっています。

ある研修の演習で「まずは箇条書きでよいので情報を書き出してください」と指示したところ、参加者の方から「何も書けません」という声が上がりましたが、これは文章を書こうと思って対象を見ていないのが原因です。

たとえば、営業として企業を訪問して訪問レポートを書くことが決まっているのであれば、商談中に意識して材料を集めましょう。そのために予め自分の中で仮説を立てておきます。仮説とは「顧客企業の現状は○○ではないか?」「担当者の真のニーズは○○ではないか?」「検討はどの段階まで進んでいるのか?」など、訪問前に検証したいことを書き出しておくのです。これが準備されていれば商談の中で書くべき情報をしっかりと集めることができるでしょう。

また、これらをメモとして残しておきます。会話から得られた情報はもちろん、実際に目にしたことなども含みます。現場の雰囲気や担当者の顔色など、そこに足を運ばなければ得られない情報がたくさんあります。これらは右下の②、独自の事実や情報になります。

あらかじめ仮説を立て検証して得られた情報や、現場でしか得られない独自の情報は文章の価値をあげる材料です。これがなければ、たとえ文章を書くプロであっても、白紙を前にして途方にくれてしまいます。まずは図の下部分、事実や情報をしっかりと集める取材力を身に付けましょう。

ポイントは抽象化しすぎないこと

2. 具体から抽象への壁をこえる

具体的事実をそのまま書くだけでは、読み手に負担がかかりますので、抽象化した解釈や主張を考えるのが次のステップです。ポイントは抽象化しすぎないことです。抽象化しすぎてしまうと「そりゃそうだろ」以外の反応が得られにくい、文章として読み手に価値のないものになってしまいます。

たとえばある研修の受講レポートに「仕事の目的を意識することが重要だと思った」と書いてあるのを読んだとしたら、「そりゃそうに決まってる」と感じるのではないでしょうか。これは抽象化しすぎてしまっていますので、少し抽象度を落とす必要があります。たとえば「仕事の目的を紙などに明文化して、つねに関係者の目に入るようにして意識できるようにすべきだと思った」のほうが何が重要なのかが伝わりやすく、抽象度としてはよいでしょう。

抽象度を適切にすることは難しいことではありますが、文章をわかりやすくするうえで重要なポイントになるため、抽象度の例をもう少しあげてみます。例として「1000円カットという散髪だけの理髪サービスが繁盛している」という情報があったとして、この現象を解釈する文章を書くとした際に抽象度を変えて書いてみます。

例①:現代はデフレの時代であり、さまざまな領域で価格破壊が起きている。
例②:顧客ターゲットを明確にすることでビジネスは成功する。
例③:コアの価値に特化し、区切りの良い価格設定で値頃感を出した成功事例である。

① や②は、抽象度が高すぎ、他にも当てはまることが多く一般論になってしまっています。1000円カットの情報から抽象化すべきことは、サービスと価格です。このポイントに対して適切な抽象度で表現すると読み手も示唆として認識できます。「価格破壊」、「顧客の明確化」というざっくりした解釈では、読み手に「そりゃそうに決まっているだろ」とそっぽを向かれてしまうリスクが高いのです。

3. 抽象から具体を示す

主張したい内容の抽象度が高い場合には、具体的な事実や情報でそれをしっかりと支える必要があります。

たとえば「整理整頓で生産性を向上させるべきである」という主張は、抽象度が高く「そりゃそうだよね」とあまり深く重要性を認識してもらうことが難しいですね。こういったある意味誰もが反論しないような抽象的な主張の場合には、具体的な事実でしっかりと補強します。具体的にする際にはWhy-What-Howという3つの観点で考えるとよいでしょう。

Whyは理由の具体化

まず、Whyは「なぜ重要なのか?」という理由の具体化です。たとえば「整理整頓を徹底したA社は利益を5%アップすることに成功した」という客観的な事実や、「私はそれまで整理整頓とはかけ離れた状態で仕事をしていたが、整理整頓を実行したところ、定時に帰れるようになっただけでなく、立て続けに大きな案件を受注した」など個人的な理由でもよいでしょう。読み手がそれほどまでに重要なのかと認識を覆されるような理由を書きます。

次に、Whatは「それはどういうものなのか?」という主張そのものの具体化です。整理整頓と言っても人によって抱くイメージはさまざまですから、この提案で目指す整理整頓とはどんなものなのか特徴をあげます。たとえば、「組織の問題を解決する整理整頓」「億劫ではなく、楽しみながらできる整理整頓」「個人の行動特性に合わせた整理整頓」「1日3分で終わる整理整頓」など、読み手が覚えやすい特徴をキャッチーな言葉で表現します。

最後のHowは「どうやるのか?」というやり方の具体化です。これがないと掛け声だけになってしまいますから、整理整頓のやり方やスケジュールなどアクションが見えるところまで具体化します。

ヒト・モノ・カネ・時間などがどのように使われるのかを示しましょう。具体化というとやること(How)ばかりに目がいきがちですが、Why-Whatからの流れがないと細かすぎて本質が伝わりにくいので、この流れを意識することで抽象的な主張の説得力が増します。

文章を書く際にこの4象限を意識してもよいですし、自分が書いた文章に4色マーカーなどで4象限のどこかがわかるように線を引いてみるとどの情報が足りないのかが見えてきます。実際に研修でこの作業をやったある受講者の方は、「この色分けをしただけで自分の文章がなぜ、わかりにくいと言われるのかがよく理解できました」とおっしゃっていました。伝わりやすく、面白い文章を書きたいと思われたら4象限を参考にしてみてください。

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提供元:「4色マーカー」で文章がメキメキ上手くなる|「具体」と「抽象」、「主観」と「客観」の分類が鍵|東洋経済オンライン

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