2021.11.26
「苦しい嫉妬の感情」をスッと消す実に簡単な方法|有名人には嫉妬しない理由を考えてみよう
有名人には嫉妬しないのに、近い人には嫉妬してしまうのはなぜでしょうか(まんが:Jam)
「私より、あの人のほうがいいのね」「みんな、偉いなぁ。なんてダメな私」と思うとき、人は嫉妬や自己嫌悪に陥るものです。どちらも苦しいもので、引きずってもいいことはありません。
人生をうまく進めていく人の共通点は、こうした自分の感情と、現実との折り合いをつけるのが、うまいこと。本気で「いい人生を送りたい」と考えたときに、自分のネガティブな感情を整理していくことは、どうしても不可欠なのです。
どんな仕事のスキルや成功哲学を学ぶより、自分の感情との付き合い方は、人生において重要なスキルといっていいでしょう。では、どうすれば感情の整理ができるのか? 『まんがでわかる 感情の整理ができる人は、うまくいく』を書いた作家の有川真由美さんと漫画家のJamさんが解説します。
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「人は人、自分は自分」を心に刻む
(まんが:Jam)
嫉妬は苦しいものです。うらやましさ、憎たらしさ、妬ましさ、敗北感、惨めさ、不安などが入り混じったモヤモヤした感覚。それがだんだん強くなっていくと、憎悪や恨みに変わることもあります。
たとえば、自分がこれまで仕切っていた仕事を、新人と分けることになったとします。この新人の仕事ぶりが、社内でなかなかの高評価。みんなが新人をほめると、「なによ。大したことないじゃないの」と、嫉妬心がわくかもしれません。これ以上、私の仕事をとられては困ると、仕事を教えなかったりミスを責めたり、「ちゃんとマナーを教わってこなかったのかしら」などと、別な部分で嫌味を言ったり。
嫉妬は、自分が欲しいものをもっている人に対して、「私より○○さんのほうがいいのね」と快く思わない攻撃的な感情や、落ち込んだ感情です。
嫉妬心は、いろいろなところで芽生えます。才能、容姿、若さ、お金、役職、健康、学歴、恋人や夫の資質、愛されていること、認められていることなどなど、キリがありません。世の中では嫉妬の感情が渦巻いて、どれだけ足を引っ張り合っていることか……。
でも、嫉妬の感情はわりと簡単に解決できます。
「人は人、自分は自分」
これさえ、日ごろから心に刻んでおけばいいのです。人と自分を比べなければ、嫉妬をすることもありません。もし嫉妬の感情がわいてきたとしても、「自分には自分の道がある」と自分を認めることができれば、嫉妬心を撃退することもできるでしょう。
一点だけを見て人と比べるのは、短絡的な考え。才能で嫉妬したとしても、自分には別の才能があるかもしれない。相手がもっていない多くのものをもっているはずです。人間の価値なんて、測れるものじゃない。一点だけで、「勝った、負けた」と感情的になるなんて愚かなことでしょう?
嫉妬をしないラクな関係を目指そう
嫉妬は苦しいものであり、同時に見苦しいものです。感情のなかでも、いちばん知られたくない、恥ずかしい感情。だれもが「自分が劣っている」ということを認めたくない。そんな感情を人に見せたくはない。だから、わかりにくい屈折した表現になってしまいます。
こんな話で盛り上がるとしましょう。
「そうそう。○○さんって管理職になったけど、社長のお気に入りだったからみたい。実力じゃないのよね」
ここでは、「かわいがられたり、認められたりしていいなぁ」とうらやましい。でも、そのまま素直に、「うらやましい」とは言えず、もやもやとした“嫉妬”になり、そんな人が集まっていると“共感”になり、無意識に強い連帯感を生み出すこともあります。
そして、だんだん麻痺してくるのか、快感になるのか、みんなで悪口を言ったり、見えにくい仲間はずれやイジメになったり。「出る杭はみんなで打とう!」運動になることも。こうした嫉妬は仕事のなかでときどきあり、足を引っ張り合ったり、派閥が生まれたりします。
嫉妬は、自分と同等と思っている人の間で強くなります。優れた功績を残した著名人やスポーツ選手、海外の成功者に対して嫉妬する人はあまりいないでしょう。素直に「すばらしい。おめでとう」と称賛します。
人は「絶対に手にできない」というものに対しては、嫉妬しないのです。仕事や人間関係を長く続けたいなら、近くの人を優劣で見ず、嫉妬をしないのが秘訣。人の成功を、「おめでとう!」と喜べる関係を目指しましょう。ラクですから。本当に比べるべきは、他人ではなく自分自身。いまの自分がこれまでより成長していると感じられたら、それでOK……だと思いませんか?
「これが自分」と開き直るしかない
(まんが:Jam)
小さなことで怒って「なんて、ちっちゃい私」と思うとき。だれかから「もっとしっかりして」などと言われたとき。ほかの人を見て、「みんな、偉いなぁ」と感じてしまうとき。あーあ。なんてダメな私……と思うとき、自己嫌悪に陥るものです。
つまり、自分のことが受け入れられず、否定してしまう状態。この裏には「自分は〜でありたい」という欲求や期待が隠れています。それができない自分だから、腹を立てたり失望したり。信頼ができなくなってしまうのです。
自己嫌悪を放っておくと、いいことはありません。「私ってダメ」が頻繁に起きたり、深刻に考えたりすると自己評価が低くなって、のびのびと力を発揮できません。もし、自己嫌悪を感じてしまったら、「それも自分。いいじゃないの」と開き直るしかありません。過ぎてしまったことを、あれこれ考えてもなにも変わりませんし。
たとえば、大きな失敗や失言をして迷惑をかけてしまったとき、「あちゃー、やっちゃった」と思っても、自分を責めすぎるのをストップ。「済んだことは仕方ない」「なるようになる」と胸を張って、前に進むことにフォーカスします。自分の身体的特徴や性格も、「それも自分」だと開き直るしかない。可能であれば、変えていけばいいこと。
自己嫌悪と付き合っていくには、自分のいいところも悪いところもひっくるめて、自分を受け入れる“ 潔さ”と、自分への“信頼”が必要なのです。
チャームポイントとして付き合っていこう
(まんが:Jam)
「私なんか……」をよく使う人は、自分の多少劣っている部分を「そんなことない」と言ってもらいたい。そして、ちょっと安心したいという甘えもあります。
実は、この「私なんか……」という部分は、それほど気にしているものではなく、本当のコンプレックスは別にあるような気がします。本当に気にしている部分は人前で言葉になんてできない。目を背けたい。自分にすら隠してしまいたいと思うものでは?
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さて、この“にっくき”コンプレックスと、どうやって付き合っていくか。ちょっと乱暴ですが、これも開き直るしかありません。「これが、私。悪くないでしょ」と受け入れることです。コンプレックスは、他人との比較や、自己分析によって「自分に欠けている・自分が劣っている」と思う点ですが、これは自分から見た思い込み。
以前、結婚相談所で働いていたとき、結婚できない理由を「太っているから」「話が下手(へた)だから」などと言う人がいましたが、相手から見ると「暗いから」「価値観が合わないから」などという理由。コンプレックスは、結婚できない理由ではないのです。
欠点に固執するよりも、人が認めてくれる点、ほめてくれる点を大事にしていくほうが、ずっと魅力的になれるし、感情の整理のためにも、ずっといいはず。見方を変えたら長所になることもあるし、成長のバネになることも。「にっくき……」ではなく、それも利用できる“チャームポイント”として付き合っていきましょう。
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提供元:「苦しい嫉妬の感情」をスッと消す実に簡単な方法|東洋経済オンライン