2018.02.23
50代が老後を決める?健康リスクにはウォーキング+医療保険で備える!
男性は50代になると、40代の頃と比べて「がん・心疾患・脳疾患」にかかる人が増える、という厚生労働省の統計結果があります。
「がん・心疾患・脳疾患」は日本人の死亡順位ワースト3を占めると言われており、3大疾病とも呼ばれます。
50代男性の3大疾病患者数は40代の2倍以上!
男性は50代から「がん・心疾患・脳疾患」の三大疾病の患者数が大幅に増加します。
厚生労働省 平成26年患者調査 推計入院患者数,性・年齢階級 × 傷病小分類別 上巻第10-1表
厚生労働省の年齢別疾病患者数の推移でみてみると、がんは約3倍以上、心疾患・脳疾患は約2倍以上も増えています。
身体をうごかすことは、「がん発生のリスクが低下する」とも言われているので、健康維持をはじめ3大疾病を予防することに適した運動と言えそうです。
また、歩くことは、高血圧予防になるとされているので*1、心疾患や脳疾患の予防にも効果的*2です。
国立がん研修センター がん情報サービス 科学的根拠に基づくがん予防 「6.身体を動かす」より
*1 高血圧症を改善するための運動 ※外部サイトに遷移します
*2 狭心症・心筋梗塞などの心臓病(虚血性心疾患) ※外部サイトに遷移します
*2 脳血管障害・脳卒中 ※外部サイトに遷移します
目標は1日1万歩!日常生活にウォーキングをとりいれよう
超高齢社会の日本では、今後さらに医療費や介護にかかる社会的負担の増加が予想されていることもあり、国をあげて「健康日本21」という国民健康作り運動を推進しています。
その中で日常生活で、身体活動量を増やす手段として注目されているのがウォーキングです。
身体活動量と死亡率との関連の研究によれば、「1日1万歩」の歩数を確保すると有用と考えられています。
1日1万歩を毎日歩くことをイメージすると、その時間を確保するのは難しいと感じるかもしれません。ですが、男性20~64歳の1日平均歩数は、7779歩*4。
生活の中で少しずつ歩く習慣をつけていけば、さまざまな場面で歩数を稼ぐことができます。
例えば、1,000歩を約10分かかると計算した場合、通勤時に一駅分歩いて20分程度の時間を確保すれば2,000歩を達成できます。
普段エレベーターを使っているところを階段にするなど、いつもの生活をほんの少しずつ替えるだけなら、手軽に挑戦できるのではないでしょうか。
*4 歩数は、「厚生労働省 平成28 年国民健康・栄養調査結果の概要 身体活動・運動及び睡眠に関する状況」より抜粋
「平成28 年国民健康・栄養調査結果の概要」(厚生労働省) ※外部サイトに遷移します
3大疾病の備えは医療保険!通院治療への保障も合わせて考えて
とは言え、生活習慣や日々の運動を普段から心がけていても、リスクをゼロにするというのは難しいのも事実。
もしも3大疾病で入院することになった場合、長期の入院が必要になると言う可能性もゼロではありません。
厚生労働省 患者調査 上巻第46表 退院患者平均在院日数,性・年齢階級 × 傷病分類 × 病院-一般診療所別 2014年
がん・心疾患での入院は20日以下ですが、脳疾患は平均70日、と1カ月以上の長期間の入院となります。長期間入院することになると、治療費については、公的保障があるのである程度はカバーできますが、一部自己負担が必要なものもあります。
具体的には、食費は1食につき360円かかるので*5、1日あたり1080円かかります。70日に換算すると7万5000円と大きい金額になります。(平成30年4月~は1食あたり460円に値上げ)
また、短期間の入院で退院できたとしても、ほとんどの場合通院が必要になります。
例えば、がんの手術後、抗がん剤の治療で通院することになったり、心疾患の手術後は経過を診るための通院が必要になったりします。
通院治療にかかる交通費も、家族に付き添ってもらったり、タクシーを利用したりすることがあれば、意外とかさんでしまいます。
そのような費用に対して、医療保険で準備できているかも確認しておきましょう。通院治療の保障がある保険を選択することがおすすめです。
*5 厚生労働省 入院時食費負担(一般の方の場合) ※外部サイトに遷移します
50代で、できる限りの生活習慣の改善と備えの確認を!
50代はまだまだ働き盛りで、突然の大きな病気での入院・手術ともなると家族への生活の影響が大きいという人も多いのではないでしょうか。
会社に勤めているうちは、定期的に健康診断を受けるので、健康管理ができていますが、60代以降定年を迎えると、健康管理は自分自身で意識していく必要が出てきます。
引退後も長く健康に過ごしていくためには、生活習慣を改善することは大切なことです。
忙しい毎日の中完璧にこなすのはなかなか大変ですが、少しずつでも日常生活に運動を取り入れる、食事の改善を心がけるということを試みてください。
ただ、長く続けることが重要なので無理のない範囲で実践しましょう。
また、突然の大きな病気での入院・手術などの事態に備え、医療保険での準備ができているかどうか、改めて考えてみてはいかがでしょうか?
監修者プロフィール:酒井富士子(さかいふじこ)
経済ジャーナリスト。(株)回遊舎代表取締役。 日経ホーム出版社(現日経BP社)入社後、「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。その後リクルートに入社。「あるじゃん」「赤すぐ」(赤ちゃんのためにすぐ使う本)副編集長を経て、2003年から経済ジャーナリストとして金融を中心に活動。近著に「60代の得する『働き方』ガイド」(近代セールス社)などがある。