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2018.03.20

30代のうちに始めたい「毎月5万円」投資法|iDeCoと「つみたてNISA」は2つ入るのが基本


「老後に3000万円貯めなくては」などと考えなくてもいい。では30代からどういう貯め方をするのがいいのか(写真:node / PIXTA)

「老後に3000万円貯めなくては」などと考えなくてもいい。では30代からどういう貯め方をするのがいいのか(写真:node / PIXTA)

人は、大切な人のためには犠牲を払ってでも「何かをしてあげたい」と思うものです。与えるものはいろいろだと思いますが、中でも「おカネ」を考えるケースが多いのではないでしょうか?

「20年後、30年後の自分」を大切にするという考え方

子どもが生まれると、「教育はしっかりつけさせたい」と、教育資金の準備を始めます。生まれたばかりの赤ちゃんでも、18年後は大学生です。「18年後の数百万円」を目標とし、多くのご家庭では積み立てを始めるでしょう。

また孫が生まれれば、やはり「孫のためになにかしてあげたい」と思うでしょう。私事で恐縮ですが、筆者の両親は、昔「孫の成人式のために」と積み立てを始めてくれました。残念ながら父は孫娘の成人式を見届けることはできませんでしたが、用意してくれたおカネは、成人式の晴れ着代に使いました。

「誰かを思っておカネの準備をする」。これは愛以外何物でもないでしょう。「愛=おカネ」と言ってしまうとなにか味気ないものと思ってしまうかもしれませんが、おカネはほとんどのものに形を変えることができます。大学の入学金にもなりますし、一人暮らしの引っ越し費用にもなります。変幻自在なところがおカネの良いところです。

もちろん大切な人は、自分自身でもあります。20年後、30年後の自分をいたわるということも、私たちは真剣に考えなければなりません。厚生労働省によると、年金暮らしの夫婦2人の年金収入は月23万円ほどです。一方、総務省の調査によると、高齢者2人世帯の平均的な生活費は28万円ほどです。特に後者などは、内訳を詳しく見る必要があるものの、まずはこの2つの数字を頭に入れておいてください。

簡単に言えば、年金だけだと、老後は入ってくるおカネが23万円で、出ていくおカネが28万円だと、赤字は5万円ということです。

仮に65歳から年金暮らしが始まり100歳まで生きるとすれば、35年間恒常的に月5万円の赤字が続くということです。赤字額はあくまで単純計算ですが、5万円×12×35=2100万円にもなります。

はたして、高齢期の自分はどんな暮らしをしているでしょうか? 「子どもには子どもの暮らしがあるので、できるだけ世話にはならず夫婦2人で暮らしたい」。もしそう思ったら、経済的にも子どもたちに負担をかけないよう、夫婦で家計収支をなんとかしなくてはなりません。

とにかく、前述のように毎月5万円の赤字は結構な額です。「働けるだけ働こう!」と気力はあっても、はたして働く場があるのか、働く能力があるのは、その時にならないとわかりません。病気にはなりたくありませんが、健康である保証もありません。

毎月、老後のために「5万円仕送りする」と考える

もしあなたが30歳なら、65歳までは35年間です。30歳のあなたが月5万円、35年後の自分(あるいは夫婦)に対しコツコツと「仕送り」ができれば65歳のあなたの家計は収支トントンとなります。31歳のあなたは66歳のあなたに月5万円の仕送りです。毎年順繰りに35年後の未来の自分に仕送りをすると100歳までの収支はトントンになります。

「老後のために最低3000万円作りましょう」「実際は3000万円では足りません。豊かな老後を送るには5000万円必要です!」などと言われると、あまりに金額が大きくて、思考停止になってしまいがちです。しかし、未来の自分への仕送りが月5万円なら印象が変わるのではないでしょうか?

毎月5万円はきついですか? それでも、「さすがに5万円はきつい。でも、3万円ならどうだろう? 2万円ならなんとかなるかも……」と、行動を起こすきっかけになりませんか?

