2017.12.28
掛け捨て保険はもったいないと思う人へ。貯蓄型保険のメリットとデメリットを伝授
子どもが生まれて、守るべき家族ができると、万が一の備えが重要になってきます。
自分に万が一のことがあったときのために、死亡保険にも入っておくべきでしょう。
しかし、死亡保険をかけたいけれど、掛け捨て型はもったいなさそうと、貯蓄型が気になる人もいるかもしれません。
今回は貯蓄型の保険のメリット・デメリット、どんな使い方をするといいのかを解説します!
貯蓄型保険と掛け捨て型保険の違いってなに?
そもそも、死亡保険における貯蓄型と掛け捨て型の保険の違いは何なのでしょうか?
貯蓄型の代表は終身保険、掛け捨て型の代表は定期保険です。
わかりやすく言えば、終身保険は保障が一生涯続くタイプ、定期保険は一定期間しか保障が続かないものです。
終身保険は、保障が一生涯続くので、必ず保険金を受け取ることができ、一生にわたっての安心を確保することができます。
また、解約した場合に返戻金がもらえるので、それを老後資金などに使用できると言った貯蓄性があります。
しかし、当然のことながらその分保険料が高めになっています。
定期保険は、保障は一定期間ですが、その分保険金が高額で、かつ保険料も安くなっています。
お金に余裕のない若い時にも利用しやすい保険と言え、また、ライフステージの変化ごとに見直しをすることができるので、柔軟性のある保険と言えます。
一方で、保険という商品の特性上、高齢になると保険料が若干高くなってしまうこともあり、将来にわたっての安心は確保しにくいかもしれません。
どちらも一長一短があるので、自分のニーズと向き合って考えましょう。
今回は、終身保険について詳しく解説をしていきます。
保険料が高めの終身保険にも割安タイプがある
終身保険には、通常のタイプと、低解約返戻金型があります。
低解約返戻金型とは、払い込み期間を終えるまでは返戻金が通常の終身保険より少なくなってしまう一方で、その分若干保険料が安くなるタイプです。
払い込み期間が終われば返戻金は通常の終身保険と同額になるので、将来の予定を考えて、保険料を全て払い終わるまで保険の変更をすることがなさそうだと考えるならば、通常タイプよりこちらのタイプに入っておいた方がお得と言えるでしょう。
低解約返戻金型の上手な使いみちは?
低解約返戻金型は、通常型より安い保険料なのにも関わらず、一生涯の安心が確保でき、かつ払い込んだ後には通常型の保険と同等の返戻金が確保できるので、自分の保険料を節約しつつ、万が一の為の資金を貯めておくことができます。
たとえば老後に急な病気にかかってしまい、治療費が足りないといった場合、場合によっては返戻金をそれに充てることもできます。
また、保険料払込み満了後に、解約返戻金を目的の資金にあてるというのも一つの方法です。
低解約返戻金型の場合、全て払い込んだ後の返戻金は、払い込んだ保険料の合計より多くなっているので、貯蓄としての一面を最大限利用した形と言えます。
その使い道の例を挙げるとすると、子どもの大学資金・住宅ローンの残りの完済・年金がもらえない60~65歳の間の資金などです。
特に、老後の資金という視点は非常に重要です。仮に60歳で定年退職した場合、65歳までは年金をもらうことができません。
その為にはしっかりと貯蓄をしておくことが大事です。
自動的に引き落としがされる保険であれば、うっかり使い込んでしまうことなく着実にお金を貯めることができます。
また、超低金利の現在では、低解約返戻金型を利用してお金を増やして受け取る方がお得と言えます。
何が起こるか分からない老後に向けて、着実に、且つおトクにお金を貯めておく貯蓄型の終身保険を利用していきましょう。
監修者プロフィール:酒井富士子(さかいふじこ)
経済ジャーナリスト。(株)回遊舎代表取締役。 日経ホーム出版社(現日経BP社)入社後、「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。その後リクルートに入社。「あるじゃん」「赤すぐ」(赤ちゃんのためにすぐ使う本)副編集長を経て、2003年から経済ジャーナリストとして金融を中心に活動。近著に「60代の得する『働き方』ガイド」(近代セールス社)などがある。