もちろん高齢期の自分自身への仕送りが30代からできれば理想的でしょう。しかし、30代、40代は子育てや住宅ローンのことで頭がいっぱいで、「未来の自分への仕送り」までは頭が回らないことが多いものです。早いに越したことはありませんが、思い立ったが吉日、未来への仕送りを始めることが大切だと考えます。

そもそも、もらえる年金額は、現役時代の働き方によっておのおの異なります。また高齢期の生活設計は、シングルなのか配偶者がいるのか、年齢差はどうなのか、などでそれこそ十人十色です。しかし共通点は「高齢期の自分の生活を支えるのは今の自分しかいない。だから未来の自分への仕送りを始めなければならないのだ」という意識です。

税制優遇のある「iDeCo」と「つみたてNISA」を使う

未来の自分への仕送りをするときに活用したいのが、iDeCo(個人型確定拠出年金)とつみたてNISA(少額投資非課税制度)です。いずれも税制優遇がある資産形成の仕組みですが、同じところと違うところがあります(NISAには、つみたてNISAのほか、一般NISA、ジュニアNISAがありますが、長期資産形成の観点から、このコラムではつみたてNISAのみご説明します)。

まずiDeCoもつみたてNISAも「長期資産形成専用積立口座」だと思ってください。2つとも日本全国、ほぼどこの金融機関でも開設できる口座です。この口座で積み立てをすると税制優遇が受けられる特別な口座です。両方とも将来のための積み立てをするために使います。共通する税制優遇は、運用益に税金がかからないという点です。たとえば銀行で預金をする、証券会社で株を買う、いずれも利息あるいは利益に税金が20.315%かかりますが、iDeCoもつみたてNISAも、この税金がかかりません。

一方、非課税の恩恵を受けられる「期間」と、年間の積み立て額の「上限」は、それぞれ違うことを覚えてください。つみたてNISAの非課税期間は20年ですが、iDeCoは最長70歳までと、期間ではなく年齢で区切られます。また、つみたてNISAは20歳以上であれば誰でも利用できますが、iDeCoは59歳までとまた年齢で区切られます。さらに、つみたてNISAは年間40万円まで口座におカネを積み立てることができますが、iDeCoはその人の「立場」によって金額が異なります。たとえば会社員なら年間27万6000円ですが、会社員でも会社に企業年金がある場合は14万4000円です。またiDeCoの兄弟分として企業型確定拠出年金がありますが、会社にこの制度がある場合は、会社によってiDeCoもできるかどうかが違います。その他自営業者は年間81万6000円、公務員は14万4000円、専業主婦は27万6000円と少し複雑です。

iDeCoはつみたてNISAと比較すると、いくつか面倒な点がありますが、その代わり税金のメリットが大きいのが特徴です。まず自分の未来への仕送りをすると、その掛金全額が所得控除になります。所得控除が受けられる仕送りの仕組みとして生命保険会社の個人年金保険もありますが、こちらの所得控除には年間4万円という上限があり、税金のメリットが限定的です。しかし、iDeCoは掛金「全額」が控除の対象となりますので個人年金より優遇されています。

またつみたてNISAは非課税期間20年にかかわらず、必要に応じていつでも解約し、資金の引き出しをすることができます。しかし、iDeCoは60歳までは引き出しができません。厳しい制約を受ける見返りとして、60歳以降の資金の引き出し時点でも、税制優遇が受けられます。受け取る方法は60歳から70歳までの間の任意のタイミングで、一括受け取りと分割受け取り、あるいは併用で自由に選べます。一括受け取りの場合は退職金扱いに、分割受け取りの場合は、公的年金扱いとなります。

可能なら2つともフルに利用するのがベスト

退職金というのは、所得税の中でも最も税金がかからないように調整される所得です。長く勤務をすればするほど「退職所得控除」が大きくなり税金が少なくなります。iDeCoの場合、積み立てをした期間を勤続年数と読み替えてくれるという特典があります。加入期間20年までは1年当たり40万円の退職所得控除、20年を超えると1年当たり70万円の退職所得控除になります。つまり30年積み立てを継続すると1500万円の非課税枠ができるのです。

また分割で受け取る際は国民年金、厚生年金と同様の税制優遇が受けられます。65歳までは年間70万円までは非課税、65歳を超えると年間120万円までの受け取り額に対しては税金がかかりません。一括、分割、または併用は、iDeCo以外に会社からの退職金があったり、公的年金との受け取り方も総合的に調整したいなどの場合、重宝する選択肢です。

iDeCoもつみたてNISAもいずれも資産形成の仕組みです。どちらがいいとか悪いとかはなく、可能であればどちらも使いたい仕組みです。仮に月5万円を未来の自分へ仕送りするのであれば、2つの制度をフル活用することが必要になります。

長期の資産形成で大切なポイントは「長期、積み立て、分散」です。iDeCoもつみたてNISAも仕組みそのものが、長期、積み立てですから、あとは分散を意識すればいいだけとなります。

どんな「投資信託」が望ましいのか?

投資のプロではない一般の人が経済成長の恩恵を効率的に受けるために使うべき金融商品は、投資信託です。それもどこか特定の国、産業に集中するのではなく、世界中に「分散」する投資信託が望ましいでしょう。また経済の変動に合わせ適時投資先の配分を調整する「リバランス」の技術を持ち合わせていない人は、まずは「バランス型」が選ぶべき投資信託でしょう。

独自に投資信託の評価をする会社「モーニングスター」が運営するサイトでは、実際の投資信託の運用実績に応じたシミュレーションをすることができます。これはあくまで一例ですが、iDeCoでもつみたてNISAでも選択できるセゾン投信の「資産形成の達人ファンド」で、iDeCoとつみたてNISAの税制優遇を実感してみましょう。

もし会社員が月2万3000円をiDeCoで、月3万3000円をつみたてNISAで、つまり合計5万6000円を過去10年間、この投資信託で運用したとしましょう。10年間の積立額は合計672万円です。

シミュレーションによると、10年間で資産はなんと1563万円にも大きく成長しています。このうち投資元本との差額891万円が利益です。もしこの投資信託をiDeCoあるいはつみたてNISAではなく、特定口座などの一般の課税口座で積み立てをしていれば、同じ利益に対して20.315%課税されてしまいますから、実に約181万円もの税金を納めなければならなかったことになります。

この場合、積立額のうち、276万円はiDeCoの掛金です。仮に年収600万円程度で、所得税の上限税率が20%、住民税10%の人なら、iDeCoの掛金全額所得控除の恩恵として10年間で82万8000円のメリットを受けていたはずです。これだけの税制優遇を見ると、iDeCoとつみたてNISA以外の口座で積み立てをするのは非常に馬鹿らしく思えるのではないでしょうか?

もちろん上記のセゾン資産形成の達人ファンドはあくまでも一例です。また、過去の運用実績が今後もそのまま期待できるかといえば、そうとは言えないかもしれません。しかし、これだけのメリットがあれば、仮に50代で未来の自分への仕送りを始めても十分資産形成のチャンスがありますし、若い人で月5万円の仕送りが困難でも、時間を味方につけることによって、少ない金額でも資産形成ができます。

前述のとおりiDeCoもつみたてNISAも「口座」なので、金融機関で開設すればどこでも同様の税制優遇を受けられます。しかし口座開設を行う金融機関によって、選べる運用商品が異なりますし、サービスも異なります。実は、金融機関選びこそがキモだったりするのですが、今回は「未来の自分への仕送り」という話にとどめ、金融機関選び等はまた機会を改めてお伝えしたいと思います。

なお、筆者が運営する独立系の「確定拠出年金相談ねっと」というサイトでは、iDeCoやつみたてNISAのより詳しい情報発信や相談事例などを掲載しています。あくまで参考ですが、読者の皆さんの資産形成の一助として活用いただければ幸いです。

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提供元:30代のうちに始めたい「毎月5万円」投資法|iDeCoと「つみたてNISA」は2つ入るのが基本|東洋経済オンライン

